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家族との決別.

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65修行すれば暴走した木の怪物を静める事が出来るかもしれない。
希望を抱き、俺は木の実が実る木に足を引っ掻けて登る。

カインは育ち盛りみたいだし、魚釣りもしてみようかな…確か洞窟の近くに川があった気がする。
服を引っ張り木の実を乗せて抱えて洞窟に帰る。

洞窟に帰ってくると奥にカインがいた。
待ちくたびれたのか壁に寄りかかり寝ていた。
一応室内だからローブを脱いだのか傍に綺麗にたたまれていた。
まだ6歳なのにしっかりしているなと感心する。

ローブをカインに掛けて、俺は木の実を床に並べた。
呪文に慣れているからか、普通に魔法を出せなくなっていて呪文を言うと魔法が出るようになった。
洞窟内は肌寒いから両手を重ねて小さく「炎で燃やせ…精霊の陣」と唱えると小さく丸い球体が現れた。風の魔法で力の強弱の仕方はなんとなく分かった。
後は数をこなせば意識しなくても出来るようになるかもしれないな。

暖かな熱とほんのりと優しい光に洞窟は快適に照らされた。

すると後ろの方で身動く気配がした。
後ろを振り返るとまだ寝足りないのか目を擦るカインがいた。

「悪い、起こしたか?」

「ううん、おかえり」

ふにゃっと笑うカインが可愛くて頬が緩む。
まるで我が子のように愛しく思えて頭を撫でる。
くすぐったそうに目を細めていた。

食事にしようとどれが食べたいかカインに聞くとどれも食べた事がないのか首を傾げていた。
そりゃあそうか、いいもの食べているなら口に合うだろうか。
しかし、ここでは帝国で手に入る材料なんかはないし…どうしたものか。

カインは一番近くにあった丸い実を手に取った。

「カイン?」

「むぐ、むぐ、おいしい」

口に入れて食べてくれた…それだけで嬉しかった。
カインと一緒に初めて食事をした。
いつもより木の実が美味しく感じた、きっとこれもある意味魔法だよな。

そしてその夜は一つのローブをカインと分けながら寄り添い眠った。
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