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第二章:魚と犬と死神

七十四話:レベル3

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真っ白に燃え尽きたぜ……。

>>>>リミテッドガチャが解放されました

怒涛のガチャ50連を終えると、リミテッドガチャが解放されたとアナウンスが脳内に響く。
ということは【ガチャ】スキルのレベルが3になったということだろう。
ガチャの内容は爆死であったがよかった。
よかった……のか?

+++++++++++++++++++++++++++++++
 メニュー

 鬼頭 神駆

★魂魄
 魂魄ランク:エリート
 保有魂魄:7ポイント
★スキル
 スキル購入
 スキル:【自然治癒力強化Lv.2】【槍術Lv.1】【身体強化Lv.2】【忍術Lv.1】【脚力強化Lv.1】【剣術Lv.1】
 固有スキル:【ガチャLv.3】
★魔法
 魔法購入
 魔法:【】
★マップ
『闘争地域』
★称号 
【*****の発見者】【ママーミーの天敵】【ワイルドドッグの天敵】

++++++++++++++++++++++++++++++

いくつかのスキルもレベルが上がっている。
スキルを覚えるには魂魄ポイントが必要だがレベルを上げるのは熟練度らしい。
ランクの上昇はなしか。 エリートになったのも猫のよろずやが驚いてたくらいだしまだ無理か。

「ふむ?」

結構な数のゴブリンとスケルトンやゾンビなんかを倒したけど、称号は増えていなかった。
獲得条件を満たしていなかったんだろうか。

リミテッドガチャはガチャLv3で解放。
一回100魂魄だ。 ノーマルガチャ10回分。いったい何が出るっていうんだ?ワクワクするね! 今50連終わったばかりだというのに、またガチャ熱が沸騰しそうだぜ。
こりゃまた雑魚狩り祭りするしかないな。

そうなると、いったん東雲東高校に帰ろうかな。
あそこはわんこそば並みに雑魚が押し寄せてくるから。
ゴブリンは逃げるし、アンデット系は夜だけだし。
みんなも心配だしね。一応。

「シン、朝ごはんできたよ」

「ん」

 フードを外した葵が眠たげな顔で告げてきた。
 俺はガチャの戦利品からスペルカードを葵に渡す。主に攻撃系のスペルカードだ。
 スペルカードは使い捨てだけど、固定の火力がある。
 ゲームだと序盤はキーアイテムだ。
 俺はヴォルフライザーの火力とブラックホーンリアの突進力があるから、サポート系のカードだけで十分だ。
 

「ありがと、シン」

「ん!?」

 葵のさりげないボディタッチに昨夜を思い出した。
 彼女は小さく「またね」と言って去っていった。
 葵ママ救出から一気に好感度が上がったらしい。

「おはようシンク君……」

 なぜか元気のないエルフの玉木さん。

「……」

 無言で朝食を見つめる陸上部の褐色系ガール、ミサ。
 なんでこの世の終わりみたいな顔をしてるの?

「おはよう!鬼頭君」

(なんだとッ!)

 わが天使木実ちゃんがエプロンをつけている。
 しかもその下はチェック柄の制服だ。
 それは東雲東高校の普通の制服ではない。
男子憧れの的、超お嬢様学校【神鳴館女学院付属高校】のお嬢様制服である!

 はっきり言って最高だ。

「うむ」

「えへへ? 似合うかな? 憧れてたって言ったら、一ノ瀬さんが貸してくれたんだよー」

 黒髪ロングはわかってるな。
 あとでママノエをプレゼントしよう。

「今日はね、私が朝食作ったの!」

 素晴らしい。
 ガチャもレベルが上がったし幸先が良すぎるぞ!
 木実ちゃんの手作り朝食、いただきます!

(……ん?)

 メニューはどうやらソーセージと卵焼き、それにみそ汁とご飯だ。
 これぞ朝食、といったラインナップである。
 結婚してくれないか?
 そう思いながら俺はみそ汁を口に運ぶ。
 そして強烈な違和感に襲われた。

(あ、まい?)

「おいしい?」

「美味い」

「えへへ、料理褒められるの嬉しいな?」

 そうか。 みそ汁が甘いのも、卵焼きが甘いのも、クセの強いはずのワイルドソーセージが甘いのも、ごはんが甘いのも全部木実ちゃんパワーか。
 木実ちゃんは俺の世界をすべて甘々にする。
 なるほどな!


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