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2部、1章

恐ろしいもの

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 空から藍華を探すため。俺と凛音は空を飛ぶ。俺は風の翼を使い、凛音は空を飛ぶ魔法での飛行。しかし、夕暮れの空からでは人探しは難しい。

 俺の手元は明るいのに。魔法により火の手となっている。多少のものは燃やさずに持てる火力調整が可能なのが救いだ。油とかは触れないのだが。(発火する恐れがあるもの)今日の夕飯は焼き物以外は作れないな。

 安心してみんなで過ごすために。藍華と他のみんなを探そう。

「エリカ大尉たちは?」

「飛べないからこちらの動きを見ながら捜索するって」

 俺は下の方を見る。エリカ大尉たちが、大きめのライトを用いて徒歩で俺たちに付いてきてくれる。

「でも、ライトでは照らしきれない。捜索に斑が出来て、見逃してしまうかもしれないよね」

 かく言う凛音も杖を光らせてかなりの広範囲を照らしてくれている。しかし、モンスターの危険もある。余り遅いと藍華が危険だ。リュセラとセレスト、自衛隊にカインとは違うのだ。

「日が沈んじゃうよー!」

「じゃあ、大きな光を作れば良い!」

 俺は上空に手を掲げ、物を作る魔法を使う。

「そこそこの大きさの太陽で」

 夕暮れの景色に鮮烈な光が迸った。林の全てが照らせるほどの巨大な太陽を作り上げる。

「すごい。悠人のエンチャントお菓子の魔法、面白そう! 

「異世界の食材があれば出来るぞ」

「でも、私がコーヒーに入れても、そんなに強い魔法出ないんだよなー!」

「そうか、凛音は料理経験が浅いから最高の味まで作れないのか」

「逆にあんなシンプルなコーヒーで、最高の味はおかしい」

「日々の成果だな! コーヒー飲みすぎかもだけど!」

 照らされた林には藍華とカイン見えた。それとデカイ、異様にデカすぎる熊だけ。

「藍華! 見つけた!」

 藍華は林の木の枝に紛れ、熊から見えないようにしている。カインは藍華の前に立ち、庇っている。

「隠れてたのに。おにーちゃんのせいで見つかったじゃん!」

 大きな熊は藍華たちを見つけた。そして、何かに気がついたようにこちらを二度見。

 熊が目にしたのは俺の伸ばした多量のハイドラと、熊に降りかかる極小太陽(林の全てを照らすサイズの太陽。紫外線、危険物高熱をカットする魔力の膜を張ってある)

 逃げた熊を追わず。藍華たちのもとへ降り立った。俺は初めて、引いた表情の藍華を見た。
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