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開始

閑話-クラスメイトA-(*)

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【注意】変態。
ただの変態クラスメイトAの話(ゲーム開始から)です。 
完全な息抜き話で凄く下らないので、読まなくてもOKです。変態です。
尊敬語が間違っているのは見逃して下さい。
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この大国の第二王位継承者であられるユージーン殿下とついに、ついに同じクラスになれた!
幼い頃からずっと憧れ続けていた殿下と同じ空間で過ごせるだなんて本当に夢のようだ。

あぁ、今日も尊い・・・本当に堪らなく恰好いい・・・所作が優美・・・チェイス殿下も素敵だけれど、ユージーン殿下にはとても敵わない。
空気さえ尊い・・・今日も深呼吸しておこう。
かなり離れているが、同じ寮に住んでほぼ同じ食事が出来ているだなんて・・・お風呂が一緒でないのが非常に残念だ。
勉強そっちのけで眺める日々に成績が落ちて親には怒られているが、この幸福の前には些細な事だ。
家を継げなくなろうとも構わない。


殿下はこの上なく優しいお方で、側近のキアンにいつも気を配られている。
噂によれば、何でも幼い頃に殿下を庇ったキアンに傷が残ったらしく、贖罪を求められて渋々側近にしたとか。
キアンめ・・・何て卑怯な奴だ。
あんなパッとしない奴が殿下の側近だなんて認められない。スタイルだけは・・・ギ・・・ギリギリ及第点だな。
殿下のそばには可憐なランス君が似合う。

非常に腹立たしい事にランス君はキアンと仲がいい。
よく話してるのを見るけれど、本当に何であんな奴と仲がいいんだろうか。
他よりちょっとだけ剣術と護身術が出来て、ちょーっとだけ勉強が出来て侯爵家で・・・確かにまぁまぁ相応しい経歴持ちかもしれないけど、認められん。
一度髪を上げて来た時に初めてちゃんと顔を見たけれど・・・ち・・・ちょっとだけ他より小綺麗な顔でも認められん。可愛いランス君が一番だ!
他の奴等はキアンに興味をもったようだけれど、自分はランス君だ!


最近では殿下に苦言を呈しているのを見かける。
何て酷い事を!
早く罷免すればいいのに、殿下は本当にお優しい・・・。


願いが通じたのか夏が近づいた時、キアンは病気になって姿を消した。
殿下に失礼極まりない態度をしていた罰が当たったんだ。
なのに殿下も一緒に姿を消してしまわれた・・・城に戻られたのだという。
夏休み前に目に焼き付けておきたかったのに非常に残念だ。


休みが明けても殿下は姿を見せられなかった。
ご多忙なようで授業代わりに課題をし、城で過ごされているらしい。
次の側近が決まらないから出て来られないのだろうか・・・キアンの他に側近が見つからないだろうのか?
あぁ、殿下のご尊顔を拝見したい・・・。
偶に出てこられても短時間で直ぐに帰ってしまわれるそうで、拝見できない。

その間は可愛いランス君を見て楽しもう。
今日は複数であんな事を! ランス君は凄い。この前はSMだった。


年が明けて暫く経って、殿下はキアンと一緒に学園へと戻って来られた。
病み上がりのキアンはいつも以上に色が白く、歩みも遅く動きが鈍い。
あんな状態で側近なんて、もう無理だろう。
早く罷免すべきなのに殿下はお優しく、片時も離れず労わっておられる。
殿下のお手を煩わせるキアンが憎い・・・!

体育の授業もキアンに合わせて欠席されてしまう。
キアンめ!!! お前のせいで殿下の引き締まった体が!い、いや、勇姿が見れなくなってしまったじゃないか!!
どれだけ楽しみに待っていたと思ってる!!
幸い殿下を覗き見に行った時、足を滑らせ捻挫したから自分も今日は欠席。
殿下は特別室で自習されている・・・べ・・・勉強ちょこっと一緒に出来たりとか・・・しないだろうか?
数言の会話だけでもいい。
勇気を出して一世一代の行動をしてみよう!! 夢のクラスメイトだし!
心臓が口から飛び出そうだ。
重厚なドアをノックすれば、返事を返され入室した。
狭い空間で殿下と一緒!! しかもキアンもおらず2人きり!!!
なんという至福!!!神よ!感謝します!!

「どうした?」
椅子から自分を見る殿下、目が!目が初めて合った!!! 
か・・・恰好いい!! 駄目! 鼻血出そう!!
「あ・・・あの・・・少しだけでも勉強を・・・ご一緒にと・・・」
「・・・少しだけなら」
「ありがとうございます!」
あぁ、堪らない! 一生の宝物! 重厚な机が邪魔だ! 机の向こうの殿下にもっと近づきたい! 
はぁぁ~最高に恰好いい。近くで拝見すると更に見目麗しい。興奮する・・・

「あの・・・側近の方は・・・」
先に、いつこの空間を壊されるか確認しておかないと。
「今、お使いを頼んでる」
ほあぁぁ!!
口端を上げて微かに微笑まれた! 
嬉しくて眩暈が・・・!!! だがここで倒れるわけにはいかない。
「そ、そうですか・・・」
しかしキアン、直ぐに戻ってきそうだな。

あれ?
殿下・・・いつも物を書く時左手は机上に置いてるのに、今日は下げてるんだ・・・初めて見た。
時折何かさすってるような動きするけど・・・どこか痛いのかな? 自分がさすって差し上げたい。

「・・・っ」
何か今、くぐもったような声・・・しなかったか?
見渡しても誰もおらず、興奮して幻聴が聞こえたらしい。
人がいるわけないか。
殿下と2人きりなんだから!!!

あぁ、本当に恰好いい・・・何だか今日はいつになく色っぽい感じがする・・・いい香り・・・殿下ぁ・・・
「君・・・」
「え?」
鼻血がポタポタ落ちているのに、醜態を謝罪し部屋を後にする。
自分のせいで数分しかいられなかった・・・
教室に戻り、鼻血が止まって荷物を置き忘れてきた事に気が付いた。
鼻血に濡れた荷物!何という失態!
急いで取りに戻り、焦ってドアをノックせず開けてしまった!
何だか鍵が掛かっていたような気がするが、力任せに押したら開いてしまった!!

「あ・・・」
キアンが戻って来ていた。
具合が悪いのか、殿下の机の横で膝を着いて、口元を押さえて肩で息をしているが、突然飛び込んだ自分に愕然とした様子で固まっている。
殿下はそんなキアンの肩に手を置いて支えているようだ。
窓は開放され風が吹き込んで、キアンの前髪がふわりと流れて顔が露わになった。
「・・・・!!」
潤んだ瞳が凄く綺麗で、紅潮した表情は酷く欲情的だ。
薄く開いた唇から覗く舌は紅く濡れていて、むしゃぶりつきたくなる程に色っぽい。
まるで今まで性行為をしていたかのような雰囲気に、一気に熱が高まった。
止まっていた鼻血がボタボタ落ちているのに気づきもせず、唾を飲みキアンを凝視してしまった。
大嫌いな奴だったのに間違いを犯しそうな程、欲情している自分がいた。
ズボンの前がはち切れそうに痛い。
目が合うと、キアンは更に顔を真っ赤にして・・・・・


気付けば保険室にいて、ランドン先生に苦笑されていた。
自分はどうしたっけ?
悲しい事に下着が濡れており、寮へと帰る。
興奮が納まらなくて、いつもは殿下だったのに、キアンの痴態を想像して自慰行為に耽った。
想像すればする程止まらなくなって、脳内でキアンを犯しまくった。
ここまで興奮したの初めてだ・・・最高に良かった・・・もう病みつきだ。
今まで理解できなかった他の奴等の話が納得できた。


あの日以来、殿下の傍にいるキアンを目で追ってしまう。
憎くて興味なんて全く無かったのに・・・触りたい! キアンを触りたくて仕方がない!! 
常にしっかり着込んでいる服の下を心行くまで堪能したい!!
よく見なくても艶やかで綺麗な肌、絹のようなサラサラの髪、その下にある魅力的な眼、吸い付きたくなるような唇・・・しなやかな肢体は座っているだけなのに色気が漂ってくる・・・具合が悪そうな日なんか特に凄い。
誘ってるのか? 男を誘ってるんだよな!? 
手を出してもいいって事だよな!? 犯される為の存在だよな!? あぁ訳がわからん!!
とにかく股間に来る!!! 危険レベルだ。
認める・・・キアンは綺麗だ!
あの髪の下の顔が少しでも見たくて眺めれば、背筋が凍りつき嫌な汗が滲んだ。
首元に冷たく鋭い刃が押し当てられ、今にも胴体と斬り離されそうな・・・身の毛がよだつ恐怖に包まれる。
心臓が激しく鼓動し、震えながら視線をずらせば殿下と目が合った。
あの、お優しい殿下が・・・底知れぬ鋭い眼差しで自分を見ている。
あまりに残忍な眼差しに、声も出せず失神してしまった。失禁までしてしまった。


怖い、殿下が怖い。とてつもなく恐ろしい。何度失神して保健室へ運ばれただろう。
何が殿下の怒りに触れてしまったのだろう。

恐る恐る盗み見れば、キアンを労わる殿下の姿。
「・・・・・あ。」
その穏やかで優しい表情に、自分は今まで何を見ていたのかと後悔する。
仕方なくキアンを側近にしていたんじゃなかったのか・・・噂は嘘だった。
殿下がキアンを見る眼差しは、他の誰に向けるものとも違う・・・心からのものだ。
・・・何で今まで気づかなかったんだろう。
殿下の大切にしていたものを、自分は想像で汚してしまった。
色慾の目で見てしまった。
キアンが体調を崩して休めば殿下も必ず休まれていたのは、付き添っていたからなんだ。


気付いて以降、盗み見る事は控える事にした。
必ず殿下に気付かれてしまう。
殿下を見るのは大丈夫だけれど、キアンを見れば絶対にあの眼差しと目が合う。
挨拶でもしようものなら確実に首が胴体とお別れするだろう。
命が惜しい。


あの数分間を宝物に一生殿下を思い続けていこう。


3日間休んで出てきたキアンの首筋に、赤い跡が覗き見えたけど、もしかして、キスマーク?
殿下と・・・? まさかね。
その光景を想像して耽ってしまった・・・


・・・あれ?
もしかしてあの時キアン、机の下にいた、とか・・・? 唇が濡れていたのって・・・まさか・・・
想像に鼻血を垂らしながらキアンを見れば、殿下と目が合った。



自分は無事、生きて卒業できるんだろうか・・・・



あぁ、恐怖に意識が遠のいていく・・・・ランドン先生、今日もお世話になります・・・。





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大変失礼いたしました。
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