猫被りも程々に。

ぬい

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February

02※

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走って追いかけたものの、すぐに姿は見つからず、やっと背中が見えた時には寮に辿り着いてしまっていた。流石に寮に入って弁解する訳にもいかず、一気に非常階段を駆け上がる。

(…着く前に死ぬ……)

6階に着く頃には当然息は切れていて心臓が痛く、足も急な運動で吊りかけていた。それでも足を止めるわけにはいかないので死にそうになりながらもカードキーをかざして部屋に入る。

扉を開けると丁度会長は靴を脱いでいるところで俺の姿を見るなり無表情のまま口を開いた。

「…絶交」
「……いいんですか、絶交して」

拗ねた子供のような発言に息切れしながら靴を脱いで答えれば、会長は「やだ」と俺の腕を掴んで強く抱き締める。疲れのあまりその場に崩れ落ちてしまいそうな身体で背中に手を回し、息を一生懸命整えた。

「さっきの、ほんとに誤解ですから…」
「…分かってるよ」

しがみつくように回された腕が一層強まり、俺は黙ってただひたすら背中に手を回した状態で会長の気が済むのを待つ。図書室で見た時はてっきり誤解したのだと思ったがそういうわけでは無いらしい。

少し経って会長は回していた腕を解くと今度は汗で張り付いた前髪にそっと触れた。

「汗すごい。そんなに焦ってきたの?」
「焦りますよ。弁解しようとしても全然聞いてくれないし」
「だってあの場でぐちゃぐちゃにしちゃいそうだったんだもん」

前髪に触れていた指は額から頬を辿って、自然と唇が重なった。いつもより激しく舌を絡められ、歯列をなぞられると口の端から唾液が伝う。

「…ン…っ…ふ、…」

会長の膝で支えられてそのまま10分程玄関には水音だけが響いた。
当然唇を離した頃には身体の力が抜けて、ズボン越しに勃ちあがった下半身が熱くて痛い。

「ま、って…汗かいたんで、お風呂……」
「いい、 入らなくて」
「良くな、…ぁ゛…っ」

押し返しても身体は離れず、ワイシャツのボタンが外されて汗ばんだ首筋をゆっくり舌でなぞられる。ゾクゾクとした感覚にどんどん息が乱れていき、会長の肩口に顔を埋めると鎖骨辺りに差し掛かった瞬間、強く吸われた。

「跡は、駄目…だって……」
「今の湊に拒否権ある?」
「…ない、ですけど…」

そう言われたら拒否しようにも強く言えない。押し返した手は絡めるように握られ、今度は首筋に唇を当てて強く吸われた。

前回と違って制服じゃ確実に隠せない場所に跡をつけられ、諦めて黙って受け入れているとベルトに手が掛かる。下着とズボンをずらされ、後ろの穴に指が入ってきた。

「昨日1人でした?」
「なんで、わか、るんですか…ァ゛あっ、…っ、」
「いつもより中やわらかい」

お腹の方をぐりぐりも押されてその場にしゃがみこんでしまいそうになる身体を会長に預ける。冬なのにいつまで経っても汗がひかない。
身体が熱くて、自然と疼く乳首に手が伸びた。制服の裾に手を突っ込んで直接触るだけで激しく息が乱れる。

「は…っ、ぅ゛…っ、」
「中すっごい締め付けてる。そんなに気持ちいい?」
「きもち、い…い、です……ン゛っ」

夢中で快感を貪ってると不意に身体を壁に押し付けられ、会長がしゃがみ込んだ。すぐに何をされるのか分かって、逃げようとしたが狭い廊下で逃げ道がない。

「や、…っ、ま…って、そこ、きたな…ぁ゛…っ」

躊躇うことなく性器を口で咥えられ、鈴口を舌でぐりぐりと刺激する。裏筋をなぞられるだけで達してしまいそうになったが、根元を強く握り締められたせいでイけない。
性器を刺激している間も中に指は入ったままでいつの間にか3本に増えていた。

「ん、っ、ぁ゛っ、…は……っ」

乳首を触っていた手は止まり、与えられる刺激にひたすら身体を震わせる。いつまで経ってもイかせてくれる気配もなく、後ろの指を抜いてくれる様子もない。
 
「も、…手、離し…て……」
「出したい?」
「出したい、です…、せーし、出し、たぃ……」
「…仕方ないな」

性器を握っている会長の手を掴んで強請ると俺の言う通りにゆっくりと手を離れていく。今度は俺の両手を絡めるように握り、性器を奥まで咥えて思い切り吸われた。

「ぁ゛…っ、や、口…離し、…~~…っ…!」

止める暇もなくあっという間に達し、身体が痙攣する。残りの精液も出し切るように吸った後、ようやく会長は頭が離してから喉を動かし、立ち上がった。

「もしかして、飲んだ、んですか……」
「うん」
「ばか、まじで……ン、…、っ、」

文句を言おうと思った口は塞がれ、口内に独特の風味が広がる。自分のだと思うと最悪な気分だったが、ガチャガチャとベルトを外す音を立ててすぐ、後ろの穴に擦り付けるように性器を当てられてあっさり快楽の方が勝ってしまった。

「ん、…ぅ、…は…っ、ぁ゛っ、」

溶けた頭で一生懸命舌を絡めていると会長は俺の片足を抱えて性器をゆっくりと挿入していく。快楽と疲れにより膝は限界を迎えていて、壁で背中を支えていた身体が崩しそうになった。

「危な…」
「あ゛~~っ、は……っ、」

咄嗟に会長に支えられたせいで性器が一気に奥に入り込み、頭が一気に真っ白になって思わず呼吸するのを忘れる。達してもなお、奥にぐりっと押し付けられて快感の波が収まらない。

「しっかり掴まって」
「あ゛っ…、!ぁ゛んっ、!う…っ、は…っ、」

いつイってるのかすらも判断できないくらいずっと気持ち良くて最早苦しかった。奥で浅く出し入れを続けられながら、俺は会長の首に腕を回して必死にしがみつく。強い快楽に逃げたい気持ちはあったが、少しでも気を抜いたら崩れてしまいそうで離れられない。

「ン゛ぁ、~っ、!…は、…っあ゛ァ…っ」

暫く律動していると、中に熱いものが注がれて会長が達したのだと分かった。
少し息を整えながら余韻に浸り、やっと落ち着いてきた身体を離そうと回していた腕を解きかけた瞬間、身体が宙に浮いて中に入っていたものが自分の体重で更に奥へと入り込む。

「ぁ゛、ま…、すとっ、ぷ…っ、ぁ…゛っ、!」
「…流石に重いな…」
「あ゛っ、ん゛ぅ…っ、!は…ぁ゛…!や、ら、…っ、も…~~…っ、!」

そのまま身体を揺すられて冷めかけていた快感がまた一気に襲ってきた。イキっぱなしの状態が辛かったが、今はただ床に落とされないように腕を首に回す他ない。

「しのぐ、さ…っ、も、つら…い゛…っ」
「もう1回イったらベッドに移動してあげるから」
「そ、じゃな…く、て…っ、あ゛っ、…!」  

先程走ったせいもあって疲労が溜まった身体は早くも意識を飛ばしてしまいそうだった。このペースでイっていると余計にやばい。そう思っていてもいつもより密着した体勢で会長のお腹に性器が擦れ、簡単に達してしまう。

その状態でまた中に精液を注がれ、性器がようやく抜かれた。力が一気に抜けて、ズルズルと床にへばり込む前に会長が身体を支えてくれたと同時に首筋に痛みが走る。

「い゛っ……!」
「まだ意識飛ばさないでよ」
「…鬼……」

噛まれたのだとすぐに気付いたが、抵抗する元気もない。痛みのおかげで一気に目が覚める。噛んだ箇所を優しく舌でなぞられてからは抱えられるままベッドに移動した。

「ん゛っ…ふ、……ぅ、」

それからも何度も同じ行為を繰り返し、途中からはイかないように程よい力加減で責めれる。

射精寸前で止められているお陰で意識が遠のいたのは数時間後だった。
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