9 / 55
甘い企み
しおりを挟む
お互いの想いを確認し合ったユースレスとイルミテラは、よくよく相談した。
王はきっとユースレスとディアの婚約解消に反対する。
教会や貴族、国民を支配するために、ディアの奇跡は必要だ。
王家にディアを諦めさせるには、ディアに汚名を着せて失脚させるのが一番早い。幸いディアの名声には陰りが見え始めている。今がチャンスだ。
イルミテラを『真の聖女』として発表してしまおう。
リュゼ公爵家が目玉の飛び出るような多額の寄付を出せば、教会はイルミテラに聖女認定を下した。イルミテラは美しい手を傷つけない染料で、聖女の印を刻印してもらった。
ディアは豊穣の祈りを捧げて実りを豊かにするが、それは隣国の新しい技術や機械を輸入すればもっと効率よく出来る。
魔獣退治は、結界などに頼らず兵士を増やせばいい。リュゼ公爵家がいくらでも金を出す。目に見えもしない結界で防げる程度なんだから、どうせ大した魔獣じゃない。
病や傷の治療は、貴族を優先して治す。これも外国の新薬があれば問題ない。平民も治してほしいならお金を出せばいいのだ。いままで無料で治療してもらえていたのがおかしい。
「全部、問題は解決しそうですね」
「ああ、これで平民聖女は用無しだな」
「……彼女の処遇はどうされますか?聖女を偽ったということであれば、永久追放でもおかしくない大罪ですわ」
「うーん、できれば婚約を破棄した後も、仕事をこっそり手伝わせたいな。彼女の奇跡は一応本物だし」
「では、こう致しましょう。一旦、公開処刑を命じるのです」
王はきっとユースレスとディアの婚約解消に反対する。
教会や貴族、国民を支配するために、ディアの奇跡は必要だ。
王家にディアを諦めさせるには、ディアに汚名を着せて失脚させるのが一番早い。幸いディアの名声には陰りが見え始めている。今がチャンスだ。
イルミテラを『真の聖女』として発表してしまおう。
リュゼ公爵家が目玉の飛び出るような多額の寄付を出せば、教会はイルミテラに聖女認定を下した。イルミテラは美しい手を傷つけない染料で、聖女の印を刻印してもらった。
ディアは豊穣の祈りを捧げて実りを豊かにするが、それは隣国の新しい技術や機械を輸入すればもっと効率よく出来る。
魔獣退治は、結界などに頼らず兵士を増やせばいい。リュゼ公爵家がいくらでも金を出す。目に見えもしない結界で防げる程度なんだから、どうせ大した魔獣じゃない。
病や傷の治療は、貴族を優先して治す。これも外国の新薬があれば問題ない。平民も治してほしいならお金を出せばいいのだ。いままで無料で治療してもらえていたのがおかしい。
「全部、問題は解決しそうですね」
「ああ、これで平民聖女は用無しだな」
「……彼女の処遇はどうされますか?聖女を偽ったということであれば、永久追放でもおかしくない大罪ですわ」
「うーん、できれば婚約を破棄した後も、仕事をこっそり手伝わせたいな。彼女の奇跡は一応本物だし」
「では、こう致しましょう。一旦、公開処刑を命じるのです」
380
お気に入りに追加
1,067
あなたにおすすめの小説
無能とされた双子の姉は、妹から逃げようと思う~追放はこれまでで一番素敵な贈り物
ゆうぎり
ファンタジー
私リディアーヌの不幸は双子の姉として生まれてしまった事だろう。
妹のマリアーヌは王太子の婚約者。
我が公爵家は妹を中心に回る。
何をするにも妹優先。
勿論淑女教育も勉強も魔術もだ。
そして、面倒事は全て私に回ってくる。
勉強も魔術も課題の提出は全て代わりに私が片付けた。
両親に訴えても、将来公爵家を継ぎ妹を支える立場だと聞き入れて貰えない。
気がつけば私は勉強に関してだけは、王太子妃教育も次期公爵家教育も修了していた。
そう勉強だけは……
魔術の実技に関しては無能扱い。
この魔術に頼っている国では私は何をしても無能扱いだった。
だから突然罪を着せられ国を追放された時には喜んで従った。
さあ、どこに行こうか。
※ゆるゆる設定です。
※2021.9.9 HOTランキング入りしました。ありがとうございます。
理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします
水野忍舞
ファンタジー
英雄になるのを誓い合った幼馴染たちがそれぞれ戦闘向きのスキルを身に付けるなか、俺は魔法の収納庫を手に入れた。
わりと便利なスキルで喜んでいたのだが幼馴染たちは不満だったらしく色々言ってきたのでその場から立ち去った。
お金を稼ぐならとても便利なスキルじゃないかと今は思っています。
*****
ざまぁ要素はないです
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜
和歌
ファンタジー
「アリシア・フィルハーリス、君の犯した罪はあまりに醜い。今日この場をもって私レオン・ウル・ゴルドとアリシア・フィルハーリスの婚約破棄を宣言する──」
王宮の夜会で王太子が声高に告げた直後に、凄まじい地響きと揺れが広間を襲った。
※恋愛要素が薄すぎる気がするので、恋愛→ファンタジーにカテゴリを変更しました(11/27)
※感想コメントありがとうございます。ネタバレせずに返信するのが難しい為、返信しておりませんが、色々予想しながら読んでいただけるのを励みにしております。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる