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第二笑(フレイヤ編)
9 : ろくでもない+α変態
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フレイヤによって散らかされたユイの店を掃除することになり、俺は破られた屋根の修理を担当していた。
トンカチと釘を持って屋根の上に立っていると、下から小さな女の子に指をさされる。
「あー! コウタだー!」
俺の事を知っているらしい。一緒にいるのはその子の母親だろうか。
母親らしき女性は俺に頭を下げて。
「どうも」
「あ、どうも」
どこかで会ったことがあるのだろうか。
「娘から聞きました。あなた、スカーレットマグナムを倒した方ですよね? お会いできて光栄です」
「ああ……なるほど」
あの小さな女の子は、特別授業としてお邪魔した小学校の生徒か。母親は、娘さんからその日のことを聞いたのだろう。
「光栄だなんて。俺はそんなに大した人間ではないですよ」
「この街のために、これからも頑張ってください。応援しています」
何だ……ものすごくいい気持ちだ!!
今まで散々、やれ変態シーカーだのロリコンシーカーだのと呼ばれてきた俺だが、この人たちはちゃんと名前で覚えてくれている!
「はい! 皆が安心して暮らせるよう、日々、努力しますとも!」
トンカチを握った右手でガッツーポーズしてみせる。
親子は去って行きながらも、しばらく手を振ってきていた女の子に、笑顔で俺も手を振り返していると。
次に店先に現れたのはネーシャ。
「おーい。ロリコンシーカーさーん? そろそろ修理は終わったかしらー?」
この……女。
「ああ、終わったぞ? 次はお前のアタマを修理してやろうか」
「はー? 何言ってんのよあんた」
おっと、ネジ一本足りないのがもはや仕様となっているネーシャの頭に、修理も何もなかったな。
「悪い。俺が間違ってたよ」
ネーシャは首を傾げて。
「とりあえず、終わったなら早く降りて来てよ。二人が喧嘩を始めちゃって、私じゃ手が付けられないの」
あの神どもが、懲りない奴らだ。
「はぁ……分かった。すぐに行く」
屋根に架けられたハシゴを降り、店の中に入ると。
「お前! 私より少し胸が大きいからと言って、調子に乗るなよ! ……ヴァルキュリア!」
「やややっ。滑稽なものだ。ユイによれば、私はCカップとやらでお前はAAAカップなるもののようだ。少しというレベルの話ではなかろう」
「貴様……」
どうやら彼女達に課せられた仕事は、下着の試着らしい。
ミカンは黒のブラとパンツを履いており、オーディンは薄手のシャツにパンツ。
「……………」
この状況では、ネーシャで手が付けられないのなら俺なんてどうしようもない。
女同士の発育争いに巻き込まれたくはなかった。もちろん男同士も然りだが。
店のドアと同化しているつもりだった俺の存在に気づく二人。
まずオーディンが、
「コウタ! いい所に来たのう! このお調子者に一言、言ってやってくれ!」
次にミカンが、
「バカ者が。コウタは私に魅了されておるのだぞ? お前の味方につくわけがなかろう…………この幼女神が」
あ、始まる。
「いがぁぁあ! ヴァルキュリアお前、今なんて言ったのじゃ!? 私のことを何て言った!!」
「幼女神だと言ったのだ。幼女神よ」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅう!」
取っ組み合う、というよりもただオーディンがミカンにしがみついているだけの光景に、何だか俺はオーディンに哀しみを覚えた。
「オーディン、落ち着けよ。お前の本当の姿は誰もが魅了される美しい成り立ちだ。そうだろう?」
俺の言葉で落ち着きを取り戻したのか、オーディンは鼻を鳴らしてミカンから離れる。
「そ、そうじゃぞ。今はヴァルキュリアに劣っていても、私の真の姿は誰よりも美しいのじゃ!」
オーディンの真の姿。それは俺にとって、「殺す」を連呼するメンヘラ女のイメージしかないのだが。
「そうだぞオーディン。だからミカンなんて相手にしてないで、ユイの仕事を手伝おうな?」
ミカンの少し大人になった姿に期待して、そんなことを口走った俺が馬鹿だった。
「私なんて……だと?」
殺意に満ちた紅い瞳で、睨まれる。
そんなことよりも。
「おい、どうしてユイはどさくさに紛れて俺のズボンを脱がそうとしているんだ」
ズボンにかけられた白い手に、こっそり脱がそうと、ほんのりと力が込められているのが分かる。
彼女は依然、ニッコリと笑って。
「ほら、ウチは女性物の下着しか売ってないから、当然男性客は来ないじゃないですか?」
「ウン」
「ですから、男性にも着心地のいい女性物の下着を開発すれば、お客さんが増えると思うんです」
「お前、無茶苦茶なこと言ってるの自覚してるか?」
男性にも着心地のいい女性物の下着って何だ。初めて聞いたわそんな言葉。
「お願いしますコウタくん! 協力してくれたら私……な、何でもしますから!」
「ふざけんな! 俺は絶対、女性物の下着なんて……今何でもするって言ったのか?」
「はい!」
おほほぅ……? さすがは日本人だ。分かってるじゃないか……。
「ハハッ。仕方ないな~。そこまで言うなら協力してやらんでもないが、な?」
「本当ですか!? やった!」
中身はアレでも、見た目は綺麗なお姉さんだ。口を閉ざして置けば超ドストライクだ!
何でも………ぐへへ。
「最低………」
「シャラァァアップ!!! ネーシャ。これは仕事だ。しょうがないだろ?」
まあ俺は仕事と言われても、嫌なら嫌とハッキリ言わせてもらうし、言える気がいを備えた男だと思っている。
全世界の童貞諸君には悪いが、俺は一足先に行っておくとするよ。
「はァ……はァ……。コウタくんのいやらしい視線……私に何をさせるつもりなのっ!?」
濃い息を吐くユイは、頬を染めて俺の下半身に抱きついてきて、
「もう我慢できない! ここでヤりましょう!?」
「だァ!? バカ! 気が早……」
ボロン。
「………………」
ネーシャ、ミカン、オーディンは可哀想なモノを見る目で、
「「プッ………」」
更にネーシャは震えた声で、
「ぽ……ポロンってなったわよ……ぷぷっ」
俺は泣き叫びながら店を出て、家に帰り、枕を濡らした。
「あいつら……! 覚えとけよ! 俺はいつか……″ビッグ″になってやるんだからな!!」
「ユイの世界ジュエリーショップ」を手伝い始めて一日目。先の思いやられる結果となった。
トンカチと釘を持って屋根の上に立っていると、下から小さな女の子に指をさされる。
「あー! コウタだー!」
俺の事を知っているらしい。一緒にいるのはその子の母親だろうか。
母親らしき女性は俺に頭を下げて。
「どうも」
「あ、どうも」
どこかで会ったことがあるのだろうか。
「娘から聞きました。あなた、スカーレットマグナムを倒した方ですよね? お会いできて光栄です」
「ああ……なるほど」
あの小さな女の子は、特別授業としてお邪魔した小学校の生徒か。母親は、娘さんからその日のことを聞いたのだろう。
「光栄だなんて。俺はそんなに大した人間ではないですよ」
「この街のために、これからも頑張ってください。応援しています」
何だ……ものすごくいい気持ちだ!!
今まで散々、やれ変態シーカーだのロリコンシーカーだのと呼ばれてきた俺だが、この人たちはちゃんと名前で覚えてくれている!
「はい! 皆が安心して暮らせるよう、日々、努力しますとも!」
トンカチを握った右手でガッツーポーズしてみせる。
親子は去って行きながらも、しばらく手を振ってきていた女の子に、笑顔で俺も手を振り返していると。
次に店先に現れたのはネーシャ。
「おーい。ロリコンシーカーさーん? そろそろ修理は終わったかしらー?」
この……女。
「ああ、終わったぞ? 次はお前のアタマを修理してやろうか」
「はー? 何言ってんのよあんた」
おっと、ネジ一本足りないのがもはや仕様となっているネーシャの頭に、修理も何もなかったな。
「悪い。俺が間違ってたよ」
ネーシャは首を傾げて。
「とりあえず、終わったなら早く降りて来てよ。二人が喧嘩を始めちゃって、私じゃ手が付けられないの」
あの神どもが、懲りない奴らだ。
「はぁ……分かった。すぐに行く」
屋根に架けられたハシゴを降り、店の中に入ると。
「お前! 私より少し胸が大きいからと言って、調子に乗るなよ! ……ヴァルキュリア!」
「やややっ。滑稽なものだ。ユイによれば、私はCカップとやらでお前はAAAカップなるもののようだ。少しというレベルの話ではなかろう」
「貴様……」
どうやら彼女達に課せられた仕事は、下着の試着らしい。
ミカンは黒のブラとパンツを履いており、オーディンは薄手のシャツにパンツ。
「……………」
この状況では、ネーシャで手が付けられないのなら俺なんてどうしようもない。
女同士の発育争いに巻き込まれたくはなかった。もちろん男同士も然りだが。
店のドアと同化しているつもりだった俺の存在に気づく二人。
まずオーディンが、
「コウタ! いい所に来たのう! このお調子者に一言、言ってやってくれ!」
次にミカンが、
「バカ者が。コウタは私に魅了されておるのだぞ? お前の味方につくわけがなかろう…………この幼女神が」
あ、始まる。
「いがぁぁあ! ヴァルキュリアお前、今なんて言ったのじゃ!? 私のことを何て言った!!」
「幼女神だと言ったのだ。幼女神よ」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅう!」
取っ組み合う、というよりもただオーディンがミカンにしがみついているだけの光景に、何だか俺はオーディンに哀しみを覚えた。
「オーディン、落ち着けよ。お前の本当の姿は誰もが魅了される美しい成り立ちだ。そうだろう?」
俺の言葉で落ち着きを取り戻したのか、オーディンは鼻を鳴らしてミカンから離れる。
「そ、そうじゃぞ。今はヴァルキュリアに劣っていても、私の真の姿は誰よりも美しいのじゃ!」
オーディンの真の姿。それは俺にとって、「殺す」を連呼するメンヘラ女のイメージしかないのだが。
「そうだぞオーディン。だからミカンなんて相手にしてないで、ユイの仕事を手伝おうな?」
ミカンの少し大人になった姿に期待して、そんなことを口走った俺が馬鹿だった。
「私なんて……だと?」
殺意に満ちた紅い瞳で、睨まれる。
そんなことよりも。
「おい、どうしてユイはどさくさに紛れて俺のズボンを脱がそうとしているんだ」
ズボンにかけられた白い手に、こっそり脱がそうと、ほんのりと力が込められているのが分かる。
彼女は依然、ニッコリと笑って。
「ほら、ウチは女性物の下着しか売ってないから、当然男性客は来ないじゃないですか?」
「ウン」
「ですから、男性にも着心地のいい女性物の下着を開発すれば、お客さんが増えると思うんです」
「お前、無茶苦茶なこと言ってるの自覚してるか?」
男性にも着心地のいい女性物の下着って何だ。初めて聞いたわそんな言葉。
「お願いしますコウタくん! 協力してくれたら私……な、何でもしますから!」
「ふざけんな! 俺は絶対、女性物の下着なんて……今何でもするって言ったのか?」
「はい!」
おほほぅ……? さすがは日本人だ。分かってるじゃないか……。
「ハハッ。仕方ないな~。そこまで言うなら協力してやらんでもないが、な?」
「本当ですか!? やった!」
中身はアレでも、見た目は綺麗なお姉さんだ。口を閉ざして置けば超ドストライクだ!
何でも………ぐへへ。
「最低………」
「シャラァァアップ!!! ネーシャ。これは仕事だ。しょうがないだろ?」
まあ俺は仕事と言われても、嫌なら嫌とハッキリ言わせてもらうし、言える気がいを備えた男だと思っている。
全世界の童貞諸君には悪いが、俺は一足先に行っておくとするよ。
「はァ……はァ……。コウタくんのいやらしい視線……私に何をさせるつもりなのっ!?」
濃い息を吐くユイは、頬を染めて俺の下半身に抱きついてきて、
「もう我慢できない! ここでヤりましょう!?」
「だァ!? バカ! 気が早……」
ボロン。
「………………」
ネーシャ、ミカン、オーディンは可哀想なモノを見る目で、
「「プッ………」」
更にネーシャは震えた声で、
「ぽ……ポロンってなったわよ……ぷぷっ」
俺は泣き叫びながら店を出て、家に帰り、枕を濡らした。
「あいつら……! 覚えとけよ! 俺はいつか……″ビッグ″になってやるんだからな!!」
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