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2部3章
新たな争いの火種
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夜の林の川辺にて。俺たちは釣り糸を垂らしている。いつの間にか参戦した藍華とカイン。
「藍華、釣り上手いな。一体どこで習ったの?」
藍華のバケツには現在最も魚を釣ったエルリックさんに並ぶ量の魚が入っている。
「魔法だよ。模倣魔法でエルリックおじさんの魔法を真似たの!」
それを聞いたセレストが、エルリックさんを睨みつけた。
「ズルしてる。あんた、プライドはないの!」
「魔法は我が身。僕は全力で釣りをして居るだけだよ? セレストはもしかして、出来ないのかなあ?」
「やってやるわよ!」
エルリックさんのバケツにはかなりの量の魚が居るが。セレストのバケツはそれに及ばない。
セレストは竿を構えて呪文を唱える。
「不漁に非ずの加護。気配は非ずの加護。エルリックに負けずの加護。虫は寄らずの加護。魔物は寄らずの加護!」
「戦闘の時より呪文が多いな。でも、変な呪文あったな。ただの釣りなのに」
セレストの呪文のあとにセレストの竿はすぐにヒットした。ちょうど俺の竿にもかかる。
「悠人、今かかった奴引き上げてみなよ」
俺は竿を持ち上げてみた。釣れた魚は勢い良く飛び上がり。俺の頭に噛みついた。
(なんだこりゃー!!)
声になら無い叫びをあげた俺は魚の口をつかんで持ち上げた。手には岩魚がいる。異様に大きいだけだったので痛みはなかった。ゴットミノタウロスで良かった。
「ここは大穴のダンジョンの侵食を受けているから。魔物も出るし。魚も大きくなっているよ」
「藍華、危険だぞ!」
藍華の方を見た俺は、大きな魚を片手で持っている彼女を目撃した。
「平気だよー。エルリックさんが使っている魔法で、強くなっているみたいだから」
「良かった。でも、もしかして。俺が一番不利なのでは?」
「漁獲量が最下位の人は罰ゲームつけようか。僕には関係無いみたいだが」
「「絶対勝つ!!」」
「食料獲るだけにしません?」
「「ダメだ、ここで勝つ!」」
「乗せられやすすぎ!」
勝負が始まってしまった。俺と藍華は特に勝敗に拘らないが。試練大好きなエルリックさんの罰ゲームが恐い。藍華は負けないだろうけど。
「勝ったら、奇跡の破片を貰えますか?」
「藍華君、それはまだ早い。争奪戦というのはどうかな?」
「えっ!」
奇跡の破片の処遇が決まってなかったとは言え、そんな適当でいいのか?
「「「何それ面白そう!!」」」
反応した藍華に他の人の声が重なった。そちらを向けば凛音が二人、俺の真後ろに居る。遠くにリュセラ二号もいる。
誰か止めてくれ! 俺以外乗り気だから誰も止められないけど。
「藍華、釣り上手いな。一体どこで習ったの?」
藍華のバケツには現在最も魚を釣ったエルリックさんに並ぶ量の魚が入っている。
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「魔法は我が身。僕は全力で釣りをして居るだけだよ? セレストはもしかして、出来ないのかなあ?」
「やってやるわよ!」
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セレストは竿を構えて呪文を唱える。
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「戦闘の時より呪文が多いな。でも、変な呪文あったな。ただの釣りなのに」
セレストの呪文のあとにセレストの竿はすぐにヒットした。ちょうど俺の竿にもかかる。
「悠人、今かかった奴引き上げてみなよ」
俺は竿を持ち上げてみた。釣れた魚は勢い良く飛び上がり。俺の頭に噛みついた。
(なんだこりゃー!!)
声になら無い叫びをあげた俺は魚の口をつかんで持ち上げた。手には岩魚がいる。異様に大きいだけだったので痛みはなかった。ゴットミノタウロスで良かった。
「ここは大穴のダンジョンの侵食を受けているから。魔物も出るし。魚も大きくなっているよ」
「藍華、危険だぞ!」
藍華の方を見た俺は、大きな魚を片手で持っている彼女を目撃した。
「平気だよー。エルリックさんが使っている魔法で、強くなっているみたいだから」
「良かった。でも、もしかして。俺が一番不利なのでは?」
「漁獲量が最下位の人は罰ゲームつけようか。僕には関係無いみたいだが」
「「絶対勝つ!!」」
「食料獲るだけにしません?」
「「ダメだ、ここで勝つ!」」
「乗せられやすすぎ!」
勝負が始まってしまった。俺と藍華は特に勝敗に拘らないが。試練大好きなエルリックさんの罰ゲームが恐い。藍華は負けないだろうけど。
「勝ったら、奇跡の破片を貰えますか?」
「藍華君、それはまだ早い。争奪戦というのはどうかな?」
「えっ!」
奇跡の破片の処遇が決まってなかったとは言え、そんな適当でいいのか?
「「「何それ面白そう!!」」」
反応した藍華に他の人の声が重なった。そちらを向けば凛音が二人、俺の真後ろに居る。遠くにリュセラ二号もいる。
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