お隣さんは陰陽師

タニマリ

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出会えたこと 前編

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スズメのさえずりが心地よく耳に響く中、窓枠をカリカリと引っ掻く音がして目が覚めた。
どうやらニャ太郎が夜遊びをして帰ってきたようだ。
手を伸ばしてベッド脇にある窓を開けてあげたのだがそこにニャ太郎の姿はなかった。
あれっ……寝ぼけてたのかな?

つむぎー!休みだからっていつまでも寝てないで、庭の草むしりやっといてよーっ。」

は~いと返事をすると母は仕事へと出かけていった。
時計は8時を過ぎていたが、二度寝をしようと布団に潜り込んだ。
昨日は頭がごちゃごちゃしてなかなか寝付けなかった。考えれば考えるほど、これでいいのかと悩んでしまう……
考えたところで私が真人まひとにしてあげられることなんて思いつかない。やっぱり大人しく離れた方が一番いいのだと思う。だけど……

布団の中で昨夜と同じことをぐるぐると悩んでいるとチャイムが鳴った。通販好きの母がまたなにか注文したのだろうか。
ハンコを持って玄関の扉を開けたらそこに立っていたのは真人だった。
私……まだ寝ぼけてる?

「ちょっといいか。」

真人は私の横を通り抜け、靴を脱いで部屋の中へと入っていった。
ホ、ホンモノじゃん!なんでっ?!
てか私今パジャマだし髪ボサボサだし顔だって洗ってもない!
髪の毛を手で整えながら真人のいる居間にすっ飛んでいくと、真人は仏壇の前に正座して静かに手を合わせていた。
亡くなった祖父や祖母、御先祖様を供養してある仏壇だ。
こういった振る舞いが自然とできる真人は素敵だなと思った。

「いきなり休みの日に押しかけてすまない。こいつを渡しにきたんだ。」

真人は膝に置いたタオルケットに包まれたものを大事そうに抱えると、そっと差し出してきた。
そこにはニャ太郎が荒い息を吐きながらぐったりとしていた。

「ニャ太郎?どしたのっ?」
「今朝家の庭で倒れていた。魂がとても傷付けられている。恐らく、妖魔にやられたんだろう。」

なんでニャ太郎が妖魔に襲われるの?
体にはどこにも傷などないのに、今にも死にそうな様子のニャ太郎に言葉が出なかった。

「この様子だともう…そんなに長くはもたないと思う。」

そんなっ……そんなことって………
頭を撫でてニャ太郎の名前を呼ぶと、薄目を開けてニャアとか細く鳴いた。
あまりにも小さく、掠れた声だった。

四歳の時、家の近くで溝にはまって衰弱していたニャ太郎と出会った。
寝ずに看病をして命を取り留めたニャ太郎は、それからはずっと私の傍にいてくれた。
ニャ太郎だけが幽霊が見えて怖がっている私のことを分かってくれた。
何度助けてもらっただろう……
ニャ太郎がいなかったら私なんかとっくに殺されていたかも知れない。

「ごめんね…ごめんねニャ太郎……」

ニャ太郎は私といて幸せだったのだろうか?
いつもいつも、私はこの小さな猫に頼ってばかりだった。

「母親が帰ってくるまでここに居ようか?」

真人が心配そうに覗き込んできた。
私は今にも零れそうな涙を必死に堪え、大丈夫だからと答えた。
ここで真人に頼ったら、また迷惑をかけてしまうかも知れない。

「全然大丈夫そうには見えんがな。」
真人は少し苛立った口調でそう言うと、すぐ隣にドカっと腰を下ろした。


「居てやるよ。」


そんなぶっきらぼうな優しさに止めていた涙がボロボロと零れ落ちた。
真人には私のつたない痩せ我慢なんて筒抜けだ。このままひとりでニャ太郎を見送るなんてとてもじゃないけど耐えられない。
ニャ太郎が尻尾を微かに動かし、私の腕をペシペシと叩いた。もっとしっかりしなよと叱っているようだった。

「そうだねニャ太郎……いつまでも泣いてるだけじゃダメだよね。」

強くならなきゃ。ニャ太郎が安心して天国に旅立って行けるように……





古い柱時計だけがチクタクと時を刻んでいく静けさの中で、急に真人が立ち上がり天井を睨みつけた。

「おいっ……なにか家に招かなかったか?」

誰もいない二階で床がきしむ音とギーという不気味な唸り声が聞こえてきた。
この真上は私の部屋だ。さっきニャ太郎だと思って窓を開けた時になにかが入り込んだのだ。
ぐったりしていたニャ太郎が威嚇するように激しく鳴き出した。

「どうやらその猫を襲った妖魔みたいだな。」

ニャ太郎をこんな目に合わせた妖魔?!
とどめを刺しに来たのだろうか……ニャ太郎を守るようにぎゅっと強く抱き締めた。

「ここは俺が足止めをしておく。おまえは猫を連れて珀のところまで逃げろ。」
「呪符を書くために紙とペンが要るんだよね?」
片手でニャ太郎を抱きながら引き出しにしまってある筆記用具を探った。

「なにやってんだ、そんなのいいから早く行け!」

今までの私なら言われなくても逃げていた。そしてまた真人を巻き込んでしまったと後悔してメソメソと泣くんだ。
でもそれじゃあダメなんだ。


「私も真人と一緒に戦う。」


私の言葉が意外だったのだろう、真人は驚いた顔をしたまま固まった。
真人にしてあげられることなんてないから大人しく離れた方がいいだなんて、そんなのは単なる逃げの口実だ。

「全然役に立たないかもだけど、それでも真人の苦しみを一緒に背負うことなら、私にも出来る!」

紙とペンを真人の前に力強く突き出した。
真人の真っ直ぐな瞳が一瞬揺らいだように見えた。

「……書くものは必要ない。呪符なら持ってる。」

真人は胸元から呪符を取り出すと床に並べ始めた。
前の簡易的なのとは違い、縦長の和紙に毛筆で描かれた立派なものだった。
珀が持っていきなと寄越してきたのだという……

「妖魔は天井をすり抜けて落ちてくるだろう。少しでも影が見えたら教えてくれ。背後を頼む。」

はいっと返事をして真人と背中合わせになり天井を見上げた。
真人が両手の指でいんを組むと床に置いた呪符が淡く光り出した。こちらの準備は万端だ。
凍てつくような緊張感の中でしばらくすると、左斜め上の天井板がたわんで白い筋が微かに漏れ出た。


「真人あそこ!!」


真人が発《はつ》と一喝したとともに妖魔が放った霧が一気に部屋中に充満した。空気の膨張による衝撃で私は台所まで吹っ飛ばされた。
真っ白で何も見えない……
起き上がって腕の中のニャ太郎を確認すると、既にもう息をしていなかった。

残った力を振り絞って妖魔を威嚇したのだ。最後まで、私のことを守るために────────


つむぎっ!大丈夫か?!」

名前を呼ばれてハッとした。今は悲しんでいる場合じゃない。

「私は大丈夫、妖魔はっ?」
「捉えた。おまえの反応が早かったおかげだ。」

無事に捉えられたようでホッとした。
ここで待っててねと言ってニャ太郎を台所の椅子の上に置き居間へと戻った。

「……本当に、この子が妖魔なの?」
「間違いない。見た目に騙されるな。」

霧の中でぼんやりと浮かんだ妖魔の姿を見て驚いた。
文字に縛られ喘いでいたのは六歳くらいの男の子だったからだ。
二階の床が軋むくらいだから重量のある大きな妖魔がいるのだと思っていた。

男の子は顔を真っ赤にすると火がついたように泣き出した。普通の幽霊の男の子にしか見えない……
妖魔だとしても、優しく話を聞いてあげたら成仏させてあげることが出来るんじゃないだろうか。

「ねえ真人、この子の心残りを聞き出せないかな?」
「同情はよせ、こいつは危険だ。おまえの猫を殺ったヤツなんだぞ?」

真人だって本音では滅したくはないはずだ。
部屋中に充満していた霧が晴れ、私と目が合った男の子はピタリと泣き止むと恍惚こうこつの笑みを浮かべた。


「見~つけたぁ。」


そう言って私を見つめる目は、白い部分がなくなるほど瞳孔が肥大化していた。
次の瞬間、男の子の体から大量の細い糸が噴き出して私目掛けて襲いかかってきた。


「─────狐火きつねび!!─────」


真人が投げた呪符が淡紅ピンク色に燃えて全ての糸を焼き消した。

「す、すごい真人っ、手品みたい!」
「なにを呑気なこと言ってんだ!今のでしばりの術も解けた!」

男の子を縛っていた文字は全て焼け焦げ畳の上に散らばっていた。
真人は居間にある掃き出し窓を開け放つと、私の手を握って庭へと駆け下りた。

「……やっと見つけた、やっと……」

部屋に取り残された男の子は追ってくるわけでもなく、体を震わせながら嬉しそうに笑っていた。
この声、どこかで聞いたことがあるような気がしたのだけれど思い出した……
引っ越してきた日に逃げたニャ太郎を追いかけて森の中を探していた時、蜘蛛の巣に引っかかって聞こえてきたのと同じだ。
あれは空耳なんかじゃなかったんだ……

「なんだこいつ、知り合いか?」

知らないと首を横に振った。
長い間私のことを探していたような口ぶりだけれど、森で会ったのが初めてだ。
足元の地面が波打つようにうねったかと思ったら糸が噴き出し、真人の手足に絡まった。

「しまった……!!」
真人はその糸を力づくで引き千切ろうとしたがビクともしない。さらに糸は体にも巻き付き、全く身動きの取れない状態になってしまった。

「僕の邪魔するなら殺すよ?」

男の子は体中からバキバキと血肉が弾けるような破裂音をさせながら不気味な姿へと変貌していった。
脚が八本、頭には触覚が生え、腹が異様に膨らんだその巨大な外形は蜘蛛くもそのものだった。
顔だけがあどけない男の子のままなのが余計に異様さを助長させていた。

「……遊ぼ。つむちゃん……」

つむとは私の幼少期のあだ名だ。この子がなんで知ってるの?
男の子は八本の脚を器用に動かしてゆっくりと私の方へと進んできた。

「逃げろ!!珀のところまで走れっ!」

そんなことを言われたってこんな状態の真人を置いてひとりだけで逃げれるわけがない。
笑顔で近づいてくる男の子に、私もニッコリと微笑み返した。

「私を知ってるみたいだけど、会ったのって私が小さい頃?」
「そんなこと聞くな!いいから早く逃げろ!!」

私だってこんなデカくてキモい蜘蛛妖魔と仲良くお喋りなんてしたくない。
真人は片手でなんとか印を組もうとしていたが、指に絡んだ糸が邪魔して上手くいかなく苛立っていた。
なにか……真人を助けられる方法がないだろうか……

「そうだよ。約束したからね。遊ぼうと思って探してたんだあ。」

男の子は再び体から糸を噴き出し、庭全体を覆い始めた。
張り巡らされた糸は普通の蜘蛛の巣とは違い、なにか特殊な陣のような形を成していた。

「ほら見て、ここでずっと僕と遊ぼう。」

巣の中心部には真っ黒な水溜まりが浮かんでいた。
それは重苦しく沈んだ底なし沼のように見えた。

「この世とあの世を繋ぐ狭間はざまの穴だ。あの世まで連れてかれたら帰ってこれないっ……!」

帰ってこれないって……じゃああの中に入ったら死ぬかも知れないってこと?
さあ行こうと男の子は一本の脚を私の腰に回し、その穴へ押し込もうとしてきた。

「ちょ、ちょっと待って!あの……そうだお菓子!楽しく遊ぶにはやっぱりお菓子がなくっちゃ!」

見た目は恐ろしい妖魔でも中身は子供なのだろう。お菓子と聞いて力が緩んだ。
じゃあ少し待っててねと取りに行こうとした時、真人がボソっと呟いた。


「───────塩だ。」



………塩?

そうか、確か塩でお清めが出来るんだった。
玄関に盛って魔除けに使ったりもするし……きっと妖魔にも効くのだろう。
台所まで行き先ずは戸棚からお菓子をかき集めて買い物袋の中へと押し込んだ。
ついでにハサミに包丁に爪楊枝に……とにかく武器になりそうなものを片っ端から突っ込み、最後に調味料のストックを収納してあるパントリーを探った。

パンパンに詰まった買い物袋を肩から下げて男の子の待つ庭へと戻った。
待たせてごめんねと言いつつ、男の子の後ろで身動き出来ずにいる真人に目配せをした。

塩は持ってきた。問題はどうやってかけるかだ。
妙な動きをしたら持っていることがバレてしまうだろうし、タイミングを間違えば避けられて終わりだ。
さあ行こうと男の子が再び狭間の穴に私を押し込もうとしたので焦っていたら、真人が口を開いた。


「待てよクソガキ。このまま俺を無視する気か?ああそうか、勝負するのが怖いのか。」


真人の挑発的な言葉に、ニコニコしていた男の子の顔が一瞬で凍ったように無表情になった。

「邪魔したら殺すって言ったよね。殺されたいの?」
「やってみろよ。出来るもんならな。」
縛られた状態で真人は右手の中指をおっ立てた。
真人の挑発にまんまと乗せられた男の子は、髪の毛を逆立たせながら私に背中を向けた……今だっ!


「悪霊退散!!」


そう叫んで後ろから大量の塩を一気にぶちまけてやった。
ストックしてあった三キロもの塩をタッパーに移し替えて撒きやすいようにしてきたのだ。
男の子は驚きのあまり巨体をくねらせ腹を出してひっくり返った。
やった……やっぱり塩って効くんだ!

「……紬、てんめぇ~なんのつもりだ?!」

真人にもしこたま塩がかかって真っ白になっていた。
これはやりすぎたかも……

「ごめんっ、多い方がより効くかなって思って。」
「塩ならな。だが、今おまえが派手にばらまいたのは砂糖だっ!この馬鹿が!!」

へっ?これ砂糖?
同じような白い粒だし焦ってたから間違えてしまったようだ。
恐る恐る男の子の方を見ると顔だけはまだ可愛いかったのに、怒りで般若のような形相になっていた。


「な、ん、でっ?!な、ん、で、な、の?!」


男の子は腹部を真っ赤に燃やし、八本の脚を地響きがするほど上下に激しく連打し始めた。

「紬逃げろ!殺されるぞ!!」

そんなことを言われたって、恐ろしさに腰が抜けて動けないっ……!
男の子は巨体を揺らして高くジャンプすると、八本の脚で私を閉じ込めるようにしてズシンと地面に着地した。

男の子の鼻だった部分から下は硬くてかま状の上顎うわあごへと変形し、先端には鋭い牙が付いていた。
目も八個に分かれて真っ黒な無機質なものへと変化している……
可愛らしい男の子だった面影などまるでなく、蜘蛛の気味の悪い顔そのものになっていた。


「僕達、友達だよねえ?」


その鋭く尖った顎先を、私の喉元へと突きつけてきた。
もうどう答えていいか分からないっ……どう答えたって殺される……!


「紬!しゃがめ!!」


見ると真人がわずかに動く足先で地面に散らばった砂糖をなぞって文字を連ねていた。



「─────はつ!!─────」



真人の一喝で文字が浮かび上がり、鋭く尖った矢のようになって妖魔の腹部を貫いた。
男の子はギギギという不快な音を立てながら激しく身もだえると、パッと消えていなくなった。

「逃げたか。おいっ、この糸を早く切ってくれ。」

……逃げた?
じゃあもうこれで終わり?助かったの?
体の力が抜けて涙が出そうになってきた。だって本当にすっごく怖かったんだもん。

「聞こえてるのか?!狭間の穴がまだ開いたままなんだ!逃げないとヤバいんだ!」
真人がそう言い終わらない内にねっとりとした生ぬるい風が吹き始め、地面に散らばっていたスナック菓子が穴へと吸い込まれていった。

「あの穴は閉じる時に巣の中にあるものを全部吸い込むんだ。」

真人も私も、庭一面に張り巡らされた糸の上だ。つまりこのままだとあのお菓子みたいにあの世とこの世の狭間へと引きずり込まれてしまうのだ。

「大変、早く糸を切らなきゃ!」
「だからそう言ってるだろ!!」




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