私の恋人は幼馴染(♀)

竜田優乃

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22.一目惚れ

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 「・・ぱぃ・・ぱい・・先輩・・!」

 子犬のような可愛い声によって私は目覚める。

 「大丈夫・・ですか・・?」

 目を開け隣を見ると、天使のように可愛い望海がいた。

 「あぁ・・大丈夫・・」と言い私は立ち上がり、ふと気づいた。

 ふかふかじゃない。

 下を見て確認すると、どうやら私はベットではなく床寝ていたようだ。

 「あれ・・?」と思い私は昨日の事を思い出した。

  7時45分、ぎりぎりまで絵梨香と濃厚なキスをしていた。

 しかし、それ以降の記憶は一切ない。

 「なんで、先輩床で寝ていたんですか・・?」と望海は不思議そうに聞いて来た。

 まぁ、ベットが隣にあるのにあえて床で寝ていたら不思議にも思うだろう。

 「うーん、分かんない!」と私はバカっぽそうに答えた。

 望海は私のバカっぽそうに言ったことには触れずに、私に迫るように「それより、あの人と恋人ってどうゆう事ですか!」と聞いて来た。

 私は嘘偽りなく望海に伝えた。

 こう、なんというか、望海なら信頼できる。

 そう、思ってしまったから伝えてしまった。

 これが、吉と出るか凶と出るかはまだ分からない。

 望海は「ええぇぇー---!」と甲高い声を上げ、床にしりもちをついた。

 あまりに驚いたのか、「げほっ、げほっ」と望海はせき込んだ。

 私は、「ごめんね、喘息なのに驚くようなこと言っちゃって・・」と言い望海に手を差し伸べた。

 望海は私の手を掴み、「大丈夫です。」と立ち上がった。

 望海の手は、絵梨香の手とだいぶ違った。

 絵梨香の手は私と同じくらいの大きさで片手で包むことは出来ない。

 しかし、望海の手は私よりも少し小さく、半分ほどなら私の手でも包めてしまいそうな大きさ。

 望海はしりもちをついた場所を手で「ポンポン」と掃いベットの上に座った。

 「私はあの人の事を全然知りませんでした。それに、私はもう感じてしまっています。」

 望海は胸に「ポン」と自分の拳を当て自身満々に言った。

 そして、私の方を見て


 「波瑠先輩。私、あなたに一目惚れしました。私と浮気してください!」


 と言った。

 私は一瞬思考が停止しそうになった。

 きっと、私が絵梨香に告白した時も絵梨香はこんな心情だったのだろう。

 「え・・・?」

 私が、ポカンとしていると望海はベットから立ち上がり、背伸びをして私の頬にキスをしてきた。

 「先輩・・私は本気ですからね・・」

 そう言うと、可愛い天使は病室から出て行った。

 いきなりすぎて、理解が追いつかない。

 私に一目惚れ・・・?何が、どうして、そうなった。

 まったく理解できない。

 とりあえず夢かもしれない、私はそう思い痛い腰を上げてベットに潜り込んだ。
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