177 / 242
2部3章
更なる試練
しおりを挟む
リリックさんは懐中時計を用い、何度も黒い炎の槍を突き刺し攻撃した。エルリックさんはその間も、笑顔でこちらに歩いてくる。いくつもの黒い炎の槍が突き刺さっているのに。
「素晴らしい! 時を止めるなんて並みの魔法使いでは出来ない。僕でも二時間はかかった」
「数百年の研鑽なんじゃけどー!」
そして、俺たちの前に立ったエルリックさん。
「あり得ん。今度は急所も狙ったのに」
「約束は?!」
「すまない。儂も命が惜しい。だが、ここまでしても死なんとは……」
「大丈夫。死んでいたとも。臓器の時を止めてヒールしてから時を動かした。君のと同じにね。ドライでいい時止めの使い方だ」
「一瞬! 儂の五十年無敗の戦法が一瞬で対処に応用されたんじゃけどー!」
リリックさんの嘆きは放置し、エルリックさんは周りを見てから俺に目を向ける。
「みんなも寝ているし、今のうちに悠人くんには更に上の試練を与えようか」
「味方ですよね?!」
「うーん。でも、このままじゃみんな潰れちゃうかもよ?」
エルリックさん天井を指差した、そもそもここは縦穴で天井など無い。だが、知らぬまに現れた天井が壁に擦りなから落ちてくる。針つきで。
「時を止めて、魔法で吊り天井作っちゃった!」
「儂より高度!!」
「罠ってさ。頑張れば、ギリギリ生き残れそうな感じがいいよね」
「「死ぬわ!!」」
俺は水を氷の柱に変質させて吊り天井を止めようとした。重さに耐えきれずに氷の柱はどんどん砕けてしまう。床一面に作ったのに。
だが、氷の柱を作っている途中に味方の側の氷だけ丸く削れているのを見た。
「魔法で守ってくれているのか。なら乗ってやる」
これからリュセラたちと共に旅をするには、強い必要がある。どんな時でも味方を守れるように。主にエルリックさんからかもだが。
すると懐中時計を開いたリリックさんが叫んだ。
「五重時間障壁!」
呪文のあと何かが起きたようには見えなかったが、吊り天井が停止している。
「天井の時間を五重の魔法で止めた」
「すごい、これなら……!」
直ぐに吊り天井は落下し始めた。
「なぜじゃ!」
「ああ、時間を動かす魔法を使ったんだ。時間停止を鍛えようか、リック?」
「その呼び方は! 魔法帝国の特別クラスの時の!」
「そうだよ。たしかその時代はこんな顔だったかなあ?」
エルリックさんは自分の顔を撫で下ろした。するとリリックさんは驚きの表情となる。顔が変身し老けた男性になったからだ。
「特別クラスの意地悪で試練大好きな邪悪な先生!」
「今と変わらないんかい!」
恐るべきエルリックさんの魔法。リリックさんが時間を止めたのにそれをものともしない。というかこのハイレベルな魔法合戦。俺、役立たずでは?
「素晴らしい! 時を止めるなんて並みの魔法使いでは出来ない。僕でも二時間はかかった」
「数百年の研鑽なんじゃけどー!」
そして、俺たちの前に立ったエルリックさん。
「あり得ん。今度は急所も狙ったのに」
「約束は?!」
「すまない。儂も命が惜しい。だが、ここまでしても死なんとは……」
「大丈夫。死んでいたとも。臓器の時を止めてヒールしてから時を動かした。君のと同じにね。ドライでいい時止めの使い方だ」
「一瞬! 儂の五十年無敗の戦法が一瞬で対処に応用されたんじゃけどー!」
リリックさんの嘆きは放置し、エルリックさんは周りを見てから俺に目を向ける。
「みんなも寝ているし、今のうちに悠人くんには更に上の試練を与えようか」
「味方ですよね?!」
「うーん。でも、このままじゃみんな潰れちゃうかもよ?」
エルリックさん天井を指差した、そもそもここは縦穴で天井など無い。だが、知らぬまに現れた天井が壁に擦りなから落ちてくる。針つきで。
「時を止めて、魔法で吊り天井作っちゃった!」
「儂より高度!!」
「罠ってさ。頑張れば、ギリギリ生き残れそうな感じがいいよね」
「「死ぬわ!!」」
俺は水を氷の柱に変質させて吊り天井を止めようとした。重さに耐えきれずに氷の柱はどんどん砕けてしまう。床一面に作ったのに。
だが、氷の柱を作っている途中に味方の側の氷だけ丸く削れているのを見た。
「魔法で守ってくれているのか。なら乗ってやる」
これからリュセラたちと共に旅をするには、強い必要がある。どんな時でも味方を守れるように。主にエルリックさんからかもだが。
すると懐中時計を開いたリリックさんが叫んだ。
「五重時間障壁!」
呪文のあと何かが起きたようには見えなかったが、吊り天井が停止している。
「天井の時間を五重の魔法で止めた」
「すごい、これなら……!」
直ぐに吊り天井は落下し始めた。
「なぜじゃ!」
「ああ、時間を動かす魔法を使ったんだ。時間停止を鍛えようか、リック?」
「その呼び方は! 魔法帝国の特別クラスの時の!」
「そうだよ。たしかその時代はこんな顔だったかなあ?」
エルリックさんは自分の顔を撫で下ろした。するとリリックさんは驚きの表情となる。顔が変身し老けた男性になったからだ。
「特別クラスの意地悪で試練大好きな邪悪な先生!」
「今と変わらないんかい!」
恐るべきエルリックさんの魔法。リリックさんが時間を止めたのにそれをものともしない。というかこのハイレベルな魔法合戦。俺、役立たずでは?
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる