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2部、2章
違和感
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気を取り直して、俺たちは林を抜けて拠点キャンプへと着いた。
周囲を警戒する銅像がほとんど破壊されているが、テントは無事だ。
装甲車のドアを開き、俺たちは降りた。アキラさんが魔法で装甲車を小さくして鞄にしまう。
「無事なようだな」
「でも、カインたちが居る」
「コピーを作る能力で撹乱を図った、拠点を襲ったとなれば、出会い次第拘束しなければ。処遇は大臣に意見を仰ごう」
「あの……」
「どうした?」
「俺が先頭なんです?」
「魔法効かない上に頑丈だと判明したからつい……。実績評価に加えておこう」
「お願いします……。藍華の治療費払い終えて無いので」
入り口まで来ると、中でカズヒロさんとミホさんが話しているのが見えた。こちらに気がついた二人は近づいてくる。怪我はないみたいだ服もそのままだ。
「エリカ大尉、ご無事でしたか」
「ご苦労様。状況は?」
「はい。外の銅像は破壊されましたが、敵組織の銃の使用は無かったです。魔法での攻撃を受けました」
「敵組織の魔法の特定は?」
「仲間との連絡の結果、拠点に残った自衛隊メンバー全員と同じ魔法使用が確認されました」
「直接害が有ったのは俺の魔法くらいだ!」
そう言って俺たちの側にあるテントから出てきたのはケンタさんだ。だが、妙だと思った。
ケンタさんは武装している。襲撃に警戒しているのかもしれないが。それならなぜ、カズヒロさんとミホさんはそのままの格好なんだ?
「確かにケンタの変形魔法なら、かなりの被害が出るだろう」
「お陰で修復作業で疲れた。一息付けたから戦えるぜ。お気楽に通信してた奴がうらやましいよ!」
ケンタさんはカズヒロさんに悪態をつく。
「あー、そう言えば。ここに来る途中テントの側に変形痕が有りました。我々のテントのケンタさんのお荷物の側でしょうか」
すかさず反撃したカズヒロさん。ケンタさんは既に櫛を持っている。やっぱり変なのは気のせいなのだろうか。
エリカ大尉とユウキさん、アキラさん、リョウさんは先へ進む。
「悠人君たちは、先にテントで休んでくれ。私はタケシ中尉と話がしたい」
「良いんですか?」
「大丈夫っすよ。大尉なりの気遣いっす。心配なんでしょ?」
「はい!」
俺は走った。藍華が心配だ、それにカインを捕らえないと。
「準備出来てるか?」
「「やるぞー!」」
「僕が二人も居れば勝てる。エリカもそう言う判断だったのだろう」
「そうだ、悠人」
「どうした、リュセラ二号?」
リュセラ二号は腕を巻くって見せた。右腕の裏に数字の二が描かれている。
「コピーの僕の体には数字がある。これが見分ける方法になる覚えておけ悠人」
「ありがとう。覚えておく」
走りテントにたどり着いた俺は声をかけてから開いた。だが、そこには誰も居ない。
「藍華が居ないセレストも……」
「襲われた時に浚われたのか? 確かにカインが居たなら出来るだろう、そこにセレストが居なければの話だ」
「確かにセレストを倒すのは難しいはず」
「そっか。そうだったんだ!」
凛音は杖を構えた。テントの外側へと。するとケンタさんとミホさんが姿を現す。
「凛音さん。なぜ気がついたのですか?」
「藍華ちゃんが浚われてるのに、エリカ大尉に報告しなかったでしよ?」
ミホさんはお腹を少し捲って見せた。そこには数字の二が有った。
周囲を警戒する銅像がほとんど破壊されているが、テントは無事だ。
装甲車のドアを開き、俺たちは降りた。アキラさんが魔法で装甲車を小さくして鞄にしまう。
「無事なようだな」
「でも、カインたちが居る」
「コピーを作る能力で撹乱を図った、拠点を襲ったとなれば、出会い次第拘束しなければ。処遇は大臣に意見を仰ごう」
「あの……」
「どうした?」
「俺が先頭なんです?」
「魔法効かない上に頑丈だと判明したからつい……。実績評価に加えておこう」
「お願いします……。藍華の治療費払い終えて無いので」
入り口まで来ると、中でカズヒロさんとミホさんが話しているのが見えた。こちらに気がついた二人は近づいてくる。怪我はないみたいだ服もそのままだ。
「エリカ大尉、ご無事でしたか」
「ご苦労様。状況は?」
「はい。外の銅像は破壊されましたが、敵組織の銃の使用は無かったです。魔法での攻撃を受けました」
「敵組織の魔法の特定は?」
「仲間との連絡の結果、拠点に残った自衛隊メンバー全員と同じ魔法使用が確認されました」
「直接害が有ったのは俺の魔法くらいだ!」
そう言って俺たちの側にあるテントから出てきたのはケンタさんだ。だが、妙だと思った。
ケンタさんは武装している。襲撃に警戒しているのかもしれないが。それならなぜ、カズヒロさんとミホさんはそのままの格好なんだ?
「確かにケンタの変形魔法なら、かなりの被害が出るだろう」
「お陰で修復作業で疲れた。一息付けたから戦えるぜ。お気楽に通信してた奴がうらやましいよ!」
ケンタさんはカズヒロさんに悪態をつく。
「あー、そう言えば。ここに来る途中テントの側に変形痕が有りました。我々のテントのケンタさんのお荷物の側でしょうか」
すかさず反撃したカズヒロさん。ケンタさんは既に櫛を持っている。やっぱり変なのは気のせいなのだろうか。
エリカ大尉とユウキさん、アキラさん、リョウさんは先へ進む。
「悠人君たちは、先にテントで休んでくれ。私はタケシ中尉と話がしたい」
「良いんですか?」
「大丈夫っすよ。大尉なりの気遣いっす。心配なんでしょ?」
「はい!」
俺は走った。藍華が心配だ、それにカインを捕らえないと。
「準備出来てるか?」
「「やるぞー!」」
「僕が二人も居れば勝てる。エリカもそう言う判断だったのだろう」
「そうだ、悠人」
「どうした、リュセラ二号?」
リュセラ二号は腕を巻くって見せた。右腕の裏に数字の二が描かれている。
「コピーの僕の体には数字がある。これが見分ける方法になる覚えておけ悠人」
「ありがとう。覚えておく」
走りテントにたどり着いた俺は声をかけてから開いた。だが、そこには誰も居ない。
「藍華が居ないセレストも……」
「襲われた時に浚われたのか? 確かにカインが居たなら出来るだろう、そこにセレストが居なければの話だ」
「確かにセレストを倒すのは難しいはず」
「そっか。そうだったんだ!」
凛音は杖を構えた。テントの外側へと。するとケンタさんとミホさんが姿を現す。
「凛音さん。なぜ気がついたのですか?」
「藍華ちゃんが浚われてるのに、エリカ大尉に報告しなかったでしよ?」
ミホさんはお腹を少し捲って見せた。そこには数字の二が有った。
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