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2部、1章

モンスター

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 俺はネズミの増殖によって流された後に、林のどこかで止まった。見るとネズミは消えて無くなっていた。

「ネズミが魔法で増殖してたってことか」

 手元を確認すると、いつもの調味料の鞄は残っている。ネズミに盗み食いされていないか確認したが、無くなっている物はなかった。

「食料が入っているのに、なぜネズミは奪わなかった?」

 野生の動物は、食事になるものは何でも持っていってしまうはず。

 辺りを確認したが、動きはない。仲間も居ない。

「みんなはぐれてしまったのか……」

「スマホがあるじゃない!」

「そうか、連絡を取ればいい!」

 俺は擬人化スマホのスクロールして藍華に電話を掛けた。

「ここ山だから電波無いじゃん!」

「え、私は繋がっているけど?」

「スマホは俺のアーツの能力で機能拡張してあるけど藍華は、ダンジョン入ったこと無いから」

「あー」

 俺は早速コーヒーに手を伸ばした。

「飲んでる場合じゃない! 藍華は。藍華だけでも見つけないと。カメラも手伝ってくれ!」

「通話できないとなると徒歩で名前を呼びながら、この林を歩かないといけませんね」

 俺の鞄から擬人化したカメラも出てきた。スマホも人の姿に変身する。

「スカーフ。ゴールドボーイも頼む!」

「承知した」

「任せな! 分身して叫んでやる」

「魔物も出そうだから、ゴールドボーイは目視で頼む」

「五人いれば確率は上がる、リュセラたちや自衛隊の人々を呼べばもっと!」

 俺たち五人で叫びながら歩く。すると、スマホが遠くを指差した。そこには……。

「デカイ狼が!」

「モンスターか、倒すしかない」

「悠人様、あれを!」

 カメラの向いている、その先には……。

「異様に大きい鶏です!」

「またか。だが、安全確保の任務もある!」

「悠人、あれを見ろ!」

 スカーフは構えながらそちらを見ている。

「人ぐらいのサイズの猿だと! 藍華の方に行くよりは俺が相手をしてやる!」

「悠人、なんか見つけた」

 分身して波のようになったゴールドボーイが戻ってきた。沢山の巨大アリを引き連れて。

「モンスターばっかじゃないか! 囲まれてるし!」

 俺は手を使おうと動かしたが、手錠してあったな。

「なら飛行して……。手が使えないから防風シートを外せないじゃん……」

 影に潜って逃げることは出来るが、仲間を置いていけない。その時だった、空から複数の雷が降り注ぎ、モンスターを一掃した。のだが、俺にも当たった。

 痺れを感じながらもハイドラの再生能力で持ちこたえる。俺は空を見た。飛行する魔法で飛んでいる凛音がいた。

「あ、悠人だった……」

「威力高すぎだろ、意識飛び掛けたわ!」

「でも、他の魔物もいたし、出来る限り強めにしないと」

「俺を魔物に数えないでくれ……」

「とにかく。みんなを探しにいこうよ!」

 無事に凛音と合流した。魔物も倒せたので良かった。俺も攻撃食らったがな!
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