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2部3章
エルドラス
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敵の攻撃が止み、俺はセレストの方に目を向けていた。セレストの側に立っているローブの男。フードをかぶり顔を隠せているがなんか見覚えがある。そいつのローブに小さな檻のキーホルダーが吊るしてある。
「はい。撤収ー」
セレストはスマホの画面を暗くした。するとローブの男たちは煙を立てて消えた。彼女はスマホもレッグポーチに収納して俺の側に立つ。
「あなた、何者? 防水魔法も無しで水没したら壊れるだけよ」
ロケットランチャーによる攻撃で倒れた機械に目を向けた。だが、頑丈なのか壊れていない。並みの頑丈さでない。
「詳しいな。確かに高価なものでなければ……」
「私は高価なものなの! 子供にとってはの」
機械はだんだん縮み、小さな四角っぽいロボットとなった。ロボットは立ってこちらを見ながら震えている。
「攻撃しないの?」
「攻撃されなければしないよ。さっきは攻撃されたが、そっちがこれ以上なにもしないなら許す」
「優しいの! リヴァイアサン兄妹なのに?」
「へっ? 俺がリヴァイアサンなのは変身してるからだぞ?」
「そうなの! ごめんなさい、超似てたから不意打ちで倒そうとしてしまったの!」
「そうだったのか。お前はどこから来たんだ?」
「そこの洞窟なの! 先には王国がいくつもあるの」
「この先に住人がいるのか?」
「はいなの! 私はみんな優しいおもちゃの王国からきたなの」
「おお、過ごしやすそうだな」
「子供にボロボロにされて捨てられて、動物にもバラバラにされて、スクラップになって破棄されたものたちの王国なの」
「なんか、ごめんな」
擬人化したおもちゃたちの王国らしい。めちゃくちゃ恨まれてそうだが。
「そんなことないの。みんな目一杯遊んでもらって楽しかったの! 寂しいときもあるけど、今は修理してもらって過ごしてるの」
「そうか。俺たちは今からその洞窟に行くんだけど、いいかな?」
「大歓迎なの! 私の名前はエルドラス」
エルドラスは体を変身させて、背の高い品のいい服装の男に変身した。
「名前と見た目が厳つい……」
「さる王国にてお姫様の遊び相手をしていたの。王国の滅亡のおりにここに来たの!」
「来歴も重い……」
「平気なの。お姫様は今も立派に大海賊やってるの!」
「たくましいな!」
俺たちの前に現れた、おもちゃのロボットエルドラス。この先に王国があることを教えてくれた。補給も出来るし、休憩も出来そうだ。話に出てきたリヴァイアサン四兄妹が気がかりなのだが。
「はい。撤収ー」
セレストはスマホの画面を暗くした。するとローブの男たちは煙を立てて消えた。彼女はスマホもレッグポーチに収納して俺の側に立つ。
「あなた、何者? 防水魔法も無しで水没したら壊れるだけよ」
ロケットランチャーによる攻撃で倒れた機械に目を向けた。だが、頑丈なのか壊れていない。並みの頑丈さでない。
「詳しいな。確かに高価なものでなければ……」
「私は高価なものなの! 子供にとってはの」
機械はだんだん縮み、小さな四角っぽいロボットとなった。ロボットは立ってこちらを見ながら震えている。
「攻撃しないの?」
「攻撃されなければしないよ。さっきは攻撃されたが、そっちがこれ以上なにもしないなら許す」
「優しいの! リヴァイアサン兄妹なのに?」
「へっ? 俺がリヴァイアサンなのは変身してるからだぞ?」
「そうなの! ごめんなさい、超似てたから不意打ちで倒そうとしてしまったの!」
「そうだったのか。お前はどこから来たんだ?」
「そこの洞窟なの! 先には王国がいくつもあるの」
「この先に住人がいるのか?」
「はいなの! 私はみんな優しいおもちゃの王国からきたなの」
「おお、過ごしやすそうだな」
「子供にボロボロにされて捨てられて、動物にもバラバラにされて、スクラップになって破棄されたものたちの王国なの」
「なんか、ごめんな」
擬人化したおもちゃたちの王国らしい。めちゃくちゃ恨まれてそうだが。
「そんなことないの。みんな目一杯遊んでもらって楽しかったの! 寂しいときもあるけど、今は修理してもらって過ごしてるの」
「そうか。俺たちは今からその洞窟に行くんだけど、いいかな?」
「大歓迎なの! 私の名前はエルドラス」
エルドラスは体を変身させて、背の高い品のいい服装の男に変身した。
「名前と見た目が厳つい……」
「さる王国にてお姫様の遊び相手をしていたの。王国の滅亡のおりにここに来たの!」
「来歴も重い……」
「平気なの。お姫様は今も立派に大海賊やってるの!」
「たくましいな!」
俺たちの前に現れた、おもちゃのロボットエルドラス。この先に王国があることを教えてくれた。補給も出来るし、休憩も出来そうだ。話に出てきたリヴァイアサン四兄妹が気がかりなのだが。
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