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2章 人の世界へ『辺境の町ラムダ』

205.呼び止められた

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ちょっと待ってくれ!

今にも走っていきそうな冒険者に向けて放った言葉は無事に届いていた様で馬に乗った冒険者は馬を止めた。

止めたのは3人組の冒険者で男3人のBランクパーティ海を渡る者のリーダーリアンだった。

いきなりすまない、俺はBランクパーティ海を渡る者のリーダーのリアンってもんだ。

それと後ろの2人がイトーヤとマクシで3人パーティでやってる。

あんたがSランク冒険者だと聞いた、無理かもしれねえが話だけでも聞いてくれないかとノアに向かってお願いしてきた。

いきなり絡まれたんかと思ったけどなんか困ってる感じやしまあ話だけ聞いてあげてもえっかと軽い感じで答えた。

本当か、それはありがたい。

ここじゃなんだから場所を変えないとなとリアンが言ったのでノアは海に行くつもりやったから海の港でええやろと言って先に行ってるからはやくおいでやといってセブを走らせて行った。

行っちまったぞ、まあ話聞いてくれるんだから急いで行くぞと3人はダッシュで港へと向かっていく。

ノアは先に港に着き海ではマツ爺がボードの試作品で早速試運転をしている様だったのでノアは後でマツ爺の様子を見にいくことにした。

ん?マツ爺が陸にあがるとマツ爺の周りにはスイレンの町の漁師たちが集まっていて色々と聞かれている様でまああのスピードと取り回しの良さを目にすればなにか聞きたくなるのはしょうがないなと苦笑いしながら先程の3人を待つ事にした。

少ししてダッシュで港の方までやって来た3人はノアの乗っていた馬を見つけたのでそちらに向かっていくとノアは海を見ながら座っていたので声をかけた。

すまん待たせたな、早速だが話を聞いてもらってもいいか?とノアに聞いて来たのでええで!と返事して話を聞いた。

要約すると高ランクの魔物の討伐がしたいらしくそれの1箇所が薬になるらしくそれ以外は全て持っていってくれていいから依頼を一緒に受けて欲しいとの事だった。

Aランクのシーザーペントと言われる魔物の肝が欲しいらしいのでノアは少し考えると昨日雷魔法で回収した中にデカい海竜みたいなやつおったなと思いちょっと確認していい?と聞いてから無限収納から目当ての魔物を取り出した。

こ、これは!シーザーペント、もう持ってたのか。頼む!肝を売ってくれないか、金額は弾むしどうしてもこれが必要なんだと3人は頭をノアに下げる。

ノアは少し考えてギルドで査定してもらってそれをお前らに売るって事で良い?正直どんなもんか分からんしまあ無理って言うなら譲ってあげへんけどと言うとそれは勿論良いに決まってるさ、なら今からギルドで査定してもらってと言うとノアは俺は行くの面倒やからと無限収納に一旦閉まってから肝だけを解体して無限収納から取り出した。

これさっきのやつの肝やからギルドに持っていって査定して貰ってお金はギルドでノアのはこぶね商会にと言えば対応してくれるはずやから行ってきて!

まあそのまま持って逃げても良いけどそれしたら次会った時は問答無用で殺すでと言っておいてから肝をリアンに渡して早く行かな鮮度落ちるからと言うと3人はまた頭を下げてから肝を抱えていった。

じゃあマツ爺の所行ってちょっと話でもとマツ爺のいる所に向かうとマツ爺が人だかりの中からノアに気付いたらしく駆け寄ってきた。

ノア!こんなにも話題になってしまって困ってるくらいじゃぞ。安価な試作品も試している所じゃしスイレンの漁が凄いことになりそうじゃぞと教えてくれた。

マツ爺の側に集まっていた人達は筋肉ムキムキの日焼けしたまるでボディビルダーの様な人達ばかりでノアは近寄りがたかった。

今日はどうしたんだと聞かれたので海でなんかとってくる予定やったけどマツ爺見かけたから声掛けようとしただけやで、ちょっと試作品も見ていこかなと様子を見るとそこにはノアと作った時の形とは変わっていて小舟位の大きさの物まであった。

マツ爺いわく漁師達からの要望でスピードはそこまで必要じゃないがとった魚を入れておける様にと広ければ安定性が増すので海に落ちる事も減るだろうとの意見があり魔石の出力が足りるかは微妙だがスピードは要らないので小型の物と同じで行けそうらしい。

最速スピードは半分以下になるがそれでも手で漕ぐよりは断然早いし楽であるしこの注目のされようをみると完成すればどんどん売れていくに違いなかった。

マツ爺は最初のボードを小型、漁師達からの要望で作っている物を中型、大型になると魔石だけでなく今までの船の作りに補助として魔石でも出力を使えばそんなにランクの高い魔石が必要にならないので考えているらしい。

全てノアのはこぶね商会に特許分が入るので期待しててくれと言われた。

まあノアは金に困ってないけどある分には困らないので頑張ってやと言ってからマツ爺とわかれた。
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