上 下
64 / 66

64.実地は大変難しいのです

しおりを挟む
64
「あ、だめ……義隆くんの、おっきい」

 先端の、カリまで入れてしまってから貴文が泣き言を口にした。義隆から言わせれば、これこそ蛇の生殺しである。最も敏感な男の男たる部位が最も求めるべき場所の入り口で進入禁止を言い渡されてしまったのだ。それこそ、ちょっと手を伸ばして貴文の腰を掴んでしまえば、一気に侵入できてしまえるというところなのに。

「貴文さん、あおらないでください。俺だって初めてで、我慢してるんです」

 義隆だって切羽詰まっているのだ。かわいい年下の顔をして、初めてだから教えてほしいなんて強請ってみたものの、貴文だって処女なのだ。年上ぶってレクチャーしてみたところでそう簡単にいくわけがなかったのである。だからと言って、強引に突き進めるわけもなく、義隆は泣きそうな顔をしながら白い太ももをプルプルと震わせるかわいい貴文の顔を楽しんでいた。
 いつの間にかに貴文の左手は義隆の腹に置かれ、右手は義隆の左の太ももの上に置かれていた。そうしないと貴文は重力に負けてしまうのだろう。太ももの震え方が先ほどより大きくなってきた。貴文の顔を見れば、口元が歪んでへの字のようになっている。

「あ、だめ……足が、滑っちゃ、う」

 膝と足裏を使って必死に支えていたのだろう。太ももが震えていたのはそれだけ力を入れていたからであって、そのせいで入り口が狭くなっていたのだとは貴文に教えられるわけなどなかった。しかし、なんにしても貴文にゆっくりと限界が訪れようとしていた。ゆっくりと貴文の腰が沈んできたのだ。それに合わせて義隆には表現しがたい快楽がやってきた。温かく時折締め付けられる、目線を上げれば目線を上げれば貴文が切なげな顔をして赤い舌を見せつけていた。

「あ、も、駄目」

 自分の両腕で支えきれなくなったのか、貴文の腰がゆっくりと降りてきて、義隆の腹に軽い衝撃がやってきた。

「入りましたね、貴文さん。ここに、俺のがあるってわかります」

 義隆はそう言って貴文の腹を撫でた。たいして筋肉のない貴文の腹は、上から撫でれば胎内に収まった義隆のモノがよくわかった。

「あ、なんか、当たって、る?」

 少し背中をそらした貴文が、自分の胎内の異変に気付いた。

 「どこに当たっているんですか?教えてください、貴文さん」

 おおよそ見当がついているくせに、義隆はあえて聞いてみる。だが、自分の体の秘密をいまだ知らない貴文は、ただ戸惑うだけである。

「なんか、へん……だ」

 自分の胎内からコツコツとした音が聞こえているようで、貴文は得体のしれない恐怖を感じた。

「ね、義隆くん。も、いいよね?俺、怖いよ」

 膝に力を入れ、腰を浮かせようとした貴文であったが、それよりも早く義隆が起き上がってしまった。

「ひゃあぁっぁぁぁぁ」

 急に義隆が動いたことで、貴文の胎内で違う刺激が生まれた。そのまま背中を大きくのけぞらせた貴文を、義隆は片手で支えた。

「貴文さん。俺も貴文さんに注ぎたいです。貴文さんもここでそうしたんですよね?」

 貴文が慌てて否定しようと口を開くと、すかさず義隆にふさがれた。そうしてそのまま今度は貴文の背中がベッドに押し付けられた。大きな刺激が貴文をおそい、貴文の体が何度も痙攣するように震えたのだった。そのまま義隆は体を離すことなく貴文に向かって腰を何度も打ち付けた。そのたびに貴文の背中が反り、義隆の口内にくぐもった悲鳴がこだました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される

日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。 そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。 HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!

【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました

ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。 それは王家から婚約の打診があったときから 始まった。 体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。 2人は私の異変に気付くこともない。 こんなこと誰にも言えない。 彼の支配から逃れなくてはならないのに 侯爵家のキングは私を放さない。 * 作り話です

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす

リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」  夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。  後に夫から聞かされた衝撃の事実。  アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。 ※シリアスです。 ※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。

【完結】復讐の館〜私はあなたを待っています〜

リオール
ホラー
愛しています愛しています 私はあなたを愛しています 恨みます呪います憎みます 私は あなたを 許さない

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

処理中です...