9 / 39
8 魔公爵!?
しおりを挟む
「当屋敷の当主は、リュストレー・モリス・シルバーフォレスト公爵閣下でございます」
「ええ、それは知ってます。ご本人からそう聞かされたし」
「ですが……その実は、あの方は、元はこの国の王太子殿下でもあるのです」
「は? おーたいしでんか、って、王太子?」
美玲は思わず頓狂な声をあげた。
家と介護の職場を往復するだけの普段の生活では、あまりにも非日常的な単語だが、日本にだって天皇家はあり、皇太子殿下は存在する。
それに、物語の世界では割としょっちゅうお目にかかるから、そういう意味ではよく知る言葉ではある。
けれど、ついさっきまで話をしていた残念な美男子が、そんな高貴なお方だったとは!
公爵様だというから、王家に近い存在ではあるとは理解していたけれど。
まさか、本当の王子様だったとはね!
「王太子殿下ってことは、要するに次の国王様ってことですよね!? もしかしなくても王位第一継承者なんじゃ……」
「はい、本来ならその通りです。けれどリュストレー様は、自ら王位を継承することを放棄され、御父君である国王陛下がそれを一旦お認めになられました。ですから今王太子殿下はリュストレー様の五つ下の弟君、アリオン殿下でございます」
「なんでまた……あ、いや、わかるかもしれないです。失礼ですけど、あの面倒臭いご気性のせい、ですか?」
「いえ、それは……さすがにちょっと違います、確かに風変わりなお方でございますが」
セバスティンは苦笑した。
「あのように意固地になられたのは、まぁ別の話で……いやえっと、やっぱり元から不思議なお方で……昔から色々呼び出したり、転移させたり……」
明晰なはずの執事の言葉が、どうもあやふやだ。
確かに変人で、複雑で面倒臭い人ではあるのだろう、あの超絶美形公爵様は……と美玲は思った。
つまり──。
「はぁ。端的にいうと、廃太子されたのは私をこちらに呼び寄せてしまったという『力』が理由ですか?」
「ええ、まぁ……はい、そうです。リュストレー様がご自身でもおっしゃられていたように、あの方に悪気はなくとも、ものや人を瞬間的に移動させてしまうという、不思議なお力のせいで……ただ、幼い頃までは小さなものばかりで、大したことはなかったのですが、御歳十歳くらいの頃……母君を、危険な目に遭わせてしまったことがあって」
「ええ!? お母さんを危険な目に、ですか?」
王太子の母上ということは、国王の妻ということで、つまり王妃様ということだ。
「自分のお母さんを、どこかに移動させてしまった……のですか?」
「そのようなことかと。かなり危険なことになったそうですが、私にはそれ以上は言えませんし、そもそも私などには詳しく知らされておりません。最大の理由は北の隣国との国境紛争で、旦那……リュストレー様が自分のせいで民の被害を出したと思い込まれ、その自責の念で、ご自分で王家を離れられたのです」
「……戦争があったのですか!」
「はい。八年くらい前のことですが」
美玲はぞっと身を震わせた。
つまり、あの美男公爵、リュストレーは、何かの弾みで人をどこかに転送してしまう。そして何かきっかけなのかわからない。制御もできない。
自分の身内に、そして戦争の局面で、もしその能力が発動してしまったら……。
確かに、そんな訳のわからない能力がある者を施政者、それも国の最高権力者にすることができないわ。
まともに操作できるなら、人事や国事を自分の有利に進めることもできるかもだけど、コントロール不能なら、あまりにも危険すぎる。何を呼び寄せるか、移動させるかわからないのだもの。この私がいい証拠だ。
あの、尊大でコミュ障気味の閣下の自己判断は正しいわ。
あんな残念な美男子だけど、そこんところは信用できるってことかしら?
「セバスティンさん、私はこの国の人間じゃないんです。異世界、こちらの言葉では異界というのかな? つまり別の次元から召喚されたんです。いきなり名前を呼ぶ声が聞こえて。私思わず返事をしてしまって」
「はい。そういうこともあるでしょう」
「あんまり驚いてないのね。やっぱり経験ずみなんですか?」
「いえさすがに、この世界でないところからの転……召喚は初めてですが、いずれそういうこともあるのか……とは想定しておりました。旦那様の保管されている、古の文献に異界のことが書いてある書物もございましたし、お嬢様の服装やご様子から見ても、こちらの方ではないとわかります。あなたが嘘をついていないことも、この爺には」
「公爵様は、私を返す算段を探すと言ってくれたのですが」
「ええ、根は真面目な方ですから。責任を感じられたのでしょう。お嬢様はそれまでここでお過ごしください」
「……どうも、それしかないようですね。あの人と暮らすのは大変みたいだけど」
「ミレ様、主様はああ見えて、とても繊細なお方なのです」
「……」
「旦那様のことを、恐れと憧憬を込めて魔公爵などという輩もおりますが、実際のご本人は非常に純粋な方です」
「魔公爵、ですか?」
確かに不吉な二つ名である。
しかし、さっきまで一緒に過ごしていた男からは、傲慢や子供っぽさはあっても、禍々しい様子は感じられなかった。
「はい。旦那様は能力の発動を恐れて、例外を除いて誰にも会おうとはなさいませんし、ここ数年は屋敷からお出ましになることもありません」
「……ご家族にも会われないの?」
「ええ。活動されるのは主に夜で、昼は眠って過ごされることが多いのです」
「昼夜逆転の生活を!? ところで今何時ですか?」
「こちらの時間で真夜中を回ったところです」
「仕事場では午後二時過ぎだったのに……」
「旦那様は、普段ならお仕事の真っ最中で、誰ともお会いにならない時間帯です」
じゃあ、私とは割と話せていた方なのかな?
まぁ、自分の能力で召喚しちゃったんだから、責任を感じて……というか、興味を持ったのかもしれないけど……。
「ともかく、お疲れでしょうから今夜はここでお休みを。入浴は隣の部屋で。すでに用意ができていることでしょう」
「ありがとうございます」
メイドが現れ、入浴の用意ができたと告げる。よく見たら普段美玲が入浴介助している婦人と、さほど変わらない年齢のようだ。しかしこの女性は背筋をピンと伸ばし、理知的な瞳を美玲に向けている。
「浴室の使い方は分かりますか?」
「ええ。日本人はお風呂大好きなので。大体わかります。こっちが体を浸す浴槽、そっちが洗い流し用のお湯ですよね」
「左様でございます。お一人で入られるのですか?」
「もちろん」
メイドが手伝うというのを全力で断り、美玲は自分の部屋のユニットバスの五倍くらいはある、広い浴室に身を沈めた。
ややぬるめの湯温が、かえって心地よく緊張をほぐしてくれる。
シャンプーなどはないが、柔らかい石鹸の様なものが置いてあり、それで全身を洗うのだと老メイドが教えてくれた通りに、その日の疲れを落とした。
植物性なのかな? すごくいい匂いがする。
皮膚は丈夫な方だが、多忙と金銭的な理由から特に手入れをしていない美玲の肌が、しっとり吸い付くように洗い上がる。
湯から出ると、この世界の下着と思わしき、レースのついたトランクスみたいな下着と、清潔な寝巻きが置いてあった。これもすごく着心地が良い。
美玲は明日残り湯で自分の服を洗濯しようと、貧乏くさい決心をしながら、ありがたく元の部屋に戻った。
ご丁寧に、飲み物まで用意されている。
とりあえず、命の危険はないということでよしとするか。
明日のことは明日考えよう。
なんだかんだで疲れていたのか、美玲はやたらと寝心地の良いベッドで、異世界最初の眠りについたのだった。
****
よかったら、いいね、一言、などの足跡を残してくださいませ。
ご評価も励みになります!
明日も更新します!
「ええ、それは知ってます。ご本人からそう聞かされたし」
「ですが……その実は、あの方は、元はこの国の王太子殿下でもあるのです」
「は? おーたいしでんか、って、王太子?」
美玲は思わず頓狂な声をあげた。
家と介護の職場を往復するだけの普段の生活では、あまりにも非日常的な単語だが、日本にだって天皇家はあり、皇太子殿下は存在する。
それに、物語の世界では割としょっちゅうお目にかかるから、そういう意味ではよく知る言葉ではある。
けれど、ついさっきまで話をしていた残念な美男子が、そんな高貴なお方だったとは!
公爵様だというから、王家に近い存在ではあるとは理解していたけれど。
まさか、本当の王子様だったとはね!
「王太子殿下ってことは、要するに次の国王様ってことですよね!? もしかしなくても王位第一継承者なんじゃ……」
「はい、本来ならその通りです。けれどリュストレー様は、自ら王位を継承することを放棄され、御父君である国王陛下がそれを一旦お認めになられました。ですから今王太子殿下はリュストレー様の五つ下の弟君、アリオン殿下でございます」
「なんでまた……あ、いや、わかるかもしれないです。失礼ですけど、あの面倒臭いご気性のせい、ですか?」
「いえ、それは……さすがにちょっと違います、確かに風変わりなお方でございますが」
セバスティンは苦笑した。
「あのように意固地になられたのは、まぁ別の話で……いやえっと、やっぱり元から不思議なお方で……昔から色々呼び出したり、転移させたり……」
明晰なはずの執事の言葉が、どうもあやふやだ。
確かに変人で、複雑で面倒臭い人ではあるのだろう、あの超絶美形公爵様は……と美玲は思った。
つまり──。
「はぁ。端的にいうと、廃太子されたのは私をこちらに呼び寄せてしまったという『力』が理由ですか?」
「ええ、まぁ……はい、そうです。リュストレー様がご自身でもおっしゃられていたように、あの方に悪気はなくとも、ものや人を瞬間的に移動させてしまうという、不思議なお力のせいで……ただ、幼い頃までは小さなものばかりで、大したことはなかったのですが、御歳十歳くらいの頃……母君を、危険な目に遭わせてしまったことがあって」
「ええ!? お母さんを危険な目に、ですか?」
王太子の母上ということは、国王の妻ということで、つまり王妃様ということだ。
「自分のお母さんを、どこかに移動させてしまった……のですか?」
「そのようなことかと。かなり危険なことになったそうですが、私にはそれ以上は言えませんし、そもそも私などには詳しく知らされておりません。最大の理由は北の隣国との国境紛争で、旦那……リュストレー様が自分のせいで民の被害を出したと思い込まれ、その自責の念で、ご自分で王家を離れられたのです」
「……戦争があったのですか!」
「はい。八年くらい前のことですが」
美玲はぞっと身を震わせた。
つまり、あの美男公爵、リュストレーは、何かの弾みで人をどこかに転送してしまう。そして何かきっかけなのかわからない。制御もできない。
自分の身内に、そして戦争の局面で、もしその能力が発動してしまったら……。
確かに、そんな訳のわからない能力がある者を施政者、それも国の最高権力者にすることができないわ。
まともに操作できるなら、人事や国事を自分の有利に進めることもできるかもだけど、コントロール不能なら、あまりにも危険すぎる。何を呼び寄せるか、移動させるかわからないのだもの。この私がいい証拠だ。
あの、尊大でコミュ障気味の閣下の自己判断は正しいわ。
あんな残念な美男子だけど、そこんところは信用できるってことかしら?
「セバスティンさん、私はこの国の人間じゃないんです。異世界、こちらの言葉では異界というのかな? つまり別の次元から召喚されたんです。いきなり名前を呼ぶ声が聞こえて。私思わず返事をしてしまって」
「はい。そういうこともあるでしょう」
「あんまり驚いてないのね。やっぱり経験ずみなんですか?」
「いえさすがに、この世界でないところからの転……召喚は初めてですが、いずれそういうこともあるのか……とは想定しておりました。旦那様の保管されている、古の文献に異界のことが書いてある書物もございましたし、お嬢様の服装やご様子から見ても、こちらの方ではないとわかります。あなたが嘘をついていないことも、この爺には」
「公爵様は、私を返す算段を探すと言ってくれたのですが」
「ええ、根は真面目な方ですから。責任を感じられたのでしょう。お嬢様はそれまでここでお過ごしください」
「……どうも、それしかないようですね。あの人と暮らすのは大変みたいだけど」
「ミレ様、主様はああ見えて、とても繊細なお方なのです」
「……」
「旦那様のことを、恐れと憧憬を込めて魔公爵などという輩もおりますが、実際のご本人は非常に純粋な方です」
「魔公爵、ですか?」
確かに不吉な二つ名である。
しかし、さっきまで一緒に過ごしていた男からは、傲慢や子供っぽさはあっても、禍々しい様子は感じられなかった。
「はい。旦那様は能力の発動を恐れて、例外を除いて誰にも会おうとはなさいませんし、ここ数年は屋敷からお出ましになることもありません」
「……ご家族にも会われないの?」
「ええ。活動されるのは主に夜で、昼は眠って過ごされることが多いのです」
「昼夜逆転の生活を!? ところで今何時ですか?」
「こちらの時間で真夜中を回ったところです」
「仕事場では午後二時過ぎだったのに……」
「旦那様は、普段ならお仕事の真っ最中で、誰ともお会いにならない時間帯です」
じゃあ、私とは割と話せていた方なのかな?
まぁ、自分の能力で召喚しちゃったんだから、責任を感じて……というか、興味を持ったのかもしれないけど……。
「ともかく、お疲れでしょうから今夜はここでお休みを。入浴は隣の部屋で。すでに用意ができていることでしょう」
「ありがとうございます」
メイドが現れ、入浴の用意ができたと告げる。よく見たら普段美玲が入浴介助している婦人と、さほど変わらない年齢のようだ。しかしこの女性は背筋をピンと伸ばし、理知的な瞳を美玲に向けている。
「浴室の使い方は分かりますか?」
「ええ。日本人はお風呂大好きなので。大体わかります。こっちが体を浸す浴槽、そっちが洗い流し用のお湯ですよね」
「左様でございます。お一人で入られるのですか?」
「もちろん」
メイドが手伝うというのを全力で断り、美玲は自分の部屋のユニットバスの五倍くらいはある、広い浴室に身を沈めた。
ややぬるめの湯温が、かえって心地よく緊張をほぐしてくれる。
シャンプーなどはないが、柔らかい石鹸の様なものが置いてあり、それで全身を洗うのだと老メイドが教えてくれた通りに、その日の疲れを落とした。
植物性なのかな? すごくいい匂いがする。
皮膚は丈夫な方だが、多忙と金銭的な理由から特に手入れをしていない美玲の肌が、しっとり吸い付くように洗い上がる。
湯から出ると、この世界の下着と思わしき、レースのついたトランクスみたいな下着と、清潔な寝巻きが置いてあった。これもすごく着心地が良い。
美玲は明日残り湯で自分の服を洗濯しようと、貧乏くさい決心をしながら、ありがたく元の部屋に戻った。
ご丁寧に、飲み物まで用意されている。
とりあえず、命の危険はないということでよしとするか。
明日のことは明日考えよう。
なんだかんだで疲れていたのか、美玲はやたらと寝心地の良いベッドで、異世界最初の眠りについたのだった。
****
よかったら、いいね、一言、などの足跡を残してくださいませ。
ご評価も励みになります!
明日も更新します!
40
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー
しらす丼
ファンタジー
20年ほど前。この世界に『白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー』という能力が出現した。
その能力は様々だったが、能力を宿すことができるのは、思春期の少年少女のみ。
そしてのちにその力は、当たり前のように世界に存在することとなる。
—―しかし当たり前になったその力は、世界の至る場所で事件や事故を引き起こしていった。
ある時には、大切な家族を傷つけ、またある時には、大事なものを失う…。
事件の度に、傷つく人間が数多く存在していたことが報告された。
そんな人々を救うために、能力者を管理する施設が誕生することとなった。
これは、この施設を中心に送る、一人の男性教師・三谷暁と能力に人生を狂わされた子供たちとの成長と絆を描いた青春物語である。
【完結】こっち向いて!少尉さん - My girl, you are my sweetest! -
文野さと@ぷんにゃご
恋愛
今日もアンは広い背中を追いかける。
美しい近衛士官のレイルダー少尉。彼の視界に入りたくて、アンはいつも背伸びをするのだ。
彼はいつも自分とは違うところを見ている。
でも、それがなんだというのか。
「大好き」は誰にも止められない!
いつか自分を見てもらいたくて、今日もアンは心の中で呼びかけるのだ。
「こっち向いて! 少尉さん」
※30話くらいの予定。イメージイラストはバツ様です。掲載の許可はいただいております。
物語の最後の方に戦闘描写があります。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!
光子
恋愛
私の名前は、リーシャ=ルド=マルリレーナ。
前職 聖女。
国を救った聖女として、王子様と結婚し、優雅なお城で暮らすはずでしたーーーが、
聖女としての役割を果たし終えた今、私は、私自身で生活を送る、普通の生活がしたいと、心より思いました!
だから私はーーー聖女から村娘に転職して、自分の事は自分で出来て、常に傍に付きっ切りでお世話をする人達のいない生活をして、普通に恋愛をして、好きな人と結婚するのを夢見る、普通の女の子に、今日からなります!!!
聖女として身の回りの事を一切せず生きてきた生活能力皆無のリーシャが、器用で優しい生活能力抜群の少年イマルに一途に恋しつつ、優しい村人達に囲まれ、成長していく物語ーー。
愛を知らない「頭巾被り」の令嬢は最強の騎士、「氷の辺境伯」に溺愛される
守次 奏
恋愛
「わたしは、このお方に出会えて、初めてこの世に産まれることができた」
貴族の間では忌み子の象徴である赤銅色の髪を持って生まれてきた少女、リリアーヌは常に家族から、妹であるマリアンヌからすらも蔑まれ、その髪を隠すように頭巾を被って生きてきた。
そんなリリアーヌは十五歳を迎えた折に、辺境領を収める「氷の辺境伯」「血まみれ辺境伯」の二つ名で呼ばれる、スターク・フォン・ピースレイヤーの元に嫁がされてしまう。
厄介払いのような結婚だったが、それは幸せという言葉を知らない、「頭巾被り」のリリアーヌの運命を変える、そして世界の運命をも揺るがしていく出会いの始まりに過ぎなかった。
これは、一人の少女が生まれた意味を探すために駆け抜けた日々の記録であり、とある幸せな夫婦の物語である。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」様にも短編という形で掲載しています。
【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します
大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。
「私あなたみたいな男性好みじゃないの」
「僕から逃げられると思っているの?」
そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。
すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。
これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない!
「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」
嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。
私は命を守るため。
彼は偽物の妻を得るため。
お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。
「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」
アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。
転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!?
ハッピーエンド保証します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる