50 / 51
48 石の薔薇 2
しおりを挟む
かつて『石の薔薇』は、石造りの陰気で巨大な建物だったが、今は白く塗りつぶされている。
その脇にはかつてマリュリーサが住んでいた、小さな家も見えた。
「私たちに気がついた人がいる!」
畑にいた男がこちらを指差し、その男が大声をあげて人が集まり始めた。背後に走って行く者もいる。
レイツェルトは斜面の下で馬を停めた。手綱を雑木にくくりつけると、マントの下に剣を隠して歩き始める。
「マリューは俺の後ろにいろ」
「え……ええ」
「マリュー? マリューなの?」
不意に背後から呼ばれた。弱々しい声だ。
マリュリーサが振り返ると、たくさんの粗朶を抱えた女が立っていた。半ば白髪になった痩せこけた女である。
「か……母さん?」
「マリュー! マリュー!」
女は粗朶を投げ出し、こちらへ駆け出した。マリュリーサも走り出す。
「母さん!」
「帰ってこられたのね! 信じられない! 私のマリュー!」
「ええ、ええ! そうなの。私は戻ってきたの! 母さん! 母さん!」
母子はお互いの頬を両手で挟んで涙を流しあった。十年間も引き離されていた親子がようやく再会できたのだった。
「おかえり、マリュー」
「……ただいま」
気がつくと、周り中に人が集まってきていた。
ざっと三十人くらいはいるだろうか? ほとんど皆若い。中には幼い子供もいる。
「あんた、レイツェルトだろう? その銀髪!」
駆け寄ってきたのは、若い男だ。マリュリーサも彼に記憶があった。かつて『石の薔薇』で一番年上だった少年だった。確かレイツェルトよりも三つくらい年下のはずだ。
「覚えているか? 俺だよ、オド!」
「ああ。覚えている。オドアケル」
「そう、そうだよ! お前、すげぇいい男になったなあ! 子どもの頃から立派だったけど……よく一緒に家畜の世話をしたよな」
「ああ、そうだった」
「だが、聞きたいことがある」
オドアケルの声が不意に低くなった。
「なぜ今、この島に来たんだ? お前達は俺たちを、ここから連れ出しにきたのか?」
「違う」
「なら、なぜ来た」
「来たんではない。帰ってきた」
「なぜ?」
「目的が達せられたからだ」
レイツェルトの答えは短い。それだけに端的で、嘘がないことをオドアケルもわかってきたようだった。目に見えて彼の緊張が緩んでいく。
「目的? それは?」
「マリューを取り戻した」
振り返ると、マリュリーサとその母がこちらを見ている。
「では、敵ではないんだな」
オドアケルが重ねて聞いた。
「違う」
「オド、聞いてください。私たちは故郷に帰ってきたの。ここしかいくところがなかったから。そして、大国や神殿のやり方に疲れ切った人達を連れてきているの」
マリュリーサも一生懸命に説明した。周りの者達も真剣に耳を傾けている。
「人達? それはどこにいるんだ?」
「大勢で来ると警戒されると思って、東の草原で待たせている。二十人ほどだ」
レイツェルトは草原の向こうを指した。
「つまり入植者というわけか?」
「……そうなる」
「迎えに行ってやれ」
オドアケルがそう言うと、数人が駆け出していった。彼が今、この島のリーダー的な役割を務めているらしかった。
陽が傾く頃、一同が集まったのは『石の薔薇』の元の大部屋だった。
ここでかつて、十人以上の子供達が寝たり、食事を取ったりしていた場所だ。今ではすっかりしつらいが変わって、集会所のように使われているのだろう。威圧感も冷たさもなく、居心地が良くなっている。夜はすでに寒い季節になったので、暖炉には火が焚かれていた。
「そうか、全てはリュウノス神殿の企みだったのか」
マリュリーサから全ての話を聞いたオドアケルは、背後に座った初老の男に振り向いた。
「クルスさんはこのことを知っていたのか?」
クルスというのはマリュリーサの父親である。少し前から体を悪くして、長く働けなくなっている。彼もまた、娘と再会し、喜びの涙を流した。
「いや……私は北方の貧しい農家の家の出身だ。マリューが生まれた冬は、酷い飢饉で、俺たちは飢え死に寸前で、海岸地方を彷徨い歩いていた」
「お父さん……」
「そこを黒服の男達に拾われ、この島につれてこられたんだ。お前や母さんを死なす訳にはいかなった私は、大人しく船に乗った。連れてこられたのがここだ。仕事を与えられ、とりあえずの衣食住を保証されたのだ。島から絶対に出ないという条件付きで」
隣に座っている母のアリアも頷く。彼らがこの島で一番の年長者なのだ。
「ここには既に何人かの子ども達がいて、自分たちが迎えに来るまで世話をしろと言われたのよ。前の管理人は死んでしまったと聞いたわ。もうその頃の子達はここにはいないけれど」
「……」
「男達は『導師』と名乗っていた。子どもを連れに来るのはいつも夜で、その日の夕食には特別な薬を混ぜ、俺たちも食べるようにと指示された。体には害はなく、ただ深く眠るだけだって。そして朝になると、誰かが一人いなくなっていた。その子がどうなったかは知らない。ただ、ここに暮らしていれば、定期的に必要なものは届いた……今となっては、いなくなった子達に申し訳ないとしか言えないが……」
「お父さんお母さんには、どうしようもなかったのだと思う」
マリュリーサは老いた両親を愛情深く見つめた。
「いいえ。それでも何かしら抗う術はあったかもしれないの! でも私たちはあなたがいなくなるまで何もしなかった! その罰としてあなたが連れていかれたのよ! マリュー、ごめんなさい!」
「いいえ。母さん、母さん達が抵抗していたら、きっと殺されていたと思うから。むしろこれでよかったのよ。私は記憶こそ奪われていたけど、ちゃんと生かされていたのだから」
「だが、死んでしまった子もいるのだろう?」
オドアケルはレイツェルトに尋ねた。
「ああ。俺の調べたところでは、大体半分くらいが人知れず消されている。のこりは家を継いだり、その後に死んだものもいる。幸せにやっている者も少ないが、いる」
「……」
「だが、その組織は解体した。後はギーズの仕事だ。俺たちがこれ以上関わる理由はない」
「そうか……」
オドアケルは安心したようだった。
「マリューが連れていかれてから『導師』はいなくなり、それから誰も来なくなり、ここは忘れられた島になってしまった。俺たちは二度といなくなる子が出ないように、洞窟を塞ぎ、船着場を使えなくした。東の入江は五年前に見つけた。細々とではあるが、畑を耕し、羊を飼い、布を織って生きている。年に二回、海岸沿いの村と交流があるが、その程度だ。俺たちの何人かは結婚し、子供もできた。ここは俺たちの島だ。貧しいが、働いて生きていく術を知っている」
「俺たちも働く! ここに置いてくれ! 俺の家族は戦でみんな死んじまった」
船でやってきた青年の一人が言った。
「まず朽ちた家を治し、住処を作る。いろんな種や苗、薬草も持ってきたから、畑を作って育てる」
「私たちは少しですが、医療の心得がありますわ。たくさんの本も持ってきたから、まだまだこれから勉強します!」
マティルダも力強く頷いた。
「俺たちは争いことはご免なんだ。ここにいる奴らは、自分の生家の都合で見捨てられた者ばかりだ。故国に帰ったら殺される奴もいるだろう。ここにいる条件はただ一つ、協調、労働、平等を理解できることだけだ。あんたにできるか? レイツェルト」
オドアケルの厳しい目が、レイツェルトに向けられる。
「あんたは、大陸でいくつもの戦いに参戦し、多くを殺してきたんだろう? 今の話じゃ、あのザフェルの王の養子にまでなれそうだったらしいじゃないか。あんたにこんな島での素朴な暮らしが耐えられるのか? お前は何をするつもりなんだ?」
「……」
「どうなんだ、レイツェルト」
オドアケルの追求に、レイツェルトはふらりと立ち上がった。
それはこんなみすぼらく暗い石の部屋には似つかわしくない、美しく堂々とした姿だった。
彼はオドアケル、クルスとアリア、この部屋に集う者達を見渡し、最後にマリュリーサを見つめた。
「俺は、馬を増やす」
***********
空気を読まないレイツェルトさん。
次回最終話です!
面白かったかなぁ。
その脇にはかつてマリュリーサが住んでいた、小さな家も見えた。
「私たちに気がついた人がいる!」
畑にいた男がこちらを指差し、その男が大声をあげて人が集まり始めた。背後に走って行く者もいる。
レイツェルトは斜面の下で馬を停めた。手綱を雑木にくくりつけると、マントの下に剣を隠して歩き始める。
「マリューは俺の後ろにいろ」
「え……ええ」
「マリュー? マリューなの?」
不意に背後から呼ばれた。弱々しい声だ。
マリュリーサが振り返ると、たくさんの粗朶を抱えた女が立っていた。半ば白髪になった痩せこけた女である。
「か……母さん?」
「マリュー! マリュー!」
女は粗朶を投げ出し、こちらへ駆け出した。マリュリーサも走り出す。
「母さん!」
「帰ってこられたのね! 信じられない! 私のマリュー!」
「ええ、ええ! そうなの。私は戻ってきたの! 母さん! 母さん!」
母子はお互いの頬を両手で挟んで涙を流しあった。十年間も引き離されていた親子がようやく再会できたのだった。
「おかえり、マリュー」
「……ただいま」
気がつくと、周り中に人が集まってきていた。
ざっと三十人くらいはいるだろうか? ほとんど皆若い。中には幼い子供もいる。
「あんた、レイツェルトだろう? その銀髪!」
駆け寄ってきたのは、若い男だ。マリュリーサも彼に記憶があった。かつて『石の薔薇』で一番年上だった少年だった。確かレイツェルトよりも三つくらい年下のはずだ。
「覚えているか? 俺だよ、オド!」
「ああ。覚えている。オドアケル」
「そう、そうだよ! お前、すげぇいい男になったなあ! 子どもの頃から立派だったけど……よく一緒に家畜の世話をしたよな」
「ああ、そうだった」
「だが、聞きたいことがある」
オドアケルの声が不意に低くなった。
「なぜ今、この島に来たんだ? お前達は俺たちを、ここから連れ出しにきたのか?」
「違う」
「なら、なぜ来た」
「来たんではない。帰ってきた」
「なぜ?」
「目的が達せられたからだ」
レイツェルトの答えは短い。それだけに端的で、嘘がないことをオドアケルもわかってきたようだった。目に見えて彼の緊張が緩んでいく。
「目的? それは?」
「マリューを取り戻した」
振り返ると、マリュリーサとその母がこちらを見ている。
「では、敵ではないんだな」
オドアケルが重ねて聞いた。
「違う」
「オド、聞いてください。私たちは故郷に帰ってきたの。ここしかいくところがなかったから。そして、大国や神殿のやり方に疲れ切った人達を連れてきているの」
マリュリーサも一生懸命に説明した。周りの者達も真剣に耳を傾けている。
「人達? それはどこにいるんだ?」
「大勢で来ると警戒されると思って、東の草原で待たせている。二十人ほどだ」
レイツェルトは草原の向こうを指した。
「つまり入植者というわけか?」
「……そうなる」
「迎えに行ってやれ」
オドアケルがそう言うと、数人が駆け出していった。彼が今、この島のリーダー的な役割を務めているらしかった。
陽が傾く頃、一同が集まったのは『石の薔薇』の元の大部屋だった。
ここでかつて、十人以上の子供達が寝たり、食事を取ったりしていた場所だ。今ではすっかりしつらいが変わって、集会所のように使われているのだろう。威圧感も冷たさもなく、居心地が良くなっている。夜はすでに寒い季節になったので、暖炉には火が焚かれていた。
「そうか、全てはリュウノス神殿の企みだったのか」
マリュリーサから全ての話を聞いたオドアケルは、背後に座った初老の男に振り向いた。
「クルスさんはこのことを知っていたのか?」
クルスというのはマリュリーサの父親である。少し前から体を悪くして、長く働けなくなっている。彼もまた、娘と再会し、喜びの涙を流した。
「いや……私は北方の貧しい農家の家の出身だ。マリューが生まれた冬は、酷い飢饉で、俺たちは飢え死に寸前で、海岸地方を彷徨い歩いていた」
「お父さん……」
「そこを黒服の男達に拾われ、この島につれてこられたんだ。お前や母さんを死なす訳にはいかなった私は、大人しく船に乗った。連れてこられたのがここだ。仕事を与えられ、とりあえずの衣食住を保証されたのだ。島から絶対に出ないという条件付きで」
隣に座っている母のアリアも頷く。彼らがこの島で一番の年長者なのだ。
「ここには既に何人かの子ども達がいて、自分たちが迎えに来るまで世話をしろと言われたのよ。前の管理人は死んでしまったと聞いたわ。もうその頃の子達はここにはいないけれど」
「……」
「男達は『導師』と名乗っていた。子どもを連れに来るのはいつも夜で、その日の夕食には特別な薬を混ぜ、俺たちも食べるようにと指示された。体には害はなく、ただ深く眠るだけだって。そして朝になると、誰かが一人いなくなっていた。その子がどうなったかは知らない。ただ、ここに暮らしていれば、定期的に必要なものは届いた……今となっては、いなくなった子達に申し訳ないとしか言えないが……」
「お父さんお母さんには、どうしようもなかったのだと思う」
マリュリーサは老いた両親を愛情深く見つめた。
「いいえ。それでも何かしら抗う術はあったかもしれないの! でも私たちはあなたがいなくなるまで何もしなかった! その罰としてあなたが連れていかれたのよ! マリュー、ごめんなさい!」
「いいえ。母さん、母さん達が抵抗していたら、きっと殺されていたと思うから。むしろこれでよかったのよ。私は記憶こそ奪われていたけど、ちゃんと生かされていたのだから」
「だが、死んでしまった子もいるのだろう?」
オドアケルはレイツェルトに尋ねた。
「ああ。俺の調べたところでは、大体半分くらいが人知れず消されている。のこりは家を継いだり、その後に死んだものもいる。幸せにやっている者も少ないが、いる」
「……」
「だが、その組織は解体した。後はギーズの仕事だ。俺たちがこれ以上関わる理由はない」
「そうか……」
オドアケルは安心したようだった。
「マリューが連れていかれてから『導師』はいなくなり、それから誰も来なくなり、ここは忘れられた島になってしまった。俺たちは二度といなくなる子が出ないように、洞窟を塞ぎ、船着場を使えなくした。東の入江は五年前に見つけた。細々とではあるが、畑を耕し、羊を飼い、布を織って生きている。年に二回、海岸沿いの村と交流があるが、その程度だ。俺たちの何人かは結婚し、子供もできた。ここは俺たちの島だ。貧しいが、働いて生きていく術を知っている」
「俺たちも働く! ここに置いてくれ! 俺の家族は戦でみんな死んじまった」
船でやってきた青年の一人が言った。
「まず朽ちた家を治し、住処を作る。いろんな種や苗、薬草も持ってきたから、畑を作って育てる」
「私たちは少しですが、医療の心得がありますわ。たくさんの本も持ってきたから、まだまだこれから勉強します!」
マティルダも力強く頷いた。
「俺たちは争いことはご免なんだ。ここにいる奴らは、自分の生家の都合で見捨てられた者ばかりだ。故国に帰ったら殺される奴もいるだろう。ここにいる条件はただ一つ、協調、労働、平等を理解できることだけだ。あんたにできるか? レイツェルト」
オドアケルの厳しい目が、レイツェルトに向けられる。
「あんたは、大陸でいくつもの戦いに参戦し、多くを殺してきたんだろう? 今の話じゃ、あのザフェルの王の養子にまでなれそうだったらしいじゃないか。あんたにこんな島での素朴な暮らしが耐えられるのか? お前は何をするつもりなんだ?」
「……」
「どうなんだ、レイツェルト」
オドアケルの追求に、レイツェルトはふらりと立ち上がった。
それはこんなみすぼらく暗い石の部屋には似つかわしくない、美しく堂々とした姿だった。
彼はオドアケル、クルスとアリア、この部屋に集う者達を見渡し、最後にマリュリーサを見つめた。
「俺は、馬を増やす」
***********
空気を読まないレイツェルトさん。
次回最終話です!
面白かったかなぁ。
10
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
逃げるための後宮行きでしたが、なぜか奴が皇帝になっていました
吉高 花
恋愛
◆転生&ループの中華風ファンタジー◆
第15回恋愛小説大賞「中華・後宮ラブ賞」受賞しました!ありがとうございます!
かつて散々腐れ縁だったあいつが「俺たち、もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまう。
そして二度目。なんと今度は最後の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになってやる!
しかし私は気づいてしまった。このままでは、また奴の幸せな姿を見ることになるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。
※タイトル試行錯誤中なのでたまに変わります。最初のタイトルは「ループの二度目は後宮で ~逃げるための後宮でしたが、なぜか奴が皇帝になっていました~」
※設定は架空なので史実には基づいて「おりません」
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。
一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。
上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。
幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。
どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。
夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。
明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。
どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?
勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。
※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。
※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。
※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。
※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。
伯爵は年下の妻に振り回される 記憶喪失の奥様は今日も元気に旦那様の心を抉る
新高
恋愛
※第15回恋愛小説大賞で奨励賞をいただきました!ありがとうございます!
※※2023/10/16書籍化しますーー!!!!!応援してくださったみなさま、ありがとうございます!!
契約結婚三年目の若き伯爵夫人であるフェリシアはある日記憶喪失となってしまう。失った記憶はちょうどこの三年分。記憶は失ったものの、性格は逆に明るく快活ーーぶっちゃけ大雑把になり、軽率に契約結婚相手の伯爵の心を抉りつつ、流石に申し訳ないとお詫びの品を探し出せばそれがとんだ騒ぎとなり、結果的に契約が取れて仲睦まじい夫婦となるまでの、そんな二人のドタバタ劇。
※本編完結しました。コネタを随時更新していきます。
※R要素の話には「※」マークを付けています。
※勢いとテンション高めのコメディーなのでふわっとした感じで読んでいただけたら嬉しいです。
※他サイト様でも公開しています
王妃の手習い
桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。
真の婚約者は既に内定している。
近い将来、オフィーリアは候補から外される。
❇妄想の産物につき史実と100%異なります。
❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。
❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる