26 / 50
リンの前世
しおりを挟む
リンの中身の前世は、どこにでもいる高校生だった。
異性の友人もいなかったし、ましてや彼女などできたことはなかったが、それでも仲の良い友人が数人いて、それだけで十分だった。
「おーい!■■!帰ろうぜ!」
この日も、幼い頃から一緒に遊んでいた親友、とも呼べる人物と一緒に帰っていた。
「なあ■■。最近、面白いもん読んだ?」
「いや、もう高校二年だからな。そろそろ受験の準備しねえと」
「うわ、この真面目ちゃんが………」
至極真っ当なことを言ったつもりなのに、親友はなぜか引き気味だ。
「うっせぇ。てか、お前も勉強しろよ?直前になって助けを乞われてもさすがに受験勉強までは見きれないぞ?」
「でも、定期テストは見てくれるんだろ?そういうお前のちょっと面倒なところ、嫌いじゃないぜ!」
「俺はお前のいい加減なところ、嫌いだけど好きじゃないよ」
「結局嫌いじゃねえか!?」
親友は肩を叩きながらツッコんできた。
「でも?そんなこと言って~■■だって、本当は俺の事嫌いじゃないだろ?このツンデレめ~」
「やめろ。鬱陶しい」
■■の反応は淡白だったが、元々感情の変化が現れにくく、実際はそこまで嫌がっていないことをなんとなくわかっていた親友は、ほどほどに弄るのだった。
「にしても、勉強ばっかで疲れないか?お前、勉強はするけど勉強が好きな人種じゃなかったろ?前にも『今の学力至上主義社会が、駄目な日本を作り出してる』とかなんとか言ってたしな」
「そうだったな。だが、勉強ができたら、勉強ができるだけの無能でも上に行ける社会なんだ。変えるためにも、学力が必要だ」
「ま、俺にはそんなこと無理だけどな」
親友も■■の言いたいことはわからないでもなかったが、それを実現しようとは思えなかった。だが、親友として、疲れているのなら手助けをしたいとも思っていた。
「ま、頑張るのはいいけど息抜きも必要だからな。俺が最近ハマってるラノベでも読んで、少しは休めよ」
親友は疲れてるであろう■■を思いやる気持ちとして一冊の本を手渡した。
「なんだ?これ。『Crime・hunt』?」
親友から渡されたライトノベルらしくない題名の本に■■は疑問符を浮かべる。
「それ、俺が最近ハマってるラノベだよ。あらすじとか、■■は先に言われるの嫌いだろうから言わないけど、最近のラノベの中でも結構面白い部類に入ってると思うから読んでみろよ」
そう言われて、■■は仕方なくその本を受け取った。
その後親友と別れ、アルバイトに向かい、家に帰ってお風呂と夕食を済ませた■■は受験のための勉強に取り組んでいた。
「うーん」
一段落つき、そろそろ寝ようかとペンを置いたタイミングで、親友から借りた本のことを思い出した。
「『Crime・hunt』だったか………犯罪者狩り、ね………」
物騒なタイトルだなと思いながら、最初の冒頭だけでも少し読む。冒頭の内容は、田舎少年である『リン・メイルト』が外の街に向かって旅立つシーンだった。ご丁寧に挿絵まである。
「ふーん。徐々に面白くなるタイプか………」
この後の展開も少し気になるところだったが、時間も時間だったので、■■はこの日は寝ることにした。
そして■■は二度と目覚めることはなかった。
□■
次に目覚めた時、■■の頭は疑問符で溢れかえっていた。
(ここ、どこだ?)
天井は見覚えのないものになっており、体の自由も効かなくなっていた。
夢かとも思ったが、夢にしてはリアルすぎるとも思った。
(俺、どうなったんだ?)
混乱していても、周りは■■に冷静になる時間をくれなかった。
『gq'm'p@'Wgdtd/'.mdgm』
意味のわからない言語が聞こえてくる。
(どこの言葉だ?英語じゃ、ねえな。それならわかるんだが………)
だが、いつまで経っても聞き覚えのある言葉は聞こえなかった。
(近くに人がいるのはなんとなくわかる。だが、俺をどうするつもりだ?)
一先ず、話しかける。それを実行するために声を出して
「あー、あー」
まともに言葉を発生することができない現実に、絶望した。
(………え?言葉が、喋れない?)
それはそうだろう。声帯が未発達な赤ん坊では言葉を上手く話すなんて無理なことなのだから。
だが、■■はそれに気付かない。いや、気付きたくなかった。
「あー、あー!」
懸命に声を出しても、日本語を話せなかった。
『zpmgag#'xpgadtwmpc/'pm@』
やがて誰かが■■の体を抱き上げた。
そして、漸く理解させられた。
自分が、赤ん坊に転生していることを。
その後、最初は問題なかった。
言語が理解出来ず、少し苦労したがそれも半年経つ頃にはある程度理解できるようになった。
無論、まだなにを言ってるのか分からないこともあるが、それでも赤ん坊として暮らすには十分なくらいには理解出来た。
そして一歳の誕生日を迎える前日に、事件は起こった。
■■が暮らしていた村が、山賊に襲われたのだ。
突然の悲劇だったが、■■の誕生日の前日ということが幸いとして、■■の命は助かった。というのも、祖父が■■の誕生日を祝うために向かってきていたのだ。祖父は元々Sランク冒険者であり、引退したとはいえBランク程度ならば軽く捻れるくらいには強い。対して山賊はせいぜいがDランク程度。祖父の敵ではなかったのだ。
それから■■は祖父に拾われ、祖父と一緒に過ごした。
山賊に両親を殺された。その事実が■■の中には残り、ここは異世界なのだと、はっきりと認識させられた。
だが、■■の人生が変わったのはその後だった。
■■は一歳の誕生日を迎えてから三ヶ月後に、漸く自分の名前を理解できるようになった。
リン・メイルトという、今世の名前を。
────────────────────────
リンの前世くんの死因は焼死
放火魔に家焼かれて、■■は疲れていたのと、一酸化炭素中毒のふたつの要因で起きることなく死亡しました
異性の友人もいなかったし、ましてや彼女などできたことはなかったが、それでも仲の良い友人が数人いて、それだけで十分だった。
「おーい!■■!帰ろうぜ!」
この日も、幼い頃から一緒に遊んでいた親友、とも呼べる人物と一緒に帰っていた。
「なあ■■。最近、面白いもん読んだ?」
「いや、もう高校二年だからな。そろそろ受験の準備しねえと」
「うわ、この真面目ちゃんが………」
至極真っ当なことを言ったつもりなのに、親友はなぜか引き気味だ。
「うっせぇ。てか、お前も勉強しろよ?直前になって助けを乞われてもさすがに受験勉強までは見きれないぞ?」
「でも、定期テストは見てくれるんだろ?そういうお前のちょっと面倒なところ、嫌いじゃないぜ!」
「俺はお前のいい加減なところ、嫌いだけど好きじゃないよ」
「結局嫌いじゃねえか!?」
親友は肩を叩きながらツッコんできた。
「でも?そんなこと言って~■■だって、本当は俺の事嫌いじゃないだろ?このツンデレめ~」
「やめろ。鬱陶しい」
■■の反応は淡白だったが、元々感情の変化が現れにくく、実際はそこまで嫌がっていないことをなんとなくわかっていた親友は、ほどほどに弄るのだった。
「にしても、勉強ばっかで疲れないか?お前、勉強はするけど勉強が好きな人種じゃなかったろ?前にも『今の学力至上主義社会が、駄目な日本を作り出してる』とかなんとか言ってたしな」
「そうだったな。だが、勉強ができたら、勉強ができるだけの無能でも上に行ける社会なんだ。変えるためにも、学力が必要だ」
「ま、俺にはそんなこと無理だけどな」
親友も■■の言いたいことはわからないでもなかったが、それを実現しようとは思えなかった。だが、親友として、疲れているのなら手助けをしたいとも思っていた。
「ま、頑張るのはいいけど息抜きも必要だからな。俺が最近ハマってるラノベでも読んで、少しは休めよ」
親友は疲れてるであろう■■を思いやる気持ちとして一冊の本を手渡した。
「なんだ?これ。『Crime・hunt』?」
親友から渡されたライトノベルらしくない題名の本に■■は疑問符を浮かべる。
「それ、俺が最近ハマってるラノベだよ。あらすじとか、■■は先に言われるの嫌いだろうから言わないけど、最近のラノベの中でも結構面白い部類に入ってると思うから読んでみろよ」
そう言われて、■■は仕方なくその本を受け取った。
その後親友と別れ、アルバイトに向かい、家に帰ってお風呂と夕食を済ませた■■は受験のための勉強に取り組んでいた。
「うーん」
一段落つき、そろそろ寝ようかとペンを置いたタイミングで、親友から借りた本のことを思い出した。
「『Crime・hunt』だったか………犯罪者狩り、ね………」
物騒なタイトルだなと思いながら、最初の冒頭だけでも少し読む。冒頭の内容は、田舎少年である『リン・メイルト』が外の街に向かって旅立つシーンだった。ご丁寧に挿絵まである。
「ふーん。徐々に面白くなるタイプか………」
この後の展開も少し気になるところだったが、時間も時間だったので、■■はこの日は寝ることにした。
そして■■は二度と目覚めることはなかった。
□■
次に目覚めた時、■■の頭は疑問符で溢れかえっていた。
(ここ、どこだ?)
天井は見覚えのないものになっており、体の自由も効かなくなっていた。
夢かとも思ったが、夢にしてはリアルすぎるとも思った。
(俺、どうなったんだ?)
混乱していても、周りは■■に冷静になる時間をくれなかった。
『gq'm'p@'Wgdtd/'.mdgm』
意味のわからない言語が聞こえてくる。
(どこの言葉だ?英語じゃ、ねえな。それならわかるんだが………)
だが、いつまで経っても聞き覚えのある言葉は聞こえなかった。
(近くに人がいるのはなんとなくわかる。だが、俺をどうするつもりだ?)
一先ず、話しかける。それを実行するために声を出して
「あー、あー」
まともに言葉を発生することができない現実に、絶望した。
(………え?言葉が、喋れない?)
それはそうだろう。声帯が未発達な赤ん坊では言葉を上手く話すなんて無理なことなのだから。
だが、■■はそれに気付かない。いや、気付きたくなかった。
「あー、あー!」
懸命に声を出しても、日本語を話せなかった。
『zpmgag#'xpgadtwmpc/'pm@』
やがて誰かが■■の体を抱き上げた。
そして、漸く理解させられた。
自分が、赤ん坊に転生していることを。
その後、最初は問題なかった。
言語が理解出来ず、少し苦労したがそれも半年経つ頃にはある程度理解できるようになった。
無論、まだなにを言ってるのか分からないこともあるが、それでも赤ん坊として暮らすには十分なくらいには理解出来た。
そして一歳の誕生日を迎える前日に、事件は起こった。
■■が暮らしていた村が、山賊に襲われたのだ。
突然の悲劇だったが、■■の誕生日の前日ということが幸いとして、■■の命は助かった。というのも、祖父が■■の誕生日を祝うために向かってきていたのだ。祖父は元々Sランク冒険者であり、引退したとはいえBランク程度ならば軽く捻れるくらいには強い。対して山賊はせいぜいがDランク程度。祖父の敵ではなかったのだ。
それから■■は祖父に拾われ、祖父と一緒に過ごした。
山賊に両親を殺された。その事実が■■の中には残り、ここは異世界なのだと、はっきりと認識させられた。
だが、■■の人生が変わったのはその後だった。
■■は一歳の誕生日を迎えてから三ヶ月後に、漸く自分の名前を理解できるようになった。
リン・メイルトという、今世の名前を。
────────────────────────
リンの前世くんの死因は焼死
放火魔に家焼かれて、■■は疲れていたのと、一酸化炭素中毒のふたつの要因で起きることなく死亡しました
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる