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4章
遺跡での再会
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順調に進んだ俺たちは崖を抜けて、遺跡にたどり着いた。遺跡には草花が沢山生えていて、多くの建物がある開けた場所だ。
町を照らしていた天井の光る鉱石は殆ど届いてないが。代わりの鉱石が天井にあり足元を照らしている。それでも鉱石が古いのか、明るさは弱い。
遺跡には石柱や門が沢山あり、その中央に大きな建物かある。建物の豪華な飾りから、あの場所が回復の杖を保管している場所だと分かった。
「すごい遺跡~! 調べて回りたいけど、目的を果たしてからだね」
「そうだ。重要な文化財だから、下手に弄らんように」
「歴史有りそうだもんね、あの壊れ具合は相当古くて重要なものでしょ?」
「いや、俺が壊した」
「お前がやったんかい!」
「ガキの頃のことだから覚えてねえ。親父に散々怒られたがよ」
「壊したものは仕方がないか。取り敢えず、大きな遺跡まで行ってみよう」
遺跡の間を歩き、中央の建物にたどり着いた。だが、建物の中に入れない、入り口に瓦礫が積んであったから。
「誰かのイタズラか?」
「それも俺だな」
「お前かい!」
「通れるようにしとけって親父に言われたから片付けたんだ」
「肝心のところが通れないじゃん!」
「わりい、今退けるからよ」
ドラクは大剣を振るった。その一振で瓦礫は吹き飛ばされ入り口が見えるようになった。
ドラクは建物の扉を開く。
「ガキの頃、俺たちは一日かけて片付けてたが、今はこんなもんだな」
「やっぱり強いなドラク、それと誰と一緒に来ていたんだ?」
「あ? リュセラだ」
「それって、もしかして……」
扉を開いたその先に天井が高く広い部屋、奥に続く廊下。そして、リュセラがいた。
「早いな。あいつらが刺客を送ったって言っていたが」
「お前以下の刺客じゃ、俺は止まらねえだろ?」
「知っている。ドラクには腕力では勝てなかったからな」
「他の悲劇教団は居ないのか?」
「必要ない。僕一人で充分だからな。奴らは先へ進んでいるだろう」
「リュセラ、俺たちが必ず鍋を助ける。だから……」
「無茶だ、僕がいるからな」
リュセラは杖をこちらへ向けた。
「召喚魔法、土」
杖から現れた魔方陣、大量の土砂があふれでてくる。前に見せた魔法ですら手加減だとでも言うように。
「ごめん……」
リュセラの謝る声が聞こえて、何も聞こえなくなった。視界は真っ暗になる。土によって囲まれてしまったのだ。
「平気かみんな?」
「大丈夫だよ。でも、変な匂いがする」
「悠人の鞄かな?」
「違うだろ! 俺も感じる」
甘く、柔らかな匂い。嗅いだ瞬間から体がふらついた。
「睡眠ガスね。悲劇教団はお金あるから。この場所をガスで満たすつもりかも」
「まて、俺は今火の精霊だ。少しでも体から火が漏れたら爆発する!」
スライムで覆っているが。それでも動いたら危険だ。何もできない、眠ってしまったら火が漏れる。
俺の眠気が強くなった。きっとリュセラは知らなかったんだ。ガスが引火することも。科学が発展していない世界での話だ。どうにも出来ない俺は、誰かの声を聞いた。
「塞がずの加護」
一瞬で俺たちの周りが明るくなった。囲っていた土が全て弾けとんだのだ。辺りは土で茶色く汚れている。
「やっと戦える。楽しみだった。勇者たちと同格のあなたと」
セレストは不敵に笑う。大してリュセラは彼女を睨む。
「なら名乗ってもらおうか、最初から敵だとは分かっていた」
「察しがいいのね、なら名乗りましょう。悲劇教団。守りたかっ隊隊長、セレスト。あなたに私情で決闘を申し込む」
町を照らしていた天井の光る鉱石は殆ど届いてないが。代わりの鉱石が天井にあり足元を照らしている。それでも鉱石が古いのか、明るさは弱い。
遺跡には石柱や門が沢山あり、その中央に大きな建物かある。建物の豪華な飾りから、あの場所が回復の杖を保管している場所だと分かった。
「すごい遺跡~! 調べて回りたいけど、目的を果たしてからだね」
「そうだ。重要な文化財だから、下手に弄らんように」
「歴史有りそうだもんね、あの壊れ具合は相当古くて重要なものでしょ?」
「いや、俺が壊した」
「お前がやったんかい!」
「ガキの頃のことだから覚えてねえ。親父に散々怒られたがよ」
「壊したものは仕方がないか。取り敢えず、大きな遺跡まで行ってみよう」
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「誰かのイタズラか?」
「それも俺だな」
「お前かい!」
「通れるようにしとけって親父に言われたから片付けたんだ」
「肝心のところが通れないじゃん!」
「わりい、今退けるからよ」
ドラクは大剣を振るった。その一振で瓦礫は吹き飛ばされ入り口が見えるようになった。
ドラクは建物の扉を開く。
「ガキの頃、俺たちは一日かけて片付けてたが、今はこんなもんだな」
「やっぱり強いなドラク、それと誰と一緒に来ていたんだ?」
「あ? リュセラだ」
「それって、もしかして……」
扉を開いたその先に天井が高く広い部屋、奥に続く廊下。そして、リュセラがいた。
「早いな。あいつらが刺客を送ったって言っていたが」
「お前以下の刺客じゃ、俺は止まらねえだろ?」
「知っている。ドラクには腕力では勝てなかったからな」
「他の悲劇教団は居ないのか?」
「必要ない。僕一人で充分だからな。奴らは先へ進んでいるだろう」
「リュセラ、俺たちが必ず鍋を助ける。だから……」
「無茶だ、僕がいるからな」
リュセラは杖をこちらへ向けた。
「召喚魔法、土」
杖から現れた魔方陣、大量の土砂があふれでてくる。前に見せた魔法ですら手加減だとでも言うように。
「ごめん……」
リュセラの謝る声が聞こえて、何も聞こえなくなった。視界は真っ暗になる。土によって囲まれてしまったのだ。
「平気かみんな?」
「大丈夫だよ。でも、変な匂いがする」
「悠人の鞄かな?」
「違うだろ! 俺も感じる」
甘く、柔らかな匂い。嗅いだ瞬間から体がふらついた。
「睡眠ガスね。悲劇教団はお金あるから。この場所をガスで満たすつもりかも」
「まて、俺は今火の精霊だ。少しでも体から火が漏れたら爆発する!」
スライムで覆っているが。それでも動いたら危険だ。何もできない、眠ってしまったら火が漏れる。
俺の眠気が強くなった。きっとリュセラは知らなかったんだ。ガスが引火することも。科学が発展していない世界での話だ。どうにも出来ない俺は、誰かの声を聞いた。
「塞がずの加護」
一瞬で俺たちの周りが明るくなった。囲っていた土が全て弾けとんだのだ。辺りは土で茶色く汚れている。
「やっと戦える。楽しみだった。勇者たちと同格のあなたと」
セレストは不敵に笑う。大してリュセラは彼女を睨む。
「なら名乗ってもらおうか、最初から敵だとは分かっていた」
「察しがいいのね、なら名乗りましょう。悲劇教団。守りたかっ隊隊長、セレスト。あなたに私情で決闘を申し込む」
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