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おわり
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「今日も5回分の厄を払って。」
「いいぞい。左腕をだせぃ。」
いつも通りに神社へ行き、存在にお願いした。
ふと、気になって左腕を出す前に右腕を見た。
なぜか右腕にも何か書かれている。
6と数字が書かれていた。
「おい、はよだせ」
急かされて6の意味を考えぬまま左腕を出す。
その存在はいつもと同じように葉の団扇を振るう。
左腕を確認すると5の数字が。
「なぁ、お前は厄が払えて嬉しかったか」
いつもはすぐに姿を消す存在が問いかけてきた。
「まぁ、何もかも上手くいくからね。嬉しいよ。」
「そうか。その代償は大きいのにか。」
「は?」
急にそんなことをいってきても私は知らない。
代償?なんだそれ。私は存在が払ってやると言ったから払ってもらっていただけだ。
「…なに、おぬし知らんのか。ここに来る前に説明があったじゃろ」
「説明?」
「若い男にこの神社に入る前の注意事項を言われたじゃろ?その説明じゃ」
若い男なんて知らないし、説明なんてものも受けていない。
「知らない。」
「なんと。じゃあ、おぬしの寿命を削って厄払いしていることも知らんのか」
なにそれ。
「寿命って何よ…知らない!なにそれ!!」
「あーぁ、おぬしは不幸じゃのう。これが一番の不幸かいな。」
「ねぇ!説明してよ!何言ってんの!?」
「右腕を見てみぃ。」
はぁ?
「いいから、訝しげな顔をせんと、見てみぃ」
右腕を見る。ん?これ、さっき見たときは数が6だったはずなのに、1になってる。
「それがおぬしの寿命じゃ。本当は若い男から説明があるはずなんじゃがのう。不手際があったようじゃな。わしはこの神社の守り神であるgd8td3xt@pじゃ。寿命を厄払いの力に変えることが出来る。それに納得すればここの社まで来ることになっていたのじゃ。厄払いは自動精算じゃから、後5回厄払いしたら、他の厄は降りかかってくる。また、右腕に1しか無いというのなら、おぬしの寿命はあと1年じゃ。1年はある。2年はない。1年と半年かも知れないし、1年ぴったりかもしれんの。それはわしでも分からん。」
なにか存在、いや、守り神が言っている。
でも分からない。話が頭にはいってこない。
「まぁ、もう厄払いで使っちゃったものは取り返せんからの。しょうがないから、1年自力で幸せに暮らせばよかろう。あと5回分の厄払いも残っとるしな。もうここには来ないだろうが、幸せを願っとるよ。」
私が理解する前に守り神は消えた。
「いいぞい。左腕をだせぃ。」
いつも通りに神社へ行き、存在にお願いした。
ふと、気になって左腕を出す前に右腕を見た。
なぜか右腕にも何か書かれている。
6と数字が書かれていた。
「おい、はよだせ」
急かされて6の意味を考えぬまま左腕を出す。
その存在はいつもと同じように葉の団扇を振るう。
左腕を確認すると5の数字が。
「なぁ、お前は厄が払えて嬉しかったか」
いつもはすぐに姿を消す存在が問いかけてきた。
「まぁ、何もかも上手くいくからね。嬉しいよ。」
「そうか。その代償は大きいのにか。」
「は?」
急にそんなことをいってきても私は知らない。
代償?なんだそれ。私は存在が払ってやると言ったから払ってもらっていただけだ。
「…なに、おぬし知らんのか。ここに来る前に説明があったじゃろ」
「説明?」
「若い男にこの神社に入る前の注意事項を言われたじゃろ?その説明じゃ」
若い男なんて知らないし、説明なんてものも受けていない。
「知らない。」
「なんと。じゃあ、おぬしの寿命を削って厄払いしていることも知らんのか」
なにそれ。
「寿命って何よ…知らない!なにそれ!!」
「あーぁ、おぬしは不幸じゃのう。これが一番の不幸かいな。」
「ねぇ!説明してよ!何言ってんの!?」
「右腕を見てみぃ。」
はぁ?
「いいから、訝しげな顔をせんと、見てみぃ」
右腕を見る。ん?これ、さっき見たときは数が6だったはずなのに、1になってる。
「それがおぬしの寿命じゃ。本当は若い男から説明があるはずなんじゃがのう。不手際があったようじゃな。わしはこの神社の守り神であるgd8td3xt@pじゃ。寿命を厄払いの力に変えることが出来る。それに納得すればここの社まで来ることになっていたのじゃ。厄払いは自動精算じゃから、後5回厄払いしたら、他の厄は降りかかってくる。また、右腕に1しか無いというのなら、おぬしの寿命はあと1年じゃ。1年はある。2年はない。1年と半年かも知れないし、1年ぴったりかもしれんの。それはわしでも分からん。」
なにか存在、いや、守り神が言っている。
でも分からない。話が頭にはいってこない。
「まぁ、もう厄払いで使っちゃったものは取り返せんからの。しょうがないから、1年自力で幸せに暮らせばよかろう。あと5回分の厄払いも残っとるしな。もうここには来ないだろうが、幸せを願っとるよ。」
私が理解する前に守り神は消えた。
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