「月下の約束 - 柚希と葵の物語」

第3章: 挑戦と成長の日々

第4話: 急転直下の出来事

葵のアートと柚希の教育への情熱は、それぞれの分野で確実に進歩していた。しかし、静かな日々は突然の出来事によって一変する。

ある日の午後、柚希は葵から急な電話を受けた。「柚希、大変なことが起きたの。今すぐ会える？」葵の声には明らかな動揺が感じられた。

急いで約束の場所に向かった柚希は、混乱した様子の葵と対面した。葵は憔悴しきった表情で、「アートスクールでの展示作品が何者かによって破壊されたの」と告げた。

柚希はショックを受け、「どうしてそんなことが…？」と言葉を失った。葵の作品は彼女の情熱の結晶であり、その破壊は葵にとって計り知れない打撃だった。

「私、誰かに目をつけられているのかもしれない」と葵は言い、これまでのスクールでの嫉妬やトラブルを思い出していた。

柚希は葵を必死に慰めようとしたが、葵の心は深く傷ついていた。この事件は、彼女たちのこれまでの努力に水を差すものであり、二人にとって大きな試練となった。

翌日、柚希は葵と共にアートスクールを訪れ、破壊された作品の状況を確認した。学校側は事件の調査を進めていたが、犯人についての手がかりはなかった。

葵はこの事件により、一時的にアートから距離を置くことを決意した。「柚希、少し休憩が必要みたい。アートから離れて、心を落ち着けたいの」と葵が話した。

柚希は葵の決断を尊重し、彼女の心の平穏を最優先に考えた。「葵さん、どんな選択をしても、私はあなたのそばにいます」と言い、葵を支え続けた。

一方、柚希自身もこの事件による衝撃を隠せずにいた。彼女たちの未来は突然不確かなものになり、これまでの平穏な日々が遠い過去のように感じられた。