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2部3章

激ヤババトル

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 焼け付いた地面に降り立った俺たちは、ダンジョンの半径に近い大きさの岩竜さんを見上げた。

 焦土となった大穴のダンジョンの底にそびえ立つ岩竜さん。珍しく矢面に立ったエルリックさんと対峙している。

 岩竜さんのその顔は怒りに歪み震えている。と言うかダンジョンまで揺れている。

「エルリックさん、何かやったのか?」

「さすがにエルリックは勇者で聖職者、岩竜相手で有っても、横暴は……」

「私の夫を返せ!」

「めちゃくちゃ重めな罪!」

 岩竜さんの怒声は大気を揺らし、俺も体の芯まで震えてしまう。最強の力を持つドラゴンの恐ろしさを感じた。俺が変身してきたドラゴンと大きく違う。

「それは出来ない、彼は弱かったから」

「ソルフレア!」

 岩竜さんは閃光を放った。その太さも大きさも今までで一番大きい。俺たちに向けて放たれている。

「防御の加護」

 目の前に光の壁が現れ、閃光を防いだ。だが、衝突した側の地面が溶けて穴が空いていく。光の壁の反対側は赤々と燃えて溶岩の海に変わった。

「エルリック、貴様を絶対に許さない!」

「お怒りはごもっともだね。胸を貸しましょう」

 エルリックさんが俺たちに手をかざしたすると光の足場が形成され、皆を空中に避難させた。

 岩竜さんが爪を振りかざした。光の壁が砕け、エルリックさんに迫る。

「エルリックさん!」

 俺は水の体に変じ、高速移動して岩竜さんの腕を受け止めた。自分の体を増やし、全身でようやく止めることができた。

「止めてください! 罪に取り返しが付かなくても、二人とも子供の前ですよ……」

 俺が振り返った時に、エルリックさんがこちらに手をかざしていた。

「エターナルフリーズ」

 エルリックさんの手から氷が現れ、前の空間全部が凍っていく。でも、さっきは止めてくれたし……。

「俺の手先から氷始めているんですけど!」

「悠人くんならやれる、試練だよ」

「この、試練狂い!」

 俺の体は一瞬で凍りついた、そして、背後からの熱で溶けて元通りとなった。

「ジオ・ドラース!」

 助かったと思ったら、地面の溶岩が競り上がり俺の足が全部蒸発した。

「俺の足ー!」

「悠人くん。水だから冷やせば戻るよ」

「そっか! 良かっ……」
 
 エルリックさんはまた俺の方に手をかざしている。
 
「無限雷鎖」

 大きな雷の鞭が幾つも現れ、岩竜さんを拘束した。ついでで俺にも触れた。雷によりバチバチと体が消滅する感触が。

「で、電気分解されちゃう!」

 突如訪れた俺の危機。セレストもソフィーナもいる、俺が頑張って止めないと。しれっとエルリックさんの攻撃対象にされてるがな。
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