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5 その人は誰ですか? 少尉さん
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「おいお前!」
アンは誰にかけられた言葉なのかわからずにすたすた廊下を進む。小柄だが歩くのは早いのである。
足の長いあの人に追いつくために自然とそうなった。
「お前だよ! くせっ毛の地味女!」
「……」
くせっ毛と言われて初めてアンは立ち止まった。
絹織物のように艶やかで真っ赤な母の髪とは大違いの、自分の髪の毛が嫌いなのだ。
「なぁに?」
追いついてきた少年──ヨアキムにアンは目を向けた。彼と一対一で話すのは、これが初めてである。
「お前……ちょっとばかし乗馬ができるからって調子に乗るなよ」
「乗ってないわ。ローリエが怯えていたから助けただけ」
「ああ、あいつも勉強ができるだけの地味女の仲間だからな。地味同士で友達思いだな!」
少年はアンと同じくらいの背丈だ。だからというわけではないが、アンは全然怖くなかった。これでも軍人の娘である。
しかもアンは、あのレイルダーに恋しているのだ。同級生の男子生徒なんて目みも入らない。その辺の虫と同じだった。
「ええそうよ。あなたと違って」
「ふん。これからは自動車の時代だ。馬なんか乗れたって役には立たないさ! 軍隊だってどんどん自動車を導入してる」
ヨアキムは自分が虫と思われていることも知らないで、胸を張った。
「俺の父上はもう三台も持っているぞ」
「そうなの? その方がいいわ。優しくて賢い馬が戦争の道具になるなんて、可哀想だもの」
「生意気な女だな!」
「からんできたのはあなたよ。私はただ受けてるだけ。用事がすんだんなら、行ってもらえるかな?」
「もちろん行ってやるさ! これだけを伝えにきたんだ、聞けよ。たとえ乗馬と言っても、俺は負けたままなのは我慢できない。今度の休日、俺とコース一周の勝負をしろ」
「私別にあなたに勝ったと思ってないけど……」
「うるさい! 俺が嫌なんだ」
うるさそうに返事をするアンに、ヨアキムは顔を真っ赤にして言い募る。
「いいから勝負しろ!」
「でも、近衛の馬場は使用許可がいるから、勝手には使えないわよ」
「それなら大丈夫だ。俺の父が会員の馬場がある。郊外にあるから、迎えに行ってやる」
少年は自慢上げに言った。
「でもそんなの……できるかどうか、わからないわ。お父様の許可も取ってないし」
「それも大丈夫だ。俺の父上から話をつけておくから」
「え~、お父様たちも巻き込むの?」
「うるさい! その代わり、俺が負けたらなんでも一つ言うことを聞いてやる」
「そんな約束いらない」
アンは心からげっそりして言った。
勉強は自分よりもできるはずだが、どう考えても馬鹿だ。この少年があのレイルダーと同じ男性とは受け入れ難い事実だった。
「うるさい! 今度の休日、一時に迎えに行くから!」
ヨアキムはいいたいことだけ言って、さっさと言ってしまった。
「嫌だなぁ……」
同級生の、しかも男の子と過ごす休日なんて、普段のアンには考えられない。
アンは休日は軍のこと調べたり、戦略の本を読んでいる。だから、学校でのことは、できるだけ学内ですませたいと思っているのだ。
でも、乗馬かぁ……勝負はともかく、それは魅力的よね。
久しぶりに甘栗号に会える。
アンの家には現在馬はいない。
前はいたのだが、今では厩は自動車用のガレージになってしまい、フリューゲル家の馬は、まさしく今ヨアキムが言った郊外の馬場に預けてあるのだ。
甘栗号は父からアンにもらった馬で、年取った優しい雌馬だった。
そして──次の休日。
一時きっかりにヨアキムが迎えにきた。
「こんにちは」
「ああ、早速出かけるぞ」
黒塗りの車には彼一人が乗っていて、アンの家にも両親は不在で、エレンの付き添いを断って一人で乗り込む。
父や母はあっさりヨアキムとの乗馬を許してくれたことが、ちょっと悔しい。彼の家にはそれだけの信用があるのだ。
車はすいすいと進んで馬場に着く。
「お前んちの馬もいるんだろ? だったら勝負は公平だよな」
「うん……あ!」
アンは馬丁に引かれてきた甘栗号に駆け寄った!
「久しぶりね! 甘栗号! 元気そうでよかった!」
「あ、あまぐりぃ? なんだそりゃ!?」
「だって、毛艶が栗に似ているから」
アンは鼻面を寄せて甘える馬の相手をしながら言った。二人はまるで友達のように見える。
「そんなの、たいていの馬がそうじゃないか」
「いいじゃない。あなたの馬はなんていうの?」
「俺の馬は雷帝号だ! どうだかっこいいだろう」
「……へー」
微妙な視線をヨアキムに投げかけて、アンは周回コースに入った。
「じゃあ。早速やりましょ」
アンは嬉しそうな甘栗号の首を叩いた。
「お、おう!」
ヨアキムの連れてきた運転手がスターターである。白い旗が振り上げられ、二頭の馬は同時に走り出した。
甘栗号が走り始めた途端、アンは勝負を忘れ、ヨアキムのことも忘れた。
ただ、馬と一体になって風を切り裂き、空を、雲を追いかけることしか頭に無くなったのだ。
夏の終わりの風はどこまでも心地いい。色褪せ始めた木々の緑も美しかった。
気がついたら、とっくにゴールを追い越して二週目を駆け抜けていた。
「あれ? 私なにしてたっけ?」
「お前……ほんっと乗馬だけは上手いのな」
帰路。
車の後部座席に並んだヨアキムは悔しそうに言った。
「そうね。本当にそれだけだけど」
競技の結果は明白で、アンは三馬身以上の差をつけて余裕を持ってゴールしていたらしい。気がつかなかったが。
これにはさすがのヨアキムも、文句のつけようがなかったようだ。
「悔しいけど、負けは負けだ。約束だ。言ってみろ」
「なにを?」
「一つだけ言うことを聞くって言っただろ?」
「……」
できたらもう話しかけないで欲しいと、通りを眺めながらアンが言おうとした時──。
車窓から見間違えようのない人物が目に入った。
「あ……」
レイルダーが歩いていた。私服で。女性を連れて。
車はゆっくりと停止する。
歩道をゆく女性の顔はこちらからは見えない。しかし、素晴らしい服を着て、明らかにはしゃいでいるのがわかった。レイルダーの腕に自分の腕を巻き付け、もたれかかるようにして歩いている。
レイルダーの顔はいつもとそんなに変わらないが、女性の歩幅に合わせてゆっくり歩いている。
少尉さん……。
アンの肺は急にすぼまり、呼吸がしにくくなった。指先がどんどん冷えていく。
「……」
ふと、レイルダーが視線を上げて、車内のアンと目が合った。
金色のまつ毛に縁取られた瞳が、いつもよりも少しだけ大きくなる。彼は驚いたのだ。
その時車は発進し、彼の姿は遠くなる。アンは後ろの窓から彼の姿を見つめることはしなかった。できなかったのだ。
「アンシェリー・マリオン・フリューゲル!」
フルネームを呼ばれてアンは我に帰った。
「わ!」
「なにをぼんやりしてる!」
「え? ああ……」
「見てたのはフリューゲル閣下の、側近の男だろう? 俺知ってるぞ。あいつに見惚れてたのか? 女連れだったな」
ヨアキムの言葉は鋭くアンの胸に刺さった。
「え、ええ……知ってる人だったから……えっと、話ってなんだっけ?」
アンは動揺を押し殺しながら隣の少年へと視線を戻した。彼は奇妙な顔でこちらを見ているが、もうどうでもよかった。
アンは、訳のわからないこの感情から、少しでも目を逸らしたかったのだ。
一刻も早く一人になりたい。
「なんでも一つ言うことを聞いてやるって話。お菓子とか、花とか。欲しいものを言ってみろ。買ってやる。ドレスでもいいぞ」
「……ああ、そうね、とりあえず家まで急いで欲しいな」
「……ふん。覚えておいてやる」
心ここに在らずのアンに肩をすくめ、ヨアキムは運転手に急ぐように命じた。
そうして、アンの学園での最初の年度が終わった。
*****
連載の序盤はいつでも「こんな話面白くない やめたほうがいい?」の無限ループです。
よかったら少しでいいので足跡残してください。「読んだ」だけでOKです。
今日できたらもう一回更新します。
仕事が始まるので、日に二回の更新は今日までとなります……。
アンは誰にかけられた言葉なのかわからずにすたすた廊下を進む。小柄だが歩くのは早いのである。
足の長いあの人に追いつくために自然とそうなった。
「お前だよ! くせっ毛の地味女!」
「……」
くせっ毛と言われて初めてアンは立ち止まった。
絹織物のように艶やかで真っ赤な母の髪とは大違いの、自分の髪の毛が嫌いなのだ。
「なぁに?」
追いついてきた少年──ヨアキムにアンは目を向けた。彼と一対一で話すのは、これが初めてである。
「お前……ちょっとばかし乗馬ができるからって調子に乗るなよ」
「乗ってないわ。ローリエが怯えていたから助けただけ」
「ああ、あいつも勉強ができるだけの地味女の仲間だからな。地味同士で友達思いだな!」
少年はアンと同じくらいの背丈だ。だからというわけではないが、アンは全然怖くなかった。これでも軍人の娘である。
しかもアンは、あのレイルダーに恋しているのだ。同級生の男子生徒なんて目みも入らない。その辺の虫と同じだった。
「ええそうよ。あなたと違って」
「ふん。これからは自動車の時代だ。馬なんか乗れたって役には立たないさ! 軍隊だってどんどん自動車を導入してる」
ヨアキムは自分が虫と思われていることも知らないで、胸を張った。
「俺の父上はもう三台も持っているぞ」
「そうなの? その方がいいわ。優しくて賢い馬が戦争の道具になるなんて、可哀想だもの」
「生意気な女だな!」
「からんできたのはあなたよ。私はただ受けてるだけ。用事がすんだんなら、行ってもらえるかな?」
「もちろん行ってやるさ! これだけを伝えにきたんだ、聞けよ。たとえ乗馬と言っても、俺は負けたままなのは我慢できない。今度の休日、俺とコース一周の勝負をしろ」
「私別にあなたに勝ったと思ってないけど……」
「うるさい! 俺が嫌なんだ」
うるさそうに返事をするアンに、ヨアキムは顔を真っ赤にして言い募る。
「いいから勝負しろ!」
「でも、近衛の馬場は使用許可がいるから、勝手には使えないわよ」
「それなら大丈夫だ。俺の父が会員の馬場がある。郊外にあるから、迎えに行ってやる」
少年は自慢上げに言った。
「でもそんなの……できるかどうか、わからないわ。お父様の許可も取ってないし」
「それも大丈夫だ。俺の父上から話をつけておくから」
「え~、お父様たちも巻き込むの?」
「うるさい! その代わり、俺が負けたらなんでも一つ言うことを聞いてやる」
「そんな約束いらない」
アンは心からげっそりして言った。
勉強は自分よりもできるはずだが、どう考えても馬鹿だ。この少年があのレイルダーと同じ男性とは受け入れ難い事実だった。
「うるさい! 今度の休日、一時に迎えに行くから!」
ヨアキムはいいたいことだけ言って、さっさと言ってしまった。
「嫌だなぁ……」
同級生の、しかも男の子と過ごす休日なんて、普段のアンには考えられない。
アンは休日は軍のこと調べたり、戦略の本を読んでいる。だから、学校でのことは、できるだけ学内ですませたいと思っているのだ。
でも、乗馬かぁ……勝負はともかく、それは魅力的よね。
久しぶりに甘栗号に会える。
アンの家には現在馬はいない。
前はいたのだが、今では厩は自動車用のガレージになってしまい、フリューゲル家の馬は、まさしく今ヨアキムが言った郊外の馬場に預けてあるのだ。
甘栗号は父からアンにもらった馬で、年取った優しい雌馬だった。
そして──次の休日。
一時きっかりにヨアキムが迎えにきた。
「こんにちは」
「ああ、早速出かけるぞ」
黒塗りの車には彼一人が乗っていて、アンの家にも両親は不在で、エレンの付き添いを断って一人で乗り込む。
父や母はあっさりヨアキムとの乗馬を許してくれたことが、ちょっと悔しい。彼の家にはそれだけの信用があるのだ。
車はすいすいと進んで馬場に着く。
「お前んちの馬もいるんだろ? だったら勝負は公平だよな」
「うん……あ!」
アンは馬丁に引かれてきた甘栗号に駆け寄った!
「久しぶりね! 甘栗号! 元気そうでよかった!」
「あ、あまぐりぃ? なんだそりゃ!?」
「だって、毛艶が栗に似ているから」
アンは鼻面を寄せて甘える馬の相手をしながら言った。二人はまるで友達のように見える。
「そんなの、たいていの馬がそうじゃないか」
「いいじゃない。あなたの馬はなんていうの?」
「俺の馬は雷帝号だ! どうだかっこいいだろう」
「……へー」
微妙な視線をヨアキムに投げかけて、アンは周回コースに入った。
「じゃあ。早速やりましょ」
アンは嬉しそうな甘栗号の首を叩いた。
「お、おう!」
ヨアキムの連れてきた運転手がスターターである。白い旗が振り上げられ、二頭の馬は同時に走り出した。
甘栗号が走り始めた途端、アンは勝負を忘れ、ヨアキムのことも忘れた。
ただ、馬と一体になって風を切り裂き、空を、雲を追いかけることしか頭に無くなったのだ。
夏の終わりの風はどこまでも心地いい。色褪せ始めた木々の緑も美しかった。
気がついたら、とっくにゴールを追い越して二週目を駆け抜けていた。
「あれ? 私なにしてたっけ?」
「お前……ほんっと乗馬だけは上手いのな」
帰路。
車の後部座席に並んだヨアキムは悔しそうに言った。
「そうね。本当にそれだけだけど」
競技の結果は明白で、アンは三馬身以上の差をつけて余裕を持ってゴールしていたらしい。気がつかなかったが。
これにはさすがのヨアキムも、文句のつけようがなかったようだ。
「悔しいけど、負けは負けだ。約束だ。言ってみろ」
「なにを?」
「一つだけ言うことを聞くって言っただろ?」
「……」
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車窓から見間違えようのない人物が目に入った。
「あ……」
レイルダーが歩いていた。私服で。女性を連れて。
車はゆっくりと停止する。
歩道をゆく女性の顔はこちらからは見えない。しかし、素晴らしい服を着て、明らかにはしゃいでいるのがわかった。レイルダーの腕に自分の腕を巻き付け、もたれかかるようにして歩いている。
レイルダーの顔はいつもとそんなに変わらないが、女性の歩幅に合わせてゆっくり歩いている。
少尉さん……。
アンの肺は急にすぼまり、呼吸がしにくくなった。指先がどんどん冷えていく。
「……」
ふと、レイルダーが視線を上げて、車内のアンと目が合った。
金色のまつ毛に縁取られた瞳が、いつもよりも少しだけ大きくなる。彼は驚いたのだ。
その時車は発進し、彼の姿は遠くなる。アンは後ろの窓から彼の姿を見つめることはしなかった。できなかったのだ。
「アンシェリー・マリオン・フリューゲル!」
フルネームを呼ばれてアンは我に帰った。
「わ!」
「なにをぼんやりしてる!」
「え? ああ……」
「見てたのはフリューゲル閣下の、側近の男だろう? 俺知ってるぞ。あいつに見惚れてたのか? 女連れだったな」
ヨアキムの言葉は鋭くアンの胸に刺さった。
「え、ええ……知ってる人だったから……えっと、話ってなんだっけ?」
アンは動揺を押し殺しながら隣の少年へと視線を戻した。彼は奇妙な顔でこちらを見ているが、もうどうでもよかった。
アンは、訳のわからないこの感情から、少しでも目を逸らしたかったのだ。
一刻も早く一人になりたい。
「なんでも一つ言うことを聞いてやるって話。お菓子とか、花とか。欲しいものを言ってみろ。買ってやる。ドレスでもいいぞ」
「……ああ、そうね、とりあえず家まで急いで欲しいな」
「……ふん。覚えておいてやる」
心ここに在らずのアンに肩をすくめ、ヨアキムは運転手に急ぐように命じた。
そうして、アンの学園での最初の年度が終わった。
*****
連載の序盤はいつでも「こんな話面白くない やめたほうがいい?」の無限ループです。
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