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2部、2章

拠点を出る

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 拠点キャンプにて、次の日を迎えた俺たち。たちとは言うが、俺はテントの外で敷かれたレジャーシートに寝袋、上にさらに毛布ともう一枚レジャーシートをかけた状態だ。

 俺の顔に付いた朝露を拭う。山林のため朝は寒く感じた。夜も寒いとき有ったが。

「おにーちゃんおはよー」

「悠人、おはよう! 元に戻ってるね。もっと触っておけば良かった」

 テントから顔を出した、藍華と凛音。その後に続いてリュセラ、セレスト、カインと出てきた。

「悠人、虫除けの魔法くらいは張っておいてやったぞ」

「ありがとうリュセラ、毛布もくれたんだな」

「それは僕ではないぞ」

 カインが俺の側にきて、寝袋などを片付ける手伝いをしてくれた。

「僕です。悠人さん肌寒くなるだろうと思いまして」

「ありがとう。それと、藍華に何かしてないだろうな?!」

「大丈夫ですよ。可愛い寝顔でした」

「側で寝ていただと!」

「おにーちゃん落ち着いて。セレストさんも隣にいたし何もないって」

 藍華に宥められて、一先ず朝の支度(水筒に淹れたてコーヒーを入れたり、シナモンを補充することも含む)を終えてエリカ大尉たちと合流した。

 エリカ大尉は隊員が働くなか、地図を眺めながら男性と話をしている。大柄で笑顔の男性だった。

「おはようございます」

「おはよう! 若けえの!」

「おはよう。悠人君。あの姿で無事に睡眠が取れたようだな」

「はい。テントの中の方が心配でしたが……」

「良いじゃねえか。色恋なんて今のうちだせ。それに見回りくらいならしてたしな!」

「そう言えばこの人は……?」

「重火器の専門家、高橋リョウだ。今日の先行隊に同行する」

「よろしくお願いします」

「ああ、悠人、命大事にな! 困ったら頼れよ。ほれ、これやる」

「おかきですか?」

 勢いについ、リョウさんが、いくつも持っていた大袋の一つを受け取った。

「気に入ってるお菓子屋のでな、毎日食ってんだ。隠れてる時もな」

「音とか大丈夫なんですか?」

「その為の魔法だ! 消音魔法でバレずに食えるってもんよ」

「いま、バレたがな。リョウ。戦闘中は集中しろよ」

「イエスマム! だか、食ってねえと落ち着かなくてよ!」

「まあいい。仕事は真面目だからな」

 話を終えてから、みんなで軽く朝食を頂いた。

 全員揃った所で、自衛隊の人々がまた列を作った。俺たちも取り敢えず列に並んだ。

「作戦開始だ。先行隊は装甲車で危険の排除、並びに次のキャンプ地への到着。待機隊は周囲の安全を確保」

「はい!」

「では出発だ」

 エリカ大尉に連れられ拠点キャンプを後にした。俺は藍華のもとへと行く。

「気を付けてな」

「おにーちゃんこそ、そっちの方が危険なんだからね」

「そうだな。藍華も連れていきたいけど、ここの方が安全だし」

「心配しすぎよ悠人。私もそっちが良かったけど、ちょっと懸念が有ってね。本当に気をつけてね」

「ああ、必ず戻る」

 俺は藍華とセレストに背を向けた。藍華と話すカインの楽しげな声を聞きながら。
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