56 / 233
4章
最強の戦い2
しおりを挟む
壁に穴が空き、広い遺跡の中がさらに広くなる。俺たちはリュセラとセレストの対立を前に、動けずにいた。
「お前、悲劇教団の司教の娘だな?」
「隠したかったけど、その通り」
「なぜ教団を解体したい?」
「あいつがコントロール出来てないから。今の教団はバラバラ。だから、私があいつから全てを奪うの」
「権力争いに悠人と凛音を巻き込むなよ!」
「それ、危険な宝さがしに二人を巻き込んだ人のセリフ?」
リュセラは杖で床を叩く。
「召喚魔法、水」
床から溢れでた多大な水が、セレストを押し流そうと、大波になる。
「ひとつの世界の全てを召喚する、すごい魔法ね。私が相手じゃなかったらね」
セレストは逃げずに波へと歩いた。そして、呪文を唱える。
「沈まずの加護、濡れずの加護」
波がセレストに当たる瞬間に、逸れてセレストの周囲には隙間が出来た。彼女が歩くと、水の方が弾かれる。
「すごい。あれだけの水があっても濡れないなんて」
「悠人。セレストは無事だけど、私たちはヤバいかも」
大量の水が俺達目掛けて流れてきた。
「きっと押し流す気だ、大丈夫」
俺は身構える。セレストがこちらを振り向いて俺を見た。
「スライムって大量の水に触れると溶けるよ」
「マジか!」
迫り来る大波から走って逃げた。いくら強化されていても、スライム部分が溶けたら不味い。だって、その部分は服だから。
「全裸になりたくない!」
「また、俺を着ろ」
「俺は服を諦めない。服を守ってくれスカーフ」
スカーフを広げて俺はジャンプした。魔物の力で強化された俺の足は天井まで届く跳躍。そして、スカーフを突き刺してぶら下がる。
「助かった」
「そうだね」
「おお凛音も……、なぜ天井で声が?」
「飛行の魔法を使ったの」
「今度俺にも使ってくれ……」
魔法万能なんだな。俺も使えたら楽だろうに。
「俺も無事だせ!」
壁に大剣を突き刺したドラクもいる。筋肉も万能だな。鍛えてない俺には無理だが。ドラクは鍛えただけでは無理そうなことしているが。
下ではリュセラとセレストのバトルが繰り広げられている。セレストの銃弾により遺跡は壊れていく。リュセラの召喚した水で綺麗に洗い流されて瓦礫はないが。
「避けてばっか。頼みの水が効かない気分はどう?」
「お前、あの親父そっくりだ。いつも笑って人を苦しめる」
「似てません! 私、母さん似だから。あなたこそ、父さんに魔法習ったから、甘ったれた魔法ばっかじゃない!」
「奴とは違う。習いはしたが、あれほど非力でない。試してみるか?」
リュセラとセレストはにらみ合い、向き合う。リュセラは杖から炎が溢れ。セレストは銃を構え狙いを付けた。
「これ以上はよせ!」
俺はスカーフを戻し、二人の間に落下した。炎も銃も命が危険だ。止めようと落下した。だが、二人は突然笑い出したのだ。
落下中の俺は訳が分からずフリーズ。そして、地面にぶつかった。
「ハッハッハ。気が合うなセレスト」
「フフッ、リュセラも。父さんのこと良く分かってるから。ついね」
敵対していた二人は一変。仲良くなれたのか?
でも、リュセラには人質の鍋もいる。引くに引けない状況なのに。二人の笑いは止まらない。
もしかして思っているほど、不仲でない?
「お前、悲劇教団の司教の娘だな?」
「隠したかったけど、その通り」
「なぜ教団を解体したい?」
「あいつがコントロール出来てないから。今の教団はバラバラ。だから、私があいつから全てを奪うの」
「権力争いに悠人と凛音を巻き込むなよ!」
「それ、危険な宝さがしに二人を巻き込んだ人のセリフ?」
リュセラは杖で床を叩く。
「召喚魔法、水」
床から溢れでた多大な水が、セレストを押し流そうと、大波になる。
「ひとつの世界の全てを召喚する、すごい魔法ね。私が相手じゃなかったらね」
セレストは逃げずに波へと歩いた。そして、呪文を唱える。
「沈まずの加護、濡れずの加護」
波がセレストに当たる瞬間に、逸れてセレストの周囲には隙間が出来た。彼女が歩くと、水の方が弾かれる。
「すごい。あれだけの水があっても濡れないなんて」
「悠人。セレストは無事だけど、私たちはヤバいかも」
大量の水が俺達目掛けて流れてきた。
「きっと押し流す気だ、大丈夫」
俺は身構える。セレストがこちらを振り向いて俺を見た。
「スライムって大量の水に触れると溶けるよ」
「マジか!」
迫り来る大波から走って逃げた。いくら強化されていても、スライム部分が溶けたら不味い。だって、その部分は服だから。
「全裸になりたくない!」
「また、俺を着ろ」
「俺は服を諦めない。服を守ってくれスカーフ」
スカーフを広げて俺はジャンプした。魔物の力で強化された俺の足は天井まで届く跳躍。そして、スカーフを突き刺してぶら下がる。
「助かった」
「そうだね」
「おお凛音も……、なぜ天井で声が?」
「飛行の魔法を使ったの」
「今度俺にも使ってくれ……」
魔法万能なんだな。俺も使えたら楽だろうに。
「俺も無事だせ!」
壁に大剣を突き刺したドラクもいる。筋肉も万能だな。鍛えてない俺には無理だが。ドラクは鍛えただけでは無理そうなことしているが。
下ではリュセラとセレストのバトルが繰り広げられている。セレストの銃弾により遺跡は壊れていく。リュセラの召喚した水で綺麗に洗い流されて瓦礫はないが。
「避けてばっか。頼みの水が効かない気分はどう?」
「お前、あの親父そっくりだ。いつも笑って人を苦しめる」
「似てません! 私、母さん似だから。あなたこそ、父さんに魔法習ったから、甘ったれた魔法ばっかじゃない!」
「奴とは違う。習いはしたが、あれほど非力でない。試してみるか?」
リュセラとセレストはにらみ合い、向き合う。リュセラは杖から炎が溢れ。セレストは銃を構え狙いを付けた。
「これ以上はよせ!」
俺はスカーフを戻し、二人の間に落下した。炎も銃も命が危険だ。止めようと落下した。だが、二人は突然笑い出したのだ。
落下中の俺は訳が分からずフリーズ。そして、地面にぶつかった。
「ハッハッハ。気が合うなセレスト」
「フフッ、リュセラも。父さんのこと良く分かってるから。ついね」
敵対していた二人は一変。仲良くなれたのか?
でも、リュセラには人質の鍋もいる。引くに引けない状況なのに。二人の笑いは止まらない。
もしかして思っているほど、不仲でない?
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
付与効果スキル職人の離島生活 ~超ブラックな職場環境から解放された俺は小さな島でドラゴン少女&もふもふ妖狐と一緒に工房を開く~
鈴木竜一
ファンタジー
傭兵を派遣する商会で十年以上武器づくりを担当するジャック。貴重な付与効果スキルを持つ彼は逃げ場のない環境で強制労働させられていたが、新しく商会の代表に就任した無能な二代目に難癖をつけられ、解雇を言い渡される。
だが、それは彼にとってまさに天使の囁きに等しかった。
実はジャックには前世の記憶がよみがえっており、自分の持つ付与効果スキルを存分に発揮してアイテムづくりに没頭しつつ、夢の異世界のんびり生活を叶えようとしていたからだ。
思わぬ形で念願叶い、自由の身となったジャックはひょんなことから小さな離島へと移住し、そこで工房を開くことに。ドラゴン少女やもふもふ妖狐や病弱令嬢やらと出会いつつ、夢だった平穏な物づくりライフを満喫していくのであった。
一方、ジャックの去った商会は経営が大きく傾き、その原因がジャックの持つ優秀な付与効果スキルにあると気づくのだった。
俺がいなくなったら商会の経営が傾いた?
……そう(無関心)
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました
burazu
ファンタジー
理学療法士として病院に勤めていた宮下祐一はある日の仕事帰りに誤ってマンホールより落下するが、マンホールの先はなんと異世界であり、異世界で出会った聖女見習のミミと出会い、道行く怪我人を彼女の治癒魔法で救うが、後遺症が残ってしまう、その時祐一(ユーイチ)はなんとかリハビリができればと考えるが。その時彼のスキルである最適化≪リハビリ≫が開花し後遺症を治してしまう。
今後の生活の為ユーイチとミミは治療とリハビリの診療所を開く決意をする。
この作品は小説家になろうさん、エブリスタさんでも公開しています。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
菱沼あゆ
ファンタジー
旅の途中、盗賊にさらわれたアローナ。
娼館に売られるが、謎の男、アハトに買われ、王への貢ぎ物として王宮へ。
だが、美しきメディフィスの王、ジンはアローナを刺客ではないかと疑っていた――。
王様、王様っ。
私、ほんとは娼婦でも、刺客でもありませんーっ!
ひょんなことから若き王への貢ぎ物となったアローナの宮廷生活。
(小説家になろうにも掲載しています)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる