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2部3章
報酬
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釣りの最中、俺がバケツを見れば、魚が一杯だ。次のバケツをリュセラに頼み釣りへと戻る。夜の川での釣りは最終局面を迎えていた。と言うかエリカ大尉たちが背後で待ってるんですけど。
エリカ大尉たちの作業はずいぶん早くに終わり、俺たちを迎えに来た時に奇跡の破片の処遇について話をした。釣竿は構えたままだが。
何かを考えているのかエリカ大尉は離れて、既に数分経っている。
「そう言えば、釣りの勝者には何か有るんですか?」
「バーベQでもどうかな、魚もお肉も野菜も用意できる。リュセラが」
「「自分でやれよ!! 今回はまあ楽しめたからするけどさ……」」
「でも時間が無いんじゃ?」
俺はエリカ大尉の方を見た。彼女もこちらに気がつく。
「急ぐ必要は有るかな?」
視線をカインと藍華に向けたエリカ大尉。
「そうですね……。エルリックさんがバーベQと言っていますが、どうですかね?」
「私たちは構わない。味気ない携帯食料と比べれば。昨日もやったがな……」
「今回は新鮮な魚もあるので。でも、バーベQグリルとかどうしましょう?」
「私の私物召喚で出しとくね! エリカさん用意してくれる?」
「了解した。片付けもこちらで……」
「いいや。それは敗者にやらせよう」
割って入ったのはエルリックさん。彼は何度か抜かれはしたが一位を維持している。見れば分かるバケツの量だからだ。藍華も並んで二位に。
「じゃあ、俺は勝つ必要無さそうだな……」
「勝者には悲劇教団特製の激辛ソースを進呈しようかな」
「「「あれ、辛すぎるからいらない」」」
「俺は勝つ!」
「異世界の辛い奴、面白いね」
「「私もトライしたい!」」
「「僕らで凛音を勝たせる!」」
異世界のスパイスに釣られた俺は、釣竿と協力して釣りを続ける。するとリュセラの方から大音が聞こえた。
「なんだ?」
「大丈夫だ、魚を凛音たちの釣針に召喚しまくっただけだ」
「不正だろそれ!」
「安心しろこの世界の川とかから召喚した」
「出てきた中に鮫とか居るんですけど!」
「平気だよー。鮫を釣ったことあるし!」
リュセラ二人はそれぞれ凛音の釣った魚を外す係りになっていた。これでリュセラは勝負を降りた。多分片付けならメイドとやるだろうし。
問題は俺だ。このままでは勝てない。初心者なので手間取っているし、みんなの魔法が異次元過ぎるのもあるが……。
「悠人、手伝ってあげる」
「助かる。でも、勝ちたいんじゃないのか?」
「勝ちたい。でも、あのソースは厄介。食べずに冷蔵庫で腐らせるわけにもいかないから」
セレストは釣竿をしまうと釣った魚を俺にくれた。それでもリュセラたちには及ばない。
「人に非ずの加護」
セレストは川に飛び込んだ。モンスターもいるから危険だと言おうとした俺が見たのは半身に美しい鱗を持ちヒレのはえた人魚。
「セレスト、それは?」
「変化する魔法」
人魚となったセレストの体は、いつもの修道服によって隠れていた肌が少し見えた。俺は恥じらいながらも、ダンジョンの放つ魔力の虹色と月の光により輝く彼女の体に見とれてしまう。
「綺麗だ……」
「ううっ! 後でハチミツ貰うからね!」
泳いで魚を手づかみするセレストを見ながら、これは釣りなのか疑問になった俺だった。
エリカ大尉たちの作業はずいぶん早くに終わり、俺たちを迎えに来た時に奇跡の破片の処遇について話をした。釣竿は構えたままだが。
何かを考えているのかエリカ大尉は離れて、既に数分経っている。
「そう言えば、釣りの勝者には何か有るんですか?」
「バーベQでもどうかな、魚もお肉も野菜も用意できる。リュセラが」
「「自分でやれよ!! 今回はまあ楽しめたからするけどさ……」」
「でも時間が無いんじゃ?」
俺はエリカ大尉の方を見た。彼女もこちらに気がつく。
「急ぐ必要は有るかな?」
視線をカインと藍華に向けたエリカ大尉。
「そうですね……。エルリックさんがバーベQと言っていますが、どうですかね?」
「私たちは構わない。味気ない携帯食料と比べれば。昨日もやったがな……」
「今回は新鮮な魚もあるので。でも、バーベQグリルとかどうしましょう?」
「私の私物召喚で出しとくね! エリカさん用意してくれる?」
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「いいや。それは敗者にやらせよう」
割って入ったのはエルリックさん。彼は何度か抜かれはしたが一位を維持している。見れば分かるバケツの量だからだ。藍華も並んで二位に。
「じゃあ、俺は勝つ必要無さそうだな……」
「勝者には悲劇教団特製の激辛ソースを進呈しようかな」
「「「あれ、辛すぎるからいらない」」」
「俺は勝つ!」
「異世界の辛い奴、面白いね」
「「私もトライしたい!」」
「「僕らで凛音を勝たせる!」」
異世界のスパイスに釣られた俺は、釣竿と協力して釣りを続ける。するとリュセラの方から大音が聞こえた。
「なんだ?」
「大丈夫だ、魚を凛音たちの釣針に召喚しまくっただけだ」
「不正だろそれ!」
「安心しろこの世界の川とかから召喚した」
「出てきた中に鮫とか居るんですけど!」
「平気だよー。鮫を釣ったことあるし!」
リュセラ二人はそれぞれ凛音の釣った魚を外す係りになっていた。これでリュセラは勝負を降りた。多分片付けならメイドとやるだろうし。
問題は俺だ。このままでは勝てない。初心者なので手間取っているし、みんなの魔法が異次元過ぎるのもあるが……。
「悠人、手伝ってあげる」
「助かる。でも、勝ちたいんじゃないのか?」
「勝ちたい。でも、あのソースは厄介。食べずに冷蔵庫で腐らせるわけにもいかないから」
セレストは釣竿をしまうと釣った魚を俺にくれた。それでもリュセラたちには及ばない。
「人に非ずの加護」
セレストは川に飛び込んだ。モンスターもいるから危険だと言おうとした俺が見たのは半身に美しい鱗を持ちヒレのはえた人魚。
「セレスト、それは?」
「変化する魔法」
人魚となったセレストの体は、いつもの修道服によって隠れていた肌が少し見えた。俺は恥じらいながらも、ダンジョンの放つ魔力の虹色と月の光により輝く彼女の体に見とれてしまう。
「綺麗だ……」
「ううっ! 後でハチミツ貰うからね!」
泳いで魚を手づかみするセレストを見ながら、これは釣りなのか疑問になった俺だった。
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