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2部3章

分け合う

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 凛音が釣ったヤバめの化物はリュセラによって元の場所に返された。リュセラは化物とやや魔法によって会話した後に返したので反感は買って無いだろう。会話できる怪物だったのが怖いが。

 俺は魚の調理をしながら時々差し入れて貰った、焼きたての魚や肉を食べに行った。

「悠人の料理は美味しいね!」

「調味料が良いだけだよ。少量なら異世界のスパイスも使っているから、更に多彩な料理が出来て良いね」

「でもさ、作り過ぎじゃない?」

 調理場に目をやった俺は、そこにある十個の鍋とフライパンを見た。煮付け、天ぷら、あら汁三種、味噌煮込み。アクアパッツァ、海鮮鍋、フカヒレ、タイの炊き込みご飯十五合。

「調子にのり過ぎた!」

「できる限り食べましょうか。最悪は破棄するしかないか、悠人君?」

 食事も既に数十分が過ぎていた。みんなのお腹はいっぱいだ。なぜ手を止められなかった、俺。スパイスを存分使えて興奮してしまったのだろうか。

「でも、エリカ大尉。捨てたくないんです、俺のスパイスたち……!」

 食材があった、スパイスの用意もあった。作った事の無い料理がいっぱい。ほぼ全部作った気さえする。だからこその愛着がある。みんなに味わってほしい。

「俺はどうすれば……」

「僕に良い考えがある」

「リュセラ。頼む!」

 リュセラには沢山の道具たちがいる、きっと加勢してくれるんだ。

「召喚魔法」

 リュセラは杖を振るい、呼び出したのは、ギョロギョロした瞳の鱗のはえた魚人。

「さっきの奴かよ!」

「腹減ったと言ってたからな」

「会話が普通!」

「我々をなんだと思っているのだ?」

「俺も会話できちゃった!」

「僕が初めて合った時にかけた翻訳魔法は対面した者の言葉を分かるように出来るからな」

「なら大丈夫か……」

「同胞が居たんだ……。お前の料理の中に……」

「すみませんでした! 俺、とんでもないことを……」

「ああ、近所の魚の隣人のイソギンチャクの横でイルカが狙ってたエサだ」

「ほぼ他人!」

「海の者は皆同胞! 弱肉強食だが」

「俺からかわれてる? どうぞ召し上がれ!」
 
 それから、魚人が増えたりしたが無事食事をした。俺たちやエリカ大尉は魔物慣れしているので難なく受け入れた。隣を通るとなんか怖いが。魚の匂いするし。

 彼らそう言えば俺たちの世界に居たのを思いだし俺は怯える。今後会っても会話できるのだが。
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