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August
03
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「指突っ込まれても全然気持ち良くないわ、痛いわでかなりキツくて。そんな苦痛な思いするセックスって意味ないじゃん」
「…みんな最初はそんなもんなんじゃないですか」
男としたことないから知らんけど。
お尻の穴弄られて初っ端から気持ちいい方が問題だろう。普通は根気強く開発されて気持ち良くなるもんじゃないのか。
「素質もあるでしょ、ああいうのは」
「素質?」
「…そうだな。例えば…」
会長のたこ焼きを食べる手が止まったので、俺も思わず手を止める。
食べ物を隔てて、隣同士に座っていたのだが会長に立つように言われたので、素直に椅子から立ち上がった。
「ここ座って」
「…そこに座る意味あります?」
「いいから」
手招きされた場所は会長が座っている場所の前。
恐らく俺が座れば背後から抱えられる体制になるだろう。
正直嫌だが、会長自身はふざけている訳ではなく結構真面目な話をしているっぽいので渋々と言われた場所に座る。「手は後ろね」と腕の位置まで指定されるも今の話から一体自分が何をされるのか予想出来ない。
「基本男が後ろで感じる場所は前立腺って言うのは分かる?」
「はあ…聞いたことはあります」
「で、前立腺と繋がってるのがここ」
椅子の幅のせいか密着するように座っていた為、背後から耳元で話す会長にただでさえ落ち着かない。
なのに不意打ちでするりと優しく乳首を撫でるもんだから思わず身体が跳ねた。
「どう?」
「どう、って…」
そんなの分かるだろ。
こんな変な触り方されて身体が熱くならない方がおかしい。
服の上から乳輪をなぞる様にゆっくり動いてるのが分かって、身体の奥がゾワゾワする。自分でもやばいというのが分かった。まだ直接触られてないからいいけどもし触られたら絶対やばい。
「…っあ、」
指で引っ掻かれて思わず声が出た。
それ聞いた会長はあっさりと手を離し、身体の力が抜けた俺は思わず後ろにもたれ掛かる。
「乳首で気持ち良くなれる人は前立腺でも気持ち良くなれるらしいよ」
「…最悪…」
本当にやばかった。あと少しで完全に勃つところだった。完全に下半身が落ち着くまで深呼吸する。早くこの体勢から脱出したい。
暫くして息が整った後、立ち上がって先程の位置に移動すると「男の経験なくてもそんな風になるもんなんだ」と焼きそばを食べながら言ってきたのでキレそうになった。
「…わざと言ってます?」
「ううん。むしろ感心してる」
「それもっとタチ悪いです」
なんだこいつ。さっきから喧嘩売ってんのか。
1回くらい殴っても罪には問われないのでは?なんて物騒なことを考えながらお茶を飲んでいると会長が目の前に漫画本くらいの大きさの袋を差し出される。
「なんですかこれ」
「あげる」
持ってみると予想以上に軽く固かった。
中身を覗くとそこには先程射的屋にあった景品の俺が欲しかったゲームソフト。落ち着きかけていた頭がまた混乱し始める。
「欲しかったんじゃないの?違った?」
「え、あ、はい…欲しかった、ですけどなんで?」
ちらりと気にはしたがそこまであからさまな態度を見せた覚えはない。というか一々こんなものプレゼントしてくるようなタイプだったっけ、この人。もしかして姉貴の少女漫画読みすぎで可笑しくなったのか。
失礼なことを考えている自覚はあるが、過去の行いの経験から何か裏があるのはと勘繰ってしまう。
「視線の動きで欲しいのかなと思って。要らないなら売りに…」
「要ります!めちゃくちゃ欲しかったです!ありがとうございます!」
妙に優しく裏がありそうな会長はとりあえず置いておいて、ここは素直に喜んでおくことにした。帰ったら絶対やる。
「にしてもどうしたんですか、急に。何かいいことでもありました?」
「怒ってたから」
「……は?」
そのセリフの意味が理解できなかった。
いや。まさか。もしかして。だけど。
「…俺の機嫌とるためにこれを?」
「うん。どうやったら直るかなって考えてた」
一昨日はごめん。
そう言って謝る姿はなんというか理解が追いつかない。
今ならイケメンに優しくして貰って背景が白くなる女の子の気持ち分かる気がする。今俺の背景白いわ。
てっきり自分に被害がなければ他人なんかどうでも良いと思っているタイプの人間で。だから俺が機嫌が悪かろうが自分に大した影響ないから今回も正直なあなあで終わると思っていた。
流石になんて返せばいいのか分からず、考えている最中。
パァンと、掻き消すように大きな音と共に空が明るく輝く。
「やっと始まった」
合間なく鳴り続ける花火。
辺りが一気に明るくなったお陰で隣を覗けば整った横顔がよく見える。
「…帰ったらゲーム一緒にやりましょう」
「いいね。負けた人は罰ゲーム付きで」
「そういうってことはかなり自信あります?」
「全く。やったことないもん」
そんな会話を交わしながら花火を見終わった後。
早速家に帰ってゲームをしたのはいいのだが結果は4勝10敗。5回戦あたりにはもう会長が完全に強く、俺はこてんぱんに負けた。
「もうちょい上」
「……」
「…やっぱり力弱いな」
「文句言うならしませんよ」
罰ゲームのマッサージを30分もやらされる羽目になり、俺はもう二度とこの人とは罰ゲーム付きのゲーム対戦はしない。
そう心で誓ったのであった。
「…みんな最初はそんなもんなんじゃないですか」
男としたことないから知らんけど。
お尻の穴弄られて初っ端から気持ちいい方が問題だろう。普通は根気強く開発されて気持ち良くなるもんじゃないのか。
「素質もあるでしょ、ああいうのは」
「素質?」
「…そうだな。例えば…」
会長のたこ焼きを食べる手が止まったので、俺も思わず手を止める。
食べ物を隔てて、隣同士に座っていたのだが会長に立つように言われたので、素直に椅子から立ち上がった。
「ここ座って」
「…そこに座る意味あります?」
「いいから」
手招きされた場所は会長が座っている場所の前。
恐らく俺が座れば背後から抱えられる体制になるだろう。
正直嫌だが、会長自身はふざけている訳ではなく結構真面目な話をしているっぽいので渋々と言われた場所に座る。「手は後ろね」と腕の位置まで指定されるも今の話から一体自分が何をされるのか予想出来ない。
「基本男が後ろで感じる場所は前立腺って言うのは分かる?」
「はあ…聞いたことはあります」
「で、前立腺と繋がってるのがここ」
椅子の幅のせいか密着するように座っていた為、背後から耳元で話す会長にただでさえ落ち着かない。
なのに不意打ちでするりと優しく乳首を撫でるもんだから思わず身体が跳ねた。
「どう?」
「どう、って…」
そんなの分かるだろ。
こんな変な触り方されて身体が熱くならない方がおかしい。
服の上から乳輪をなぞる様にゆっくり動いてるのが分かって、身体の奥がゾワゾワする。自分でもやばいというのが分かった。まだ直接触られてないからいいけどもし触られたら絶対やばい。
「…っあ、」
指で引っ掻かれて思わず声が出た。
それ聞いた会長はあっさりと手を離し、身体の力が抜けた俺は思わず後ろにもたれ掛かる。
「乳首で気持ち良くなれる人は前立腺でも気持ち良くなれるらしいよ」
「…最悪…」
本当にやばかった。あと少しで完全に勃つところだった。完全に下半身が落ち着くまで深呼吸する。早くこの体勢から脱出したい。
暫くして息が整った後、立ち上がって先程の位置に移動すると「男の経験なくてもそんな風になるもんなんだ」と焼きそばを食べながら言ってきたのでキレそうになった。
「…わざと言ってます?」
「ううん。むしろ感心してる」
「それもっとタチ悪いです」
なんだこいつ。さっきから喧嘩売ってんのか。
1回くらい殴っても罪には問われないのでは?なんて物騒なことを考えながらお茶を飲んでいると会長が目の前に漫画本くらいの大きさの袋を差し出される。
「なんですかこれ」
「あげる」
持ってみると予想以上に軽く固かった。
中身を覗くとそこには先程射的屋にあった景品の俺が欲しかったゲームソフト。落ち着きかけていた頭がまた混乱し始める。
「欲しかったんじゃないの?違った?」
「え、あ、はい…欲しかった、ですけどなんで?」
ちらりと気にはしたがそこまであからさまな態度を見せた覚えはない。というか一々こんなものプレゼントしてくるようなタイプだったっけ、この人。もしかして姉貴の少女漫画読みすぎで可笑しくなったのか。
失礼なことを考えている自覚はあるが、過去の行いの経験から何か裏があるのはと勘繰ってしまう。
「視線の動きで欲しいのかなと思って。要らないなら売りに…」
「要ります!めちゃくちゃ欲しかったです!ありがとうございます!」
妙に優しく裏がありそうな会長はとりあえず置いておいて、ここは素直に喜んでおくことにした。帰ったら絶対やる。
「にしてもどうしたんですか、急に。何かいいことでもありました?」
「怒ってたから」
「……は?」
そのセリフの意味が理解できなかった。
いや。まさか。もしかして。だけど。
「…俺の機嫌とるためにこれを?」
「うん。どうやったら直るかなって考えてた」
一昨日はごめん。
そう言って謝る姿はなんというか理解が追いつかない。
今ならイケメンに優しくして貰って背景が白くなる女の子の気持ち分かる気がする。今俺の背景白いわ。
てっきり自分に被害がなければ他人なんかどうでも良いと思っているタイプの人間で。だから俺が機嫌が悪かろうが自分に大した影響ないから今回も正直なあなあで終わると思っていた。
流石になんて返せばいいのか分からず、考えている最中。
パァンと、掻き消すように大きな音と共に空が明るく輝く。
「やっと始まった」
合間なく鳴り続ける花火。
辺りが一気に明るくなったお陰で隣を覗けば整った横顔がよく見える。
「…帰ったらゲーム一緒にやりましょう」
「いいね。負けた人は罰ゲーム付きで」
「そういうってことはかなり自信あります?」
「全く。やったことないもん」
そんな会話を交わしながら花火を見終わった後。
早速家に帰ってゲームをしたのはいいのだが結果は4勝10敗。5回戦あたりにはもう会長が完全に強く、俺はこてんぱんに負けた。
「もうちょい上」
「……」
「…やっぱり力弱いな」
「文句言うならしませんよ」
罰ゲームのマッサージを30分もやらされる羽目になり、俺はもう二度とこの人とは罰ゲーム付きのゲーム対戦はしない。
そう心で誓ったのであった。
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