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魔石の洞窟.
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9少々木の実取りに時間が掛かり、空はすっかりオレンジ色に色付き夕焼けである事を知らせた。
何が起きても不思議ではない夜道は危険すぎる、暗くならないうちに洞窟にたどり着きたい。
足元には野うさぎが着いてきていて、一人ぼっちの俺には心強かった。
少し歩くペースを上げると頑張って着いてきてくれる。
草を掻き分けながら道なき道を進む、もう俺の知らない森の景色がそこにあった。
慎重に地図を思い出して、周りに警戒しながら歩く。
この森は帝国の他にゲームでは敵国であるアンバサー国への続く道がある。
たまに森にも帝国の人間同様珍味目当ての商人や帝国に攻め入ろうと入ってくる騎士がたまにいる。
ただ敵国にも怪物の噂があるからかそれ以外の人間は来ない。
実際敵国のほとんどの騎士も母によって食われている。
死体は見た事ないが俺は森をうろうろしているのに一度も会った事がない、それが何よりの証拠だった。
だから俺は生まれてこのかた生きた人間を見た事がない。
見たい気もするが、見たらすぐに母に食われるからやはり見たくない。
変な噂があるんだから森に来なければ死なずに済んだのに…珍味なんてなくてもいくらでも金を稼ぐ方法があるのに…
そう思うのはきっと俺は母の事を知っているからだろう、でも普通の人は知らない…どうしたら分かってもらえるだろうか。
そんな事を考えていたら、洞窟の入り口に到着した。
この先は危ないから持ってきた木の実を与えて野うさぎとお別れをして中に入る。
すっかり空は真っ暗で月と星の輝きのみが森を照らしていた。
しかし洞窟の中にあるという魔石の輝きのおかげなのか、明かりなしで洞窟内は照らされていた。
透き通るクリスタルの輝きのあまりの綺麗さに一瞬言葉を失い魅入られる。
考えなしで来てしまったから母に明かりの球体を魔法で出してもらえば良かったと後悔するところだった。
そうなったら今日中に辿り着く事が出来なかっただろう。
壁に触れながら一歩一歩歩く、本当だ…壁に触れただけで体がぽかぽかと温かくなる。
しかし壁に埋め込まれた魔石だけだと限界があるのか俺の魔力自体には影響はなさそうだった。
コツコツと靴が洞窟内に鳴り響く、ドキドキと心臓がうるさいくらい音を奏でている。
服から出ている肌は洞窟から放たれる冷気で寒くなるが体は常温を保っていた。
母は魔法で物を作る事が出来て、この服も作ってもらっていた。
俺もいつか出来たらいいのになと、母と妹を羨ましく思ってた。
そのためにはまずは基本の魔法を覚えなきゃなと思い、奥を目指し黒いローブをはためかせて歩く。
たまに天井からピチャンと水滴が落ちてきて首筋に落ちたからあまりの冷たさに悲鳴を上げる。
服以外は無防備だから止めてくれと早く終わらせたくて走る。
途中コウモリの襲撃があったが何とか走り切り抜けられた。
ずっと同じ風景を進み続けて本当に大きな魔石なんてあるのかと疑いながら疲れたから地面に座り持ってきた木の実を食べる。
真っ赤で小さな実だ、噛むとほんのりと甘さが口に広がる。
しかしいつもは森の皆と食べているからか一人の食事は寂しいものがあった。
食べ終わり、しばらく休憩して立ち上がった…よし、元気になったから先に進もう!
さすがに洞窟内で野宿するのは怖くて嫌だし母が心配するかもしれないから急いで進む。
もう少し歩いていたら到着していたらしく、出発再開して数分で細い道ではなく広い場所に出た。
そこには青色に光る大きな岩が真ん中で存在を主張していた。
これが、魔石…凄い…触れていないのに肌がピリピリと魔石を感じている。
母の話は本当だったんだと期待に満ちた瞳で魔石を見つめる。
ゆっくりと触れる、すると魔石は俺に反応して点滅させた。
「ふっ、くぁっ」
先ほどの壁の魔石とは比べ物にならないほどの量の魔力が俺の中に流れ込んでいるようだった。
俺の魔力を掻き回すように暴れる魔石の魔力に膝をつく。
……なんだこれ、体が熱くて熱くて変な気分になる。
手が震えるほど強い未知なる感覚だったが、魔石を離そうとはしなかった。
俺が魔力を使いたい気持ちは本物だ、魔法使いになって俺はこの森を守りたい。
無力で弱い俺を守ってくれた野性動物達、家族…俺の大好きな皆を守りたい。
大きな石に精神を持ってかれないように抱き締める。
母が人を傷付けるというなら俺は誰かを守る力がほしい…この魔力で俺が守るんだ!!
より魔石は光り輝き、俺の全身を優しく包み込んだ。
ぞわぞわした嫌な感じだったが最後はとても優しい力を感じた。
まるで俺が触れる事を認めてもらったかのようだった。
確かな事は分からない、ただの勘違いだったとしても俺は嬉しかった。
そして魔石は光を失い、ただの岩と同化して洞窟は真っ暗になった。
体の異変も急になくなり、岩から手を離してその場に座り込んだ。
さっき熱かった体を触って変化を確認するが変わりはなかった。
何やら手がゴツゴツと違和感があり俺の手に目線を向けると青いクリスタルが一瞬だけ光っているのが見えた。
すぐに光はなくなり、握りしめる……さっきの岩から無意識に取ってしまったのだろうか。
勝手に持って帰っていいのか悩むが、とりあえず持って帰ろうと思った…クリスタルからは魔力は感じないみたいだし…ただの綺麗な石なのかもしれない。
ゲームでは敵の事情は明かされてなくてこの魔石の話とかは知らないが、もう一度岩がある場所に触れて額をくっつけた。
ありがとうと感謝を込めて、洞窟全体に伝わるように瞳を閉じた。
するとまるで応えるかのように手に持つクリスタルが一瞬ほんのり温かくなった。
全部勘違いかもしれないが、俺はこの洞窟に魔法使いだと認められたと信じる事にした。
手探りで壁に触れながら元来た道に足を向け歩き出す。
結局魔力はどうなったのだろうか、洞窟内では崩れたら大変だから試せないから明日森の中で試そう。
今は何だか疲れてしまった…母と妹のところに帰って寝たい。
洞窟を出ると当然暗闇の中来た道すら分からなくなっていて、敵国が近いのに森で迷子になるわけにもいかないから洞窟の入り口の壁に寄りかかり一夜を過ごす事にした。
その間手に持っていた青いクリスタルは俺を見守っていた。
ーーー
鳥の囀りが響き、ペタペタと頬を叩くものに反応してギュッと目を閉じてゆっくりと開いた。
俺の目の前には白い毛並みのもこもこした野うさぎが座り前足を俺の頬にくっつけていた。
壁に寄りかかって寝ていたのにいつの間にか地面に寝転がっていた。
青い空に眩しい太陽が出迎えてくれて、洞窟に行く前は自分では普通だと思っていたが相当緊張していたらしく、緊張が解れ顔がにやける。
「…これで俺、魔法使えるのかな」
手を空に向けて瞳を閉じた、指先にエネルギーが渡る想像をする。
そして何でもいいからなにか出ろ!と強く願い手のひらが今まで感じた事がないほど熱くなった。
これはいける、そう思い目を開けてエネルギーを解き放った。
そして手からチョロチョロと少量の水が吹き寝転がっていた俺の顔に掛かる。
おかげで目が覚めたと起き上がりローブで顔を拭う。
何も出なかった昨日までの俺とは違い、成長したとは思うがもしかしてこれが俺の魔法?
修行すれば母みたいになれるだろうかと現実逃避をして苦笑いする。
こんなんじゃ、誰一人として役に立たないだろうな。
何が起きても不思議ではない夜道は危険すぎる、暗くならないうちに洞窟にたどり着きたい。
足元には野うさぎが着いてきていて、一人ぼっちの俺には心強かった。
少し歩くペースを上げると頑張って着いてきてくれる。
草を掻き分けながら道なき道を進む、もう俺の知らない森の景色がそこにあった。
慎重に地図を思い出して、周りに警戒しながら歩く。
この森は帝国の他にゲームでは敵国であるアンバサー国への続く道がある。
たまに森にも帝国の人間同様珍味目当ての商人や帝国に攻め入ろうと入ってくる騎士がたまにいる。
ただ敵国にも怪物の噂があるからかそれ以外の人間は来ない。
実際敵国のほとんどの騎士も母によって食われている。
死体は見た事ないが俺は森をうろうろしているのに一度も会った事がない、それが何よりの証拠だった。
だから俺は生まれてこのかた生きた人間を見た事がない。
見たい気もするが、見たらすぐに母に食われるからやはり見たくない。
変な噂があるんだから森に来なければ死なずに済んだのに…珍味なんてなくてもいくらでも金を稼ぐ方法があるのに…
そう思うのはきっと俺は母の事を知っているからだろう、でも普通の人は知らない…どうしたら分かってもらえるだろうか。
そんな事を考えていたら、洞窟の入り口に到着した。
この先は危ないから持ってきた木の実を与えて野うさぎとお別れをして中に入る。
すっかり空は真っ暗で月と星の輝きのみが森を照らしていた。
しかし洞窟の中にあるという魔石の輝きのおかげなのか、明かりなしで洞窟内は照らされていた。
透き通るクリスタルの輝きのあまりの綺麗さに一瞬言葉を失い魅入られる。
考えなしで来てしまったから母に明かりの球体を魔法で出してもらえば良かったと後悔するところだった。
そうなったら今日中に辿り着く事が出来なかっただろう。
壁に触れながら一歩一歩歩く、本当だ…壁に触れただけで体がぽかぽかと温かくなる。
しかし壁に埋め込まれた魔石だけだと限界があるのか俺の魔力自体には影響はなさそうだった。
コツコツと靴が洞窟内に鳴り響く、ドキドキと心臓がうるさいくらい音を奏でている。
服から出ている肌は洞窟から放たれる冷気で寒くなるが体は常温を保っていた。
母は魔法で物を作る事が出来て、この服も作ってもらっていた。
俺もいつか出来たらいいのになと、母と妹を羨ましく思ってた。
そのためにはまずは基本の魔法を覚えなきゃなと思い、奥を目指し黒いローブをはためかせて歩く。
たまに天井からピチャンと水滴が落ちてきて首筋に落ちたからあまりの冷たさに悲鳴を上げる。
服以外は無防備だから止めてくれと早く終わらせたくて走る。
途中コウモリの襲撃があったが何とか走り切り抜けられた。
ずっと同じ風景を進み続けて本当に大きな魔石なんてあるのかと疑いながら疲れたから地面に座り持ってきた木の実を食べる。
真っ赤で小さな実だ、噛むとほんのりと甘さが口に広がる。
しかしいつもは森の皆と食べているからか一人の食事は寂しいものがあった。
食べ終わり、しばらく休憩して立ち上がった…よし、元気になったから先に進もう!
さすがに洞窟内で野宿するのは怖くて嫌だし母が心配するかもしれないから急いで進む。
もう少し歩いていたら到着していたらしく、出発再開して数分で細い道ではなく広い場所に出た。
そこには青色に光る大きな岩が真ん中で存在を主張していた。
これが、魔石…凄い…触れていないのに肌がピリピリと魔石を感じている。
母の話は本当だったんだと期待に満ちた瞳で魔石を見つめる。
ゆっくりと触れる、すると魔石は俺に反応して点滅させた。
「ふっ、くぁっ」
先ほどの壁の魔石とは比べ物にならないほどの量の魔力が俺の中に流れ込んでいるようだった。
俺の魔力を掻き回すように暴れる魔石の魔力に膝をつく。
……なんだこれ、体が熱くて熱くて変な気分になる。
手が震えるほど強い未知なる感覚だったが、魔石を離そうとはしなかった。
俺が魔力を使いたい気持ちは本物だ、魔法使いになって俺はこの森を守りたい。
無力で弱い俺を守ってくれた野性動物達、家族…俺の大好きな皆を守りたい。
大きな石に精神を持ってかれないように抱き締める。
母が人を傷付けるというなら俺は誰かを守る力がほしい…この魔力で俺が守るんだ!!
より魔石は光り輝き、俺の全身を優しく包み込んだ。
ぞわぞわした嫌な感じだったが最後はとても優しい力を感じた。
まるで俺が触れる事を認めてもらったかのようだった。
確かな事は分からない、ただの勘違いだったとしても俺は嬉しかった。
そして魔石は光を失い、ただの岩と同化して洞窟は真っ暗になった。
体の異変も急になくなり、岩から手を離してその場に座り込んだ。
さっき熱かった体を触って変化を確認するが変わりはなかった。
何やら手がゴツゴツと違和感があり俺の手に目線を向けると青いクリスタルが一瞬だけ光っているのが見えた。
すぐに光はなくなり、握りしめる……さっきの岩から無意識に取ってしまったのだろうか。
勝手に持って帰っていいのか悩むが、とりあえず持って帰ろうと思った…クリスタルからは魔力は感じないみたいだし…ただの綺麗な石なのかもしれない。
ゲームでは敵の事情は明かされてなくてこの魔石の話とかは知らないが、もう一度岩がある場所に触れて額をくっつけた。
ありがとうと感謝を込めて、洞窟全体に伝わるように瞳を閉じた。
するとまるで応えるかのように手に持つクリスタルが一瞬ほんのり温かくなった。
全部勘違いかもしれないが、俺はこの洞窟に魔法使いだと認められたと信じる事にした。
手探りで壁に触れながら元来た道に足を向け歩き出す。
結局魔力はどうなったのだろうか、洞窟内では崩れたら大変だから試せないから明日森の中で試そう。
今は何だか疲れてしまった…母と妹のところに帰って寝たい。
洞窟を出ると当然暗闇の中来た道すら分からなくなっていて、敵国が近いのに森で迷子になるわけにもいかないから洞窟の入り口の壁に寄りかかり一夜を過ごす事にした。
その間手に持っていた青いクリスタルは俺を見守っていた。
ーーー
鳥の囀りが響き、ペタペタと頬を叩くものに反応してギュッと目を閉じてゆっくりと開いた。
俺の目の前には白い毛並みのもこもこした野うさぎが座り前足を俺の頬にくっつけていた。
壁に寄りかかって寝ていたのにいつの間にか地面に寝転がっていた。
青い空に眩しい太陽が出迎えてくれて、洞窟に行く前は自分では普通だと思っていたが相当緊張していたらしく、緊張が解れ顔がにやける。
「…これで俺、魔法使えるのかな」
手を空に向けて瞳を閉じた、指先にエネルギーが渡る想像をする。
そして何でもいいからなにか出ろ!と強く願い手のひらが今まで感じた事がないほど熱くなった。
これはいける、そう思い目を開けてエネルギーを解き放った。
そして手からチョロチョロと少量の水が吹き寝転がっていた俺の顔に掛かる。
おかげで目が覚めたと起き上がりローブで顔を拭う。
何も出なかった昨日までの俺とは違い、成長したとは思うがもしかしてこれが俺の魔法?
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