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12 出立 1
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翌日。
ミザリーは、ルナールに一月後には、北国境警備の任務に就くことを知らされた。
「まぁ! ルナール! あなたが行くことなど、絶対にないと思っていたのに!」
悲痛な声を上げたのは、義母のセリアナである。
「まぁ、落ち着きなさい。我が家は代々優秀な軍人を出している家系だ。私とて、若い頃に患わなんだら、士官学校くらいは卒業できたのだ。セリアナ、これは名誉なことなのだぞ」
ドナルディは真面目な面持ちで言った。彼は軍人家系のこの家系では異質なのである。
「ですが、あなた! ルナールはエルトレー家の、たった一人の後取りですよ! 今すぐ除隊になるよう、陛下に嘆願書を!」
「母上、それはなりません」
ルナールは辟易したように母親を嗜めた。
「そんなことをしたら、私の名誉は地に落ちます」
「ルナールのいう通りだ。今はノスフリントとは停戦中だし、それほど危険がないと言うことなのだろう。それに指揮官として、王弟殿下も赴かれる。ルナールの隊はその直属で、殿下の護衛も兼ねているのだぞ」
「父上の言うとおりです。いずれ我が隊の順が来ることはわかっていました。決して油断は致しませんが、さしせまった大きな危険はないと考えます」
ルナールはセリアナを安心させるようにうなずいた。
「たかだか一年程度の任務です。すぐに帰ってきますよ」
「でも、もう冬だわ。ノスフリントは、とても雪深いところと聞いています。心配だわ」
「寒冷地の訓練も兼ねていますからね。それが終われば除隊して、本格的にこの家のことを考えますよ。な、ミザリー。君はわかってくれるな?」
ルナールは、黙って聞いていたミザリーの方を向いた。
「はい」
「さすが俺の妻だ」
ルナールは期待通りの答えに満足して行った。
ミザリーは結婚後、一ヶ月余りでこの屋敷に取り残されることとなる。
それからの日々は飛ぶように過ぎていった。
ルナールは忙しく王宮と屋敷を往復し、練兵場で訓練に明け暮れた。そして夜は、ミザリーと過ごすことが多くなった。
「父上に聞いたぞ。俺の出発したらすぐに、エルトレーの領地に行くそうだな」
それは明日、ルナールが出発する前夜のことだった。
ミザリーを抱いた後、ルナールは珍しく、いつものように寝室を後にせず、ミザリーの横で話しをしだした。
「何をするつもりだ? グリンフィルドにも帰るのか?」
「いいえ、グリンフィルドには戻りません。エルトレーの領地を見たいのです」
「なるほど。長らく放りっぱなしだったからな。逃亡した前の代理人に着服され、横流しされたものは大きかったが、それもこれも、我が家に領主の自覚が足りなかったからだ。祖父と父の二代、まともに管理してこなかった。今の管理人は真面目なようだが、収益は全く上がっていない」
その通りだとミザリーは思った。領地に残った民の収入は少なく、現在の税収は、最盛期の三分の一以下になっている。
「で、どうするつもりだ」
「はい。まずは、領主と領民の距離を縮めることかと。冬場なので、人々の暮らしを見たり、春の作付けのことが聞けると思います」
「君は本当に奇特な女だな。そんなことをして、一体どうするつもりだ?」
「領民に賃金をはずんで荒れた畑を耕作し直し、換金制の高い作物の栽培をはじめようかと」
「ほう……で、何を植える?」
「はい。ルルーの果実を」
「ルルー? あの赤い実の? だが南のものだろう? 王宮の温室で見たことがある」
「はい、ユルディスの伝手で苗を手に入れられそうなのです」
「へぇ、あの男が。そういえばあいつは草原出身だとか。しかし、うちの領地で育つのか?」
「ルルーは南の原産ですが、新しい種は、やや寒い乾いた土地で栽培した方が甘味が増すらしいです。幸い、領地には南向きのいい斜面があるようなので、先行投資で苗を買い、領地に運んで植樹を始めたらいいと教えてくれました。彼はあちこちを放浪して、いろんなことを知っています」
「俺の閨で、他の男の話をした女は、君が初めてだな」
「え……そんなつもりは」
ルナールの言葉からは、彼がたくさんの女性を知っていることが窺えるが、ミザリーは思ったより平気だった。最初からわかっていたことだからだ。
「あの男は有能だが、俺はあまり好きではない。ランサール閣下の推薦だから辞めさせるわけにはいかないが」
「申し訳ありません。でも彼の手腕は必要なのです」
「……なんだか少し妬けるな」
「そ、そんなものではございません! 決して」
ミザリーは思いがけない言葉に慌てた。
「いや、冗談だよ。すまない。だが、君の動揺した顔は初めて見る。貴重だな」
「そんな……」
ミザリーはうろたえている自分自身に驚いていた。
「では、これからお手並み拝見だ。俺は戻る頃には少しは成果が出ていればいいな。期待している」
「ええ。きっと……多分」
「戻ってきたら俺も手伝おう」
ルナールはそっとミザリーの腰に手を置いた。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「俺は君を女として愛することはないと言ったが、最近少し思い直してる。俺が女に描く理想とは違うが、君の体は心地がいい。心は清廉だし、こうしていると落ち着く」
「……」
たぶん誉められているのだ、とミザリーは思うことにした。きっと貴族の夫婦とは、このような関係なのだろう。
「つかぬことを聞くが、この中に俺の子はもういるのか?」
ルナールの腕は掛布の上からミザリーの腹を撫で下ろした。
「いいえ。それはまだ……」
ミザリーは目を伏せた。月のものが終わったばかりなのだ。
「……すみません」
「いや、いい。俺が帰ったら機会はいくらでもある。俺の方こそ、今まで君との関係を豊かなものにはしてこなかった」
「……仕方がありませんわ。利のための婚姻なのですから」
「ものわかりが良すぎるのが君の欠点だな。だが、君は非常に良くしてくれている。父からも聞いているが、怠け者の使用人に暇を出しただけで、今までよりも効率的に屋敷が回るようになったと」
「はい。でもそれは当面のことで、近々新しい人選を行なって人を雇うつもりです」
「まったく君は変わった女だ。閨での会話とも思えんな。だが、今夜はもう寝よう。出立は明後日だ。この任務をやりおおせたら必ず除隊する。働きによっては栄誉も与えられるだろう」
「ご無事でお帰りになるだけで十分です」
「ありがとう、ミザリー。俺が戻るまで、この家を守ると約束してくれるかい?」
ルナールは横になったまま、ミザリーの手を取った。小さな灯りの下で、美しい瞳がミザリーを見つめる。
「君を心から信頼している」
ルナールは手の甲に唇を落とした。それは決して、華奢でも柔らかくもなかったが、勤勉で有能な手だった。
「はい」
ミザリーはしっかりとうなずいた。
「お約束いたします。ルナール様」
「感謝する。明日は早い、今夜はこのまま休もう」
そう言って、ルナールはそっとミザリーの髪を梳き、頬をなでた。
「俺の帰りを待っていてくれ」
「はい。お待ちしております」
その瞬間のミザリーは、確かに幸せだった。
「おやすみ、ミザリー」
「おやすみなさいませ」
それが、二人が一緒に過ごした、最初で最後の夜となった。
ミザリーは、ルナールに一月後には、北国境警備の任務に就くことを知らされた。
「まぁ! ルナール! あなたが行くことなど、絶対にないと思っていたのに!」
悲痛な声を上げたのは、義母のセリアナである。
「まぁ、落ち着きなさい。我が家は代々優秀な軍人を出している家系だ。私とて、若い頃に患わなんだら、士官学校くらいは卒業できたのだ。セリアナ、これは名誉なことなのだぞ」
ドナルディは真面目な面持ちで言った。彼は軍人家系のこの家系では異質なのである。
「ですが、あなた! ルナールはエルトレー家の、たった一人の後取りですよ! 今すぐ除隊になるよう、陛下に嘆願書を!」
「母上、それはなりません」
ルナールは辟易したように母親を嗜めた。
「そんなことをしたら、私の名誉は地に落ちます」
「ルナールのいう通りだ。今はノスフリントとは停戦中だし、それほど危険がないと言うことなのだろう。それに指揮官として、王弟殿下も赴かれる。ルナールの隊はその直属で、殿下の護衛も兼ねているのだぞ」
「父上の言うとおりです。いずれ我が隊の順が来ることはわかっていました。決して油断は致しませんが、さしせまった大きな危険はないと考えます」
ルナールはセリアナを安心させるようにうなずいた。
「たかだか一年程度の任務です。すぐに帰ってきますよ」
「でも、もう冬だわ。ノスフリントは、とても雪深いところと聞いています。心配だわ」
「寒冷地の訓練も兼ねていますからね。それが終われば除隊して、本格的にこの家のことを考えますよ。な、ミザリー。君はわかってくれるな?」
ルナールは、黙って聞いていたミザリーの方を向いた。
「はい」
「さすが俺の妻だ」
ルナールは期待通りの答えに満足して行った。
ミザリーは結婚後、一ヶ月余りでこの屋敷に取り残されることとなる。
それからの日々は飛ぶように過ぎていった。
ルナールは忙しく王宮と屋敷を往復し、練兵場で訓練に明け暮れた。そして夜は、ミザリーと過ごすことが多くなった。
「父上に聞いたぞ。俺の出発したらすぐに、エルトレーの領地に行くそうだな」
それは明日、ルナールが出発する前夜のことだった。
ミザリーを抱いた後、ルナールは珍しく、いつものように寝室を後にせず、ミザリーの横で話しをしだした。
「何をするつもりだ? グリンフィルドにも帰るのか?」
「いいえ、グリンフィルドには戻りません。エルトレーの領地を見たいのです」
「なるほど。長らく放りっぱなしだったからな。逃亡した前の代理人に着服され、横流しされたものは大きかったが、それもこれも、我が家に領主の自覚が足りなかったからだ。祖父と父の二代、まともに管理してこなかった。今の管理人は真面目なようだが、収益は全く上がっていない」
その通りだとミザリーは思った。領地に残った民の収入は少なく、現在の税収は、最盛期の三分の一以下になっている。
「で、どうするつもりだ」
「はい。まずは、領主と領民の距離を縮めることかと。冬場なので、人々の暮らしを見たり、春の作付けのことが聞けると思います」
「君は本当に奇特な女だな。そんなことをして、一体どうするつもりだ?」
「領民に賃金をはずんで荒れた畑を耕作し直し、換金制の高い作物の栽培をはじめようかと」
「ほう……で、何を植える?」
「はい。ルルーの果実を」
「ルルー? あの赤い実の? だが南のものだろう? 王宮の温室で見たことがある」
「はい、ユルディスの伝手で苗を手に入れられそうなのです」
「へぇ、あの男が。そういえばあいつは草原出身だとか。しかし、うちの領地で育つのか?」
「ルルーは南の原産ですが、新しい種は、やや寒い乾いた土地で栽培した方が甘味が増すらしいです。幸い、領地には南向きのいい斜面があるようなので、先行投資で苗を買い、領地に運んで植樹を始めたらいいと教えてくれました。彼はあちこちを放浪して、いろんなことを知っています」
「俺の閨で、他の男の話をした女は、君が初めてだな」
「え……そんなつもりは」
ルナールの言葉からは、彼がたくさんの女性を知っていることが窺えるが、ミザリーは思ったより平気だった。最初からわかっていたことだからだ。
「あの男は有能だが、俺はあまり好きではない。ランサール閣下の推薦だから辞めさせるわけにはいかないが」
「申し訳ありません。でも彼の手腕は必要なのです」
「……なんだか少し妬けるな」
「そ、そんなものではございません! 決して」
ミザリーは思いがけない言葉に慌てた。
「いや、冗談だよ。すまない。だが、君の動揺した顔は初めて見る。貴重だな」
「そんな……」
ミザリーはうろたえている自分自身に驚いていた。
「では、これからお手並み拝見だ。俺は戻る頃には少しは成果が出ていればいいな。期待している」
「ええ。きっと……多分」
「戻ってきたら俺も手伝おう」
ルナールはそっとミザリーの腰に手を置いた。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「俺は君を女として愛することはないと言ったが、最近少し思い直してる。俺が女に描く理想とは違うが、君の体は心地がいい。心は清廉だし、こうしていると落ち着く」
「……」
たぶん誉められているのだ、とミザリーは思うことにした。きっと貴族の夫婦とは、このような関係なのだろう。
「つかぬことを聞くが、この中に俺の子はもういるのか?」
ルナールの腕は掛布の上からミザリーの腹を撫で下ろした。
「いいえ。それはまだ……」
ミザリーは目を伏せた。月のものが終わったばかりなのだ。
「……すみません」
「いや、いい。俺が帰ったら機会はいくらでもある。俺の方こそ、今まで君との関係を豊かなものにはしてこなかった」
「……仕方がありませんわ。利のための婚姻なのですから」
「ものわかりが良すぎるのが君の欠点だな。だが、君は非常に良くしてくれている。父からも聞いているが、怠け者の使用人に暇を出しただけで、今までよりも効率的に屋敷が回るようになったと」
「はい。でもそれは当面のことで、近々新しい人選を行なって人を雇うつもりです」
「まったく君は変わった女だ。閨での会話とも思えんな。だが、今夜はもう寝よう。出立は明後日だ。この任務をやりおおせたら必ず除隊する。働きによっては栄誉も与えられるだろう」
「ご無事でお帰りになるだけで十分です」
「ありがとう、ミザリー。俺が戻るまで、この家を守ると約束してくれるかい?」
ルナールは横になったまま、ミザリーの手を取った。小さな灯りの下で、美しい瞳がミザリーを見つめる。
「君を心から信頼している」
ルナールは手の甲に唇を落とした。それは決して、華奢でも柔らかくもなかったが、勤勉で有能な手だった。
「はい」
ミザリーはしっかりとうなずいた。
「お約束いたします。ルナール様」
「感謝する。明日は早い、今夜はこのまま休もう」
そう言って、ルナールはそっとミザリーの髪を梳き、頬をなでた。
「俺の帰りを待っていてくれ」
「はい。お待ちしております」
その瞬間のミザリーは、確かに幸せだった。
「おやすみ、ミザリー」
「おやすみなさいませ」
それが、二人が一緒に過ごした、最初で最後の夜となった。
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