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2部3章
備え
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カインを直ぐに追いかける事が決まった俺たちは全員、救護テントで治療を受けた。俺はゴッドミノタウロスなので特に怪我しなかったけど。
「凛音の致命傷は大丈夫だったのか?」
「うん! ミホさんがポーションで治したよー」
「リュセラの方はどうだ?」
「僕は怪我はないが、魔力を回復するためにマナポーションを頂いた」
「セレストは?」
「あいつとの戦いなんて日常だから、怪我なんてしない!」
「お、おう。なら良かった」
「はいはい。みんな、治療が終わったら準備しようか」
エルリックさんが救護テントに入って来てそう言うと、セレストは露骨に嫌そうな顔をする。
「あなたに仕切れるんですかー? 悲劇教団も制御出来てないのにー」
「「そうだそうだ! お前のせいで僕は年中狙われてんだぞ!」」
「でもリュセラ、二人いるから分散出来るよね?」
「「ありがとうカイン!」」
「そうかい。じゃあカインに隊長たちを二倍にして貰おうか?」
「「やめろ!」」
「それは良いとして、仕切る役を大尉に任された。異世界組では僕が最年長だし、麗音とも友達だ。利益があるうちはね」
「お父さんと友達なの?! 友達は悠大さんだけって言ってたけど?」
「ひどいなあ。まだ、試練の事を根に持ってるだろうな。麗音は口うるさいし」
「分かるー!」
「凛音ちゃん、こんな奴と分かりあっても得はないわ。せいぜい試練与えられてめんどいだけよ!」
「試練! 心踊るひびきだね!」
「セレスト。凛音には逆効果だ……。父さんとも定期的に会っているから、俺は一先ず任せてみようと思う」
「悠人まで!」
「困ったら全員で倒そう」
「「「OK、それがいい!」」」
悲劇教団の司教である彼を倒せばあらゆる騒ぎを納めることができるはずだ。実際に倒せるかどうかは分からない。父さんや麗音さんと同じレベルならかなり強いから。
「ひどいなあ。でも、話は進んだね。荷物を用意しようか」
「今回の大穴のダンジョンは水気が強そうですね。荷物の防水や滑り止め、降りる際の器具を用意しないと」
「うん。さすが悠大のお子さんだ。突っ込むばかりのセレストや、臆病に荷物を重くするリュセラとは違うなー」
「「なんだとー!!」」
「落ち着け。リュセラ、防水の魔法とか可能か?」
「出来る。荷物と衣服を見せてみろ」
リュセラが杖を振り、俺の鞄と服に光が入った。
「体に魔力の膜を作った。濡れる心配はない」
「セレスト、空を飛べるよな?」
「うん。重力は有らずの加護でね」
「じゃあ落下の危険があったら助けてくれ」
「いいよ。あいつ以外なら。どうせあいつも出来るけど……」
俺の様子を見ていたエルリックさん。笑顔だった。
「懐かしいな。悠大も冒険ではとても便りになった。ちなみにその荷物は?」
「調味料と百均の道具です」
「そうか、そうか……」
エルリックさんはやや困っている。一応今から荷物を足しますから、勘弁してください。
「凛音の致命傷は大丈夫だったのか?」
「うん! ミホさんがポーションで治したよー」
「リュセラの方はどうだ?」
「僕は怪我はないが、魔力を回復するためにマナポーションを頂いた」
「セレストは?」
「あいつとの戦いなんて日常だから、怪我なんてしない!」
「お、おう。なら良かった」
「はいはい。みんな、治療が終わったら準備しようか」
エルリックさんが救護テントに入って来てそう言うと、セレストは露骨に嫌そうな顔をする。
「あなたに仕切れるんですかー? 悲劇教団も制御出来てないのにー」
「「そうだそうだ! お前のせいで僕は年中狙われてんだぞ!」」
「でもリュセラ、二人いるから分散出来るよね?」
「「ありがとうカイン!」」
「そうかい。じゃあカインに隊長たちを二倍にして貰おうか?」
「「やめろ!」」
「それは良いとして、仕切る役を大尉に任された。異世界組では僕が最年長だし、麗音とも友達だ。利益があるうちはね」
「お父さんと友達なの?! 友達は悠大さんだけって言ってたけど?」
「ひどいなあ。まだ、試練の事を根に持ってるだろうな。麗音は口うるさいし」
「分かるー!」
「凛音ちゃん、こんな奴と分かりあっても得はないわ。せいぜい試練与えられてめんどいだけよ!」
「試練! 心踊るひびきだね!」
「セレスト。凛音には逆効果だ……。父さんとも定期的に会っているから、俺は一先ず任せてみようと思う」
「悠人まで!」
「困ったら全員で倒そう」
「「「OK、それがいい!」」」
悲劇教団の司教である彼を倒せばあらゆる騒ぎを納めることができるはずだ。実際に倒せるかどうかは分からない。父さんや麗音さんと同じレベルならかなり強いから。
「ひどいなあ。でも、話は進んだね。荷物を用意しようか」
「今回の大穴のダンジョンは水気が強そうですね。荷物の防水や滑り止め、降りる際の器具を用意しないと」
「うん。さすが悠大のお子さんだ。突っ込むばかりのセレストや、臆病に荷物を重くするリュセラとは違うなー」
「「なんだとー!!」」
「落ち着け。リュセラ、防水の魔法とか可能か?」
「出来る。荷物と衣服を見せてみろ」
リュセラが杖を振り、俺の鞄と服に光が入った。
「体に魔力の膜を作った。濡れる心配はない」
「セレスト、空を飛べるよな?」
「うん。重力は有らずの加護でね」
「じゃあ落下の危険があったら助けてくれ」
「いいよ。あいつ以外なら。どうせあいつも出来るけど……」
俺の様子を見ていたエルリックさん。笑顔だった。
「懐かしいな。悠大も冒険ではとても便りになった。ちなみにその荷物は?」
「調味料と百均の道具です」
「そうか、そうか……」
エルリックさんはやや困っている。一応今から荷物を足しますから、勘弁してください。
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