9 / 36
カウントダウンSS
連載開始当日/西園寺瑠壱・山科沙智・佐藤智花
しおりを挟む
※本稿は『瑠壱は智を呼ぶ』が連載開始するまで毎日更新されるカウントダウンSSです。
※メタ空間となっております。作中の出来事とは一切関係がございませんのであらかじめご了承ください。
西園寺瑠壱《るい》「『瑠壱は智を呼ぶ』カウントダウンSSも最終日。本日6月15日より、正式に連載がスタートしました!」
山科沙智「わ、わー……パチパチパチパチ」
佐藤智花「…………」
瑠壱「あの、佐藤?佐藤智花さん?」
智花「……なに?」
瑠壱「いや、連載開始当日なんですけど」
智花「そう。おめでと。……これでいい?」
瑠壱「ええー…………」
智花「…………(ぷいっ)」
瑠壱「えーっと……なにやら約一名が沈黙を貫いてしまったけど……まあいいだろう。なにせ連載開始だ。これほどめでたいことはない。なあ、山科?」
沙智「う、うえええ!?」
瑠壱「そこで驚かないでくれ……」
沙智「す、すみません……あ、でも連載開始当日ってことはあれですか。作品の魅力とか、そういうものを語ったりする、のかな?」
瑠壱「いいところに気が付いたな山科。そう。なにせ今日は連載開始当日だ。なんなら『瑠壱は智を呼ぶ』に触れること自体、今日が初めてなんて人もいるかもしれない。だからこそ、このタイミングで、自己紹介を含め、アピールをしておくのは大切なんだ」
沙智「な、なるほど」
瑠壱「ってなわけで……まあ、俺からかな。名前は今更として、一応、主人公っていう位置づけになっている。つまり、一番俺と顔を合せることになると思うから、まあよろしく頼む。あ、別に友達になってほしいとか、そういうことはないぞ。つかず離れずくらいで全然いい。それくらいが気軽だからな」
沙智「わー……パチパチパチパチ」
瑠壱「なんか傍観者と化してるけど、次、山科の番だぞ」
沙智「え!?あ、そ、そうですね。私の名前は山科沙智、です。えっと、一応、声優なんかもやってます。あとは……えっと……何を話したらいいですかね?」
瑠壱「と言われてもな……普通に特技とか好きなこととk」
沙智「好きなこと!それなら、はい。大丈夫です!好きなのはですね、『間違いだらけのハーレムエンド』っていう作品です。あ、正式名称よりも『まちハレ』の方が伝わりやすいですかね?その方が耳なじみがあるっていうか。で、その『まちハレ』なんですけど、元々はインディーズというか、わりとアングラなところから出てきた作品なんですけど、徐々に人気になっていきまして去年アニメ化もされたっていう作品なんですね。これがまた凄く出来が良くって、当然円盤も全部コンプしたんですけど、なんとですね、それのメインヒロイン役として私が出演してるんです。ありえないでしょ?私もそう思うんです。今でも見直すと恥ずかしいですもん。うわー、このころの私演技下手だなぁって。正直撮り直したいっていうか、そもそも声優変わること自体おかしいっていうか」
瑠壱「ストップ!山科、ストップ」
沙智「あ、はい。なんでしょうか。演技ですか?やっぱり演技におかしいところがありましたか?」
瑠壱「いや、今ほら、自己紹介中だから」
沙智「あっ…………」
瑠壱「…………はい。と、いう訳で、恥ずかしさで当社比で10分の1くらいのサイズになってしまった山科の自己紹介でした。さて、残るは佐藤なんだけど……」
智花「…………」
瑠壱「なあ、佐藤」
智花「…………」
瑠壱「ほら、自己紹介を」
智花「佐藤智花。ヒロイン。よろしく(ペコリ)」
瑠壱「そんな某情報統合思念体と意思疎通を図れる宇宙人じゃないんだから……」
智花「…………」
瑠壱「(なるほど……要するに素がバレるのを恐れてるってことか。そんなもん気にしたって意味ないんだがな。そうとなれば話は早い)」
瑠壱「仕方ない、代わりに俺が補足をするぞ。佐藤智花。俺と同じ高校三年生。クラスも同じ。幸か不幸か席の位置は離れてる。成績は悪くないし、運動神経もまずまずだったはずだ。それに加えてこいつは絵が美味い。ネットで漫画なんかも描いている。俺も見たけど、まあ良く描けてる。そして、こいつがなんで漫画なんか描いてるかって話なんだが、それがまた面白いんだ。何を隠そう俺とこいつは幼馴染で、小学校まで通ってる学校も同じだったんだ。仲も、まあ悪くはなかったとおもう。んで、その当時だな。俺とこいつはある約束を」
智花「…………」(ガシッ)
瑠壱「………あの、なんでしょうか。無言で首根っこを掴まれると大変怖いのですが」
智花「それ以上喋ったら、折る」
瑠壱「分かった、喋らん。喋らんから自分で自己紹介くらいしてくれ」
智花「(はぁああああああ~~~~…………)分かった。分かったっての」
智花「って言っても大体のことはいまこいつが言った通り。幼馴染ってのもそのとおり。漫画を描いてる理由はただの趣味よ。それ以外に特に理由なんかない。それから、さっきなんか口走りかけてたけど、私とこいつの間に約束事なんてないから。それだけは覚えておいてちょうだい」
瑠壱「みたまえ、山科くん。あれが世にも珍しい「ツンデレヒロイン」というやつだ。よく観察しておきたまえ」
沙智「は、はい。よーく目に焼き付けておきます」
智花「……後で覚えとけよこのクソ陰キャ幼馴染が(ボソッ)」
瑠壱「と、まあ、負け犬の遠吠えと本性をほんのちょっと引きずり出したところで、今回jのカウントダウンSSは終わりにしたいと思う。どうだろうか。ほんのちょっとでも作品の雰囲気が伝わってくれたら幸いです……とまあ、台本はここまでだけど、どうかな。山科。雰囲気は伝わったと思うか?」
沙智「そ、それなりに伝わったのではないかと思います」
瑠壱「それなりか……ま、伝わらんよりいいだろ。佐藤はどうだ?」
智花「ぶつぶつぶつぶつ…………」
瑠壱「はい。無事に使い物にならなくなりましたっと。んじゃ、まあ。本編でまた会おうじゃないか。なあに、大丈夫だ。こんなやつでもしっかりヒロインはする……はずだから。それじゃ、またな」
沙智「し、しーゆーです」
瑠壱「……なんかキャラが混線してないか?」
沙智「そ、そうですかね?」
※メタ空間となっております。作中の出来事とは一切関係がございませんのであらかじめご了承ください。
西園寺瑠壱《るい》「『瑠壱は智を呼ぶ』カウントダウンSSも最終日。本日6月15日より、正式に連載がスタートしました!」
山科沙智「わ、わー……パチパチパチパチ」
佐藤智花「…………」
瑠壱「あの、佐藤?佐藤智花さん?」
智花「……なに?」
瑠壱「いや、連載開始当日なんですけど」
智花「そう。おめでと。……これでいい?」
瑠壱「ええー…………」
智花「…………(ぷいっ)」
瑠壱「えーっと……なにやら約一名が沈黙を貫いてしまったけど……まあいいだろう。なにせ連載開始だ。これほどめでたいことはない。なあ、山科?」
沙智「う、うえええ!?」
瑠壱「そこで驚かないでくれ……」
沙智「す、すみません……あ、でも連載開始当日ってことはあれですか。作品の魅力とか、そういうものを語ったりする、のかな?」
瑠壱「いいところに気が付いたな山科。そう。なにせ今日は連載開始当日だ。なんなら『瑠壱は智を呼ぶ』に触れること自体、今日が初めてなんて人もいるかもしれない。だからこそ、このタイミングで、自己紹介を含め、アピールをしておくのは大切なんだ」
沙智「な、なるほど」
瑠壱「ってなわけで……まあ、俺からかな。名前は今更として、一応、主人公っていう位置づけになっている。つまり、一番俺と顔を合せることになると思うから、まあよろしく頼む。あ、別に友達になってほしいとか、そういうことはないぞ。つかず離れずくらいで全然いい。それくらいが気軽だからな」
沙智「わー……パチパチパチパチ」
瑠壱「なんか傍観者と化してるけど、次、山科の番だぞ」
沙智「え!?あ、そ、そうですね。私の名前は山科沙智、です。えっと、一応、声優なんかもやってます。あとは……えっと……何を話したらいいですかね?」
瑠壱「と言われてもな……普通に特技とか好きなこととk」
沙智「好きなこと!それなら、はい。大丈夫です!好きなのはですね、『間違いだらけのハーレムエンド』っていう作品です。あ、正式名称よりも『まちハレ』の方が伝わりやすいですかね?その方が耳なじみがあるっていうか。で、その『まちハレ』なんですけど、元々はインディーズというか、わりとアングラなところから出てきた作品なんですけど、徐々に人気になっていきまして去年アニメ化もされたっていう作品なんですね。これがまた凄く出来が良くって、当然円盤も全部コンプしたんですけど、なんとですね、それのメインヒロイン役として私が出演してるんです。ありえないでしょ?私もそう思うんです。今でも見直すと恥ずかしいですもん。うわー、このころの私演技下手だなぁって。正直撮り直したいっていうか、そもそも声優変わること自体おかしいっていうか」
瑠壱「ストップ!山科、ストップ」
沙智「あ、はい。なんでしょうか。演技ですか?やっぱり演技におかしいところがありましたか?」
瑠壱「いや、今ほら、自己紹介中だから」
沙智「あっ…………」
瑠壱「…………はい。と、いう訳で、恥ずかしさで当社比で10分の1くらいのサイズになってしまった山科の自己紹介でした。さて、残るは佐藤なんだけど……」
智花「…………」
瑠壱「なあ、佐藤」
智花「…………」
瑠壱「ほら、自己紹介を」
智花「佐藤智花。ヒロイン。よろしく(ペコリ)」
瑠壱「そんな某情報統合思念体と意思疎通を図れる宇宙人じゃないんだから……」
智花「…………」
瑠壱「(なるほど……要するに素がバレるのを恐れてるってことか。そんなもん気にしたって意味ないんだがな。そうとなれば話は早い)」
瑠壱「仕方ない、代わりに俺が補足をするぞ。佐藤智花。俺と同じ高校三年生。クラスも同じ。幸か不幸か席の位置は離れてる。成績は悪くないし、運動神経もまずまずだったはずだ。それに加えてこいつは絵が美味い。ネットで漫画なんかも描いている。俺も見たけど、まあ良く描けてる。そして、こいつがなんで漫画なんか描いてるかって話なんだが、それがまた面白いんだ。何を隠そう俺とこいつは幼馴染で、小学校まで通ってる学校も同じだったんだ。仲も、まあ悪くはなかったとおもう。んで、その当時だな。俺とこいつはある約束を」
智花「…………」(ガシッ)
瑠壱「………あの、なんでしょうか。無言で首根っこを掴まれると大変怖いのですが」
智花「それ以上喋ったら、折る」
瑠壱「分かった、喋らん。喋らんから自分で自己紹介くらいしてくれ」
智花「(はぁああああああ~~~~…………)分かった。分かったっての」
智花「って言っても大体のことはいまこいつが言った通り。幼馴染ってのもそのとおり。漫画を描いてる理由はただの趣味よ。それ以外に特に理由なんかない。それから、さっきなんか口走りかけてたけど、私とこいつの間に約束事なんてないから。それだけは覚えておいてちょうだい」
瑠壱「みたまえ、山科くん。あれが世にも珍しい「ツンデレヒロイン」というやつだ。よく観察しておきたまえ」
沙智「は、はい。よーく目に焼き付けておきます」
智花「……後で覚えとけよこのクソ陰キャ幼馴染が(ボソッ)」
瑠壱「と、まあ、負け犬の遠吠えと本性をほんのちょっと引きずり出したところで、今回jのカウントダウンSSは終わりにしたいと思う。どうだろうか。ほんのちょっとでも作品の雰囲気が伝わってくれたら幸いです……とまあ、台本はここまでだけど、どうかな。山科。雰囲気は伝わったと思うか?」
沙智「そ、それなりに伝わったのではないかと思います」
瑠壱「それなりか……ま、伝わらんよりいいだろ。佐藤はどうだ?」
智花「ぶつぶつぶつぶつ…………」
瑠壱「はい。無事に使い物にならなくなりましたっと。んじゃ、まあ。本編でまた会おうじゃないか。なあに、大丈夫だ。こんなやつでもしっかりヒロインはする……はずだから。それじゃ、またな」
沙智「し、しーゆーです」
瑠壱「……なんかキャラが混線してないか?」
沙智「そ、そうですかね?」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
先輩に振られた。でも、いとこと幼馴染が結婚したいという想いを伝えてくる。俺を振った先輩は、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。
のんびりとゆっくり
青春
俺、海春夢海(うみはるゆめうみ)。俺は高校一年生の時、先輩に振られた。高校二年生の始業式の日、俺は、いとこの春島紗緒里(はるしまさおり)ちゃんと再会を果たす。彼女は、幼い頃もかわいかったが、より一層かわいくなっていた。彼女は、俺に恋している。そして、婚約して結婚したい、と言ってきている。戸惑いながらも、彼女の熱い想いに、次第に彼女に傾いていく俺の心。そして、かわいい子で幼馴染の夏森寿々子(なつもりすずこ)ちゃんも、俺と婚約して結婚してほしい、という気持ちを伝えてきた。先輩は、その後、付き合ってほしいと言ってきたが、間に合わない。俺のデレデレ、甘々でラブラブな青春が、今始まろうとしている。この作品は、「小説家になろう」様「カクヨム」様にも投稿しています。「小説家になろう」様「カクヨム」様への投稿は、「先輩に振られた俺。でも、その後、いとこと幼馴染が婚約して結婚したい、という想いを一生懸命伝えてくる。俺を振った先輩が付き合ってほしいと言ってきても、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。」という題名でしています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
今日の桃色女子高生図鑑
junhon
青春
「今日は何の日」というその日の記念日をテーマにした画像をAIで生成し、それに140文字の掌編小説をつけます。
ちょっぴりエッチな感じで。
X(Twitter)でも更新しています。
幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~
下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。
一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。
かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。
芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。
乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。
その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる