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2部3章

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 ダンジョンの大穴の底から、上を見上げた俺の目に入ったのは白点にも見える日の光だった。急降下した俺たちだが、途中に幾つものせり出した岩を避けたのを覚えている。

 辺りを見れば、やはり暗く。ヘッドライトで照らせる部分だけは明るく見えた。そして、見つけた。横につながるほら穴。今まで探索していたほら穴とは大きさが違う。岩竜が入れるほどの大きな穴。

「ここからが、本当の大穴のダンジョンなんだな」

「そうよ。同格に会いに行くのに、丁度いい広さの穴」

「岩竜さんと同格がいるのか、この先に……」

「大丈夫、襲ってきたりはしないよ。皆暇してる位だし」

「遊ばれる可能性は?」

「有るわね。強い奴が来たら試したくなるでしょう? あなたも、その味方も私が見る限り強いみたいだし」

「なりません! ならないで下さい!」

「同格たち次第かな」

 岩竜さんは、横になってそのままあくびを一つしてから目を閉じた。眠ってしまったようだ。

「取り敢えず、ソフィーナ。一旦上に戻ろうか」

「折角ここまで進んだのにですか?」

「確かに結構降下した。でも冒険はな、楽ばかりしてちゃダメなんだ。それでは楽しめない」

「楽に越したことは無いと思うのですが……」

「途中に珍しいスパイスが有るかもしれないぞ?」

「行きましょう! また、空腹を感じました!」

「俺もなるべく沢山調べたい。異世界のスパイス、凛音じゃないがトライしたいしな」

 ソフィーナが翼を広げたので、俺も水を操りその上に乗って、上へと滑っていった。かなりの速度で上り凛音たちと合流した。

「こっちは無事で良かった」

「勝ったのか悠人。一発で岩竜が瀕死になってたから分かるが」

「やっぱりやり過ぎだったか……。この能力使うの控えた方がいいな……」

「むっ? このまま降りればいいだろ」

「でも、沢山調べてからの方が、だってダンジョンは時間も止まってるし」

「悠人、誰もがお前のように魔法で世界崩壊級のモンスターになれるわけではないぞ。休める時は休む。楽できるなら楽をする。冒険の鉄則だ」

「そ、そうなのか。リュセラはてっきり隅々まで見ていくのかと思っていた」
 
「そんなわけ無いだろ、魔法で全部探知して何もなければ降りるさ」

「いいなー。俺もそれが出来ればやるな……」

「話は纏まった? じゃあ、しゅっぱーつ」

「その前に、エリカ大尉たちも呼ぼう」

 エリカ大尉たちとコピーの二人も呼んで一緒に降りることになった。彼女らも快諾したし。

 俺は魔法で水を呼び出し、リュセラが水の表面を凍らせた。
 そして、皆を乗せて降下を始める。

「あっ、今のところ変な植物有ったよ?」

 急停止したら危ないので植物は諦めるしかない。

「悠人、本当にいいの?」

「セレスト。俺ばっか強い体になってたから、皆に無茶をさせてた。だから、今回はいい」

 盾にされたことは置いておくとして。

「それ、マジカルターメリックなんだけど」

 俺は急いで水を減速し、ちょっと戻ってマジカルターメリックを取った。俺の行動で皆怪我はしなかった。今度は控えよう、よほどのものでない限りは。その辺は申し訳ありません……。
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