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炎のカラクリ
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「グベッ!」
そんな情けない声を出しながらゴルドは殴り飛ばされた。
炎に纏われたゴルドの頬を殴り飛ばしたことにより、本来ならリンの拳も焦げて、炭化しているはずだった。
しかし、リンの拳は焦げていなかった。それどころか、燃えてすらいなかった。
「やっぱり、な」
先程ゴルドが飛ばした斬撃により少し燃えている木を消化しながらリンは小さく呟く。
リンの賭けは、勝ったのだ。
そんな拳を眺めるリンに対し、ゴルドは忌々しげな目を向ける。
「貴様、まさか!」
自分の魔法のルールを見抜かれた。その事に注意が行き、ゴルドの身体は止まってしまった。
「疾っ!」
全力で地面を踏み込み、ゴルドの元まで駆け抜けると、その体に斬撃を加える。
「がぁ!」
吹き出す血を無視してリンはもう一撃加えようとするが、
「舐めるな、よ!」
さすがにそこまで油断することなく、ゴルドは剣を即座に構えると、リンの剣と衝突した。
(!?火力が!)
しばらくぶつかり合い、その中で順当に炎の温度が上がっていくのがわかった。それと同時にリンの持っている剣が赤熱化し、ゴルドの剣も赤熱化していった。
「チッ!」
このままでは武器が無くなる。そう判断したリンは敢えて吹き飛ばされ、ゴルドから距離をとった。
「やっぱり、その炎。熱量の放射方向の指定ができないんだな」
普通の付与魔法ならできるはずのこと。だが、ゴルドの魔法はそれができない。
通常の炎系の付与魔法ならば自分に影響がないような炎になるはずだ。だが、ゴルドの場合は熱量を自由自在に操作できるかわりに、その代償として自分へのセーフティが外れたということだろう。
「そして、炎の熱量だけじゃなくて、お前は炎の存在そのものも操れるんだ」
普通の付与魔法ならできない飛ぶ斬撃化。その木々に燃え広がらない性質。ゴルドは、普段は見せかけの炎として虚仮威しの意味で炎を纏い、攻撃の際は一部分の炎の火力を上げて攻撃する。
火力や形、在り方を自由自在に操れる。それがゴルドの魔法の正体だ。
「だから、ずっと維持はできない」
ゴルドが攻撃のために熱量を上げれば剣は赤熱化し、ゴルドですら触りづらくなる。剣がなくとも攻撃はできるが、そうすればゴルドの身体に影響が出てくる。
だからゴルドはずっと熱を発するわけにはいかないのだ。
「………それだけ見抜くだけでも大したものだ。だが、それがわかったからといって、俺に勝てるのか!?駆け出しの、小童が!」
そしてゴルドは一瞬だけだが、膨大な量の熱を発した。
「!?そんなことして………」
だが、その熱量はリンの想像以上だった。
「デメリットありきのものは、それだけ強力………」
つまり、ゴルドの熱量には限界がないと、わざわざそれを示したということだ。だが、
「そんなもの、虚仮威しにもならないけどな」
チラリと、リンはマロンを見た。マロンはまだ動かない。戦う前、マロンは目で語っていた。無理だと判断したら動く、と。つまり、マロンはまだリンが勝てると判断したのだ。
「上等だ!」
期待されてるのだろうか。認められてるのだろうか。今はどうでもいいが、
「負ける気は、一切ないからな!」
リンのその声が聞こえたのかはわからないが、ゴルドは熱を収めると
「舐めるなよ!【ヒール】!【パワード】!」
二つの市販魔法を発動した。【ヒール】はその名の通り回復魔法。だが、市販魔法のため効果は薄く、ゴルドの火傷を少しマシにした程度の効果しか現れなかった。もう一つは【パワード】。効果は身体強化。その中の筋力増強の魔法だ。だが、強化効率は1.1倍と、効果は低い。あと少し足りない場面に使うくらいで使う頻度が低い魔法だ。だが、ゴルドはそれを使った。
(勝負を決めに来たか)
だから、リンも全力で応戦する。
「【顕現せよ、断罪の力】」
もう一つの魔法の詠唱を始めた。
だが、ゴルドは全力で警戒する。警戒しているから、発動前に潰す、と判断した。
「【スカーレット・レグルス】!最大出力!」
リンはその斬撃を避けようとして、
「遅せぇ!」
リンの胴体を上から下に斬った。
「が、はぁ」
胴体を斬られたことにより、否応なしに動きを止めたリンの右腕をゴルドは躊躇いなく斬り飛ばした。
「リン!」
リンは勢いよく地面に倒れ、ゴルドはその様子を見てほくそ笑む。
「くくく、これで邪魔者は消えたな………」
これでマロン様に近づく虫はいなくなった。ゴルドはそう安堵の息を吐く。
マロンは、助けるタイミングを見誤り、リンの右腕を失わせた罪悪感と、無力感を伴いながらゴルドを討つために一歩踏み出し、
「………木断」
意識を別の場所に移していたゴルドの顎を誰かの足が撃ち抜いた。
「が、ぁ?」
突然の衝撃に、ゴルドは対応できない。だが、揺れる頭で思考する。
誰がやった?マロンは目の前にいる。ならば、
「な、ぜ………?」
胴体の切り口も斬り飛ばしたはずの右腕も完全に再生した状態で左足を軸に右足でゴルドを蹴りあげた姿勢で静止しているリンの姿が。
「なぜって、そんなもん」
ゴルドの疑問にリンは
「再生すれば元通りになるだろ?」
なにを当たり前のことを、と言いたげな表情でゴルドを見つめる。
「うっ………」
ゴルドはもうまともに動けない。脳を揺らされ、軽度の脳震盪になったのだ。
「【顕現せよ、断罪の力。飢える我が名はヒロイック。神罰の執行者】」
だから、ゴルドにはリンの攻撃を止められない。
「ま………」
「【愚者の足掻き】!」
リンの渾身の拳が、ゴルドの顔面を撃ち抜いた。
────────────────────────
デメリットあるかわりに実際の熱量はアホみたいに高くできるのがゴルドの魔法です
ゴルドがもっと熱に耐性をもてるようになるか、熱を完全無効化できるようなスキルを手にすれば、余波だけで森を溶かすことが出来る熱を発することも可能
そんな情けない声を出しながらゴルドは殴り飛ばされた。
炎に纏われたゴルドの頬を殴り飛ばしたことにより、本来ならリンの拳も焦げて、炭化しているはずだった。
しかし、リンの拳は焦げていなかった。それどころか、燃えてすらいなかった。
「やっぱり、な」
先程ゴルドが飛ばした斬撃により少し燃えている木を消化しながらリンは小さく呟く。
リンの賭けは、勝ったのだ。
そんな拳を眺めるリンに対し、ゴルドは忌々しげな目を向ける。
「貴様、まさか!」
自分の魔法のルールを見抜かれた。その事に注意が行き、ゴルドの身体は止まってしまった。
「疾っ!」
全力で地面を踏み込み、ゴルドの元まで駆け抜けると、その体に斬撃を加える。
「がぁ!」
吹き出す血を無視してリンはもう一撃加えようとするが、
「舐めるな、よ!」
さすがにそこまで油断することなく、ゴルドは剣を即座に構えると、リンの剣と衝突した。
(!?火力が!)
しばらくぶつかり合い、その中で順当に炎の温度が上がっていくのがわかった。それと同時にリンの持っている剣が赤熱化し、ゴルドの剣も赤熱化していった。
「チッ!」
このままでは武器が無くなる。そう判断したリンは敢えて吹き飛ばされ、ゴルドから距離をとった。
「やっぱり、その炎。熱量の放射方向の指定ができないんだな」
普通の付与魔法ならできるはずのこと。だが、ゴルドの魔法はそれができない。
通常の炎系の付与魔法ならば自分に影響がないような炎になるはずだ。だが、ゴルドの場合は熱量を自由自在に操作できるかわりに、その代償として自分へのセーフティが外れたということだろう。
「そして、炎の熱量だけじゃなくて、お前は炎の存在そのものも操れるんだ」
普通の付与魔法ならできない飛ぶ斬撃化。その木々に燃え広がらない性質。ゴルドは、普段は見せかけの炎として虚仮威しの意味で炎を纏い、攻撃の際は一部分の炎の火力を上げて攻撃する。
火力や形、在り方を自由自在に操れる。それがゴルドの魔法の正体だ。
「だから、ずっと維持はできない」
ゴルドが攻撃のために熱量を上げれば剣は赤熱化し、ゴルドですら触りづらくなる。剣がなくとも攻撃はできるが、そうすればゴルドの身体に影響が出てくる。
だからゴルドはずっと熱を発するわけにはいかないのだ。
「………それだけ見抜くだけでも大したものだ。だが、それがわかったからといって、俺に勝てるのか!?駆け出しの、小童が!」
そしてゴルドは一瞬だけだが、膨大な量の熱を発した。
「!?そんなことして………」
だが、その熱量はリンの想像以上だった。
「デメリットありきのものは、それだけ強力………」
つまり、ゴルドの熱量には限界がないと、わざわざそれを示したということだ。だが、
「そんなもの、虚仮威しにもならないけどな」
チラリと、リンはマロンを見た。マロンはまだ動かない。戦う前、マロンは目で語っていた。無理だと判断したら動く、と。つまり、マロンはまだリンが勝てると判断したのだ。
「上等だ!」
期待されてるのだろうか。認められてるのだろうか。今はどうでもいいが、
「負ける気は、一切ないからな!」
リンのその声が聞こえたのかはわからないが、ゴルドは熱を収めると
「舐めるなよ!【ヒール】!【パワード】!」
二つの市販魔法を発動した。【ヒール】はその名の通り回復魔法。だが、市販魔法のため効果は薄く、ゴルドの火傷を少しマシにした程度の効果しか現れなかった。もう一つは【パワード】。効果は身体強化。その中の筋力増強の魔法だ。だが、強化効率は1.1倍と、効果は低い。あと少し足りない場面に使うくらいで使う頻度が低い魔法だ。だが、ゴルドはそれを使った。
(勝負を決めに来たか)
だから、リンも全力で応戦する。
「【顕現せよ、断罪の力】」
もう一つの魔法の詠唱を始めた。
だが、ゴルドは全力で警戒する。警戒しているから、発動前に潰す、と判断した。
「【スカーレット・レグルス】!最大出力!」
リンはその斬撃を避けようとして、
「遅せぇ!」
リンの胴体を上から下に斬った。
「が、はぁ」
胴体を斬られたことにより、否応なしに動きを止めたリンの右腕をゴルドは躊躇いなく斬り飛ばした。
「リン!」
リンは勢いよく地面に倒れ、ゴルドはその様子を見てほくそ笑む。
「くくく、これで邪魔者は消えたな………」
これでマロン様に近づく虫はいなくなった。ゴルドはそう安堵の息を吐く。
マロンは、助けるタイミングを見誤り、リンの右腕を失わせた罪悪感と、無力感を伴いながらゴルドを討つために一歩踏み出し、
「………木断」
意識を別の場所に移していたゴルドの顎を誰かの足が撃ち抜いた。
「が、ぁ?」
突然の衝撃に、ゴルドは対応できない。だが、揺れる頭で思考する。
誰がやった?マロンは目の前にいる。ならば、
「な、ぜ………?」
胴体の切り口も斬り飛ばしたはずの右腕も完全に再生した状態で左足を軸に右足でゴルドを蹴りあげた姿勢で静止しているリンの姿が。
「なぜって、そんなもん」
ゴルドの疑問にリンは
「再生すれば元通りになるだろ?」
なにを当たり前のことを、と言いたげな表情でゴルドを見つめる。
「うっ………」
ゴルドはもうまともに動けない。脳を揺らされ、軽度の脳震盪になったのだ。
「【顕現せよ、断罪の力。飢える我が名はヒロイック。神罰の執行者】」
だから、ゴルドにはリンの攻撃を止められない。
「ま………」
「【愚者の足掻き】!」
リンの渾身の拳が、ゴルドの顔面を撃ち抜いた。
────────────────────────
デメリットあるかわりに実際の熱量はアホみたいに高くできるのがゴルドの魔法です
ゴルドがもっと熱に耐性をもてるようになるか、熱を完全無効化できるようなスキルを手にすれば、余波だけで森を溶かすことが出来る熱を発することも可能
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