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第五話 墓の街 グラスタ
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「じゃあ此処で降りろ」
「すみません、ありがとうございました。えっと、お金は……」
「文無しだろ。見りゃ分かるよ。剣すらねぇんだもんよ」
「まぁないんですけどね」
「ハッ、ハハッ。文無しから金取る程鬼じゃねぇよ俺ァ。ま、頑張れや」
「ありがとうございました」
馬車から降りた僕は目の前の『墓守協会』を見上げてほぅ、と一息ついた。
勇者パーティーが探索を続ける大ダンジョン『ザルクヘイム大迷宮郡』から此処までは整備された石畳だった。あまりにも死者を乗せた馬車の行き来が多くて舗装されたのだと御者の男が話していた。
お陰様で使い回しの箱に詰められた遺体も僕もそれ程跳ねることなく墓の街『グラスタ』へとやってきた。
町と外を隔てる門も、もはや顔パスである。人気の少ない町に入ったところであまりにも多い墓地の数に驚いた。
家と家の間には必ず墓地があった。寧ろ、墓地の間に家があると言ってもいいくらいの主張の激しさだ。それがこの町では当たり前の風景なのだろう。だからこそ、此処が『墓の街』と呼ばれる所以なのだ。
それからは街並みにも慣れ、次に目を向けたのは人並みだ。
此処は異常なくらい、人が少なかった。これだけの死者が眠る町だと生者は息を潜ませなければならなくなるのだろうか。そう思える程の少なさだ。むしろ、居ない方が当たり前と言わんばかりで、馬車が軋む音と馬の蹄鉄の音以外は殆ど何も聞こえてこなかった。
そうして眺めている内に僕は目的地である『墓守協会』で降ろされた。此処から先は一人だ。此処までの道中、ザルクヘイムの事やグラスタの事を教えてくれた御者さんに感謝しながら協会の扉を開こうとしたところで人の声が聞こえてきた。どうやら向こう側から人が来るみたいだ。僕は慌てて扉から距離を置く。
程なくして扉が開いたのだが、とんでもないのが出てきた。と言うと失礼にあたるかもしれないが、僕としては随分なカルチャーショックだった。
なんと犬頭の人間が鎧を着て歩いていた。驚き、目を合わせないように視線を逸らしながらもチラチラと見てしまう。話す声は男性のものだった。
「……ゆっくりと眠らせてやろう」
「そうね……はぁ、これからどうする?」
犬の人の隣に立つ軽装の女性は腰に矢筒をさげている。よく見れば犬の人も剣と盾を背中に背負っていた。『探索者』、という単語が脳裏をよぎる。
「新しい仲間集めて潜るしかないだろ……此処まで来て諦められるか?」
「そりゃ私だって、帰るつもりはないわよ。……でも、やっぱりちょっと考えちゃうわね」
「……まぁ、何も思わないと言えば、嘘になるな……」
会話から察するに、二人の仲間とやらが亡くなったらしい。そしてそれでも何か、諦めきれない目的があるようだ。仲間が死んでも、それでも諦めきれない目的……それは一体?
「ところで……其処のお前。盗み聞きは趣味が悪いんじゃないか?」
「え? あ、いや、その……あの、ごめんなさい……!」
犬の人がジッと僕を睨む。威嚇する大型犬の何倍も怖い。秒で謝る僕が其処に居た。
「どういうつもりだ? 人死にが珍しいってか?」
「いやあの、違うんです。僕、あの……っ」
「ちょっと! 怖がってるじゃない!」
ビビり散らす僕を庇うように弓の女性が庇ってくれる。やだ……好きになりそう。
「で? 貴方、何なの?」
クルリと僕へ向き直る女性が僕を睨む。状況は一切良くなっていなかった。
「えっと。僕、此処に来たのが初めてで……」
「だろうな。そんな恰好、見たこともないぜ」
「それで?」
緊張で乾く唇を巻き込んで湿らす。何処まで喋っていい?
「此処が、どういう場所なのかなと……情報収集を」
「情報収集って……収集するような情報ないでしょ。墓の街なんかで」
そりゃそうだ。死人に口はないのだから。
「あはは……それもそうですよね、はい」
訝しむ矢筒の女性に愛想笑いで返す。いきなりダンジョンに転移してきたなんて言ってもすぐには信じてもらえないだろう。多分、あれは勇者パーティーだから気付けたんだろう。だってあの地上の大広間では誰も僕に接触しようとしなかった。異界人であれば強力なスキルを持っているのが常識らしいのに、だ。
だから此処で喋り過ぎるのは良くない。何ならよく分からない理由で捕まる可能性だって無きにしも非ずだ。誰もがフィンギーさんやミルルさんのような善人とは限らないのだから。
「お前、ちょっと怪しいな……」
「いやそんな、全然、普通です普通!」
犬の人がまた野性味を帯びた眼光で睨むので大慌てで否定する。だがこれで引き下がってくれる程簡単なら苦労はない……。
「まぁまぁ、アスラ。話したくない事、誰だってあると思うわよ。それにほら……此処がグラスタって事、忘れてない?」
「……そうだな。おい、悪かったな。初対面で突っかかったりして」
「いえ、僕も色々ありまして……でも、犯罪とかは全然、無縁の人間ですので」
ボリボリと鋭そうな爪で後頭部を掻く犬の人改め、アスラさん。良かった、話せばわかる人で。
「ねぇ、良かったら名前、教えてくれない? 多分、また会いそうな気がするの」
「そうだな。此奴の勘はよく当たるんだ」
「あ、はい! えっと……」
本名を告げるべきか……? 信頼出来る人達ではあるようだが、他がそうとは限らない。此処で名乗った名で通さなければこの二人と出会った事の辻褄が合わなくなる。
……と、其処まで考えて馬鹿らしくなった。出会った人間全て疑って生きていくつもりか? 僕みたいな人間が、そんな器用なこと、出来るはず無かった。
信じよう。これから出会う人を。裏切られたならそれで良い。悪人であるより、僕は善人でいたい。
「ナナヲ、といいます。お二人のお名前、伺ってもいいですか?」
「俺はアスラだ! 犬獣人の重戦士。まぁ、見た目通りだろ?」
「私はインテグラ。見た目通り、人間の弓術士よ。よろしくね」
毛の生えた大きな手と、白く細い手と握手を交わす。この世界で最初の友人……になったらいいな、と素直に思った。
「すみません、ありがとうございました。えっと、お金は……」
「文無しだろ。見りゃ分かるよ。剣すらねぇんだもんよ」
「まぁないんですけどね」
「ハッ、ハハッ。文無しから金取る程鬼じゃねぇよ俺ァ。ま、頑張れや」
「ありがとうございました」
馬車から降りた僕は目の前の『墓守協会』を見上げてほぅ、と一息ついた。
勇者パーティーが探索を続ける大ダンジョン『ザルクヘイム大迷宮郡』から此処までは整備された石畳だった。あまりにも死者を乗せた馬車の行き来が多くて舗装されたのだと御者の男が話していた。
お陰様で使い回しの箱に詰められた遺体も僕もそれ程跳ねることなく墓の街『グラスタ』へとやってきた。
町と外を隔てる門も、もはや顔パスである。人気の少ない町に入ったところであまりにも多い墓地の数に驚いた。
家と家の間には必ず墓地があった。寧ろ、墓地の間に家があると言ってもいいくらいの主張の激しさだ。それがこの町では当たり前の風景なのだろう。だからこそ、此処が『墓の街』と呼ばれる所以なのだ。
それからは街並みにも慣れ、次に目を向けたのは人並みだ。
此処は異常なくらい、人が少なかった。これだけの死者が眠る町だと生者は息を潜ませなければならなくなるのだろうか。そう思える程の少なさだ。むしろ、居ない方が当たり前と言わんばかりで、馬車が軋む音と馬の蹄鉄の音以外は殆ど何も聞こえてこなかった。
そうして眺めている内に僕は目的地である『墓守協会』で降ろされた。此処から先は一人だ。此処までの道中、ザルクヘイムの事やグラスタの事を教えてくれた御者さんに感謝しながら協会の扉を開こうとしたところで人の声が聞こえてきた。どうやら向こう側から人が来るみたいだ。僕は慌てて扉から距離を置く。
程なくして扉が開いたのだが、とんでもないのが出てきた。と言うと失礼にあたるかもしれないが、僕としては随分なカルチャーショックだった。
なんと犬頭の人間が鎧を着て歩いていた。驚き、目を合わせないように視線を逸らしながらもチラチラと見てしまう。話す声は男性のものだった。
「……ゆっくりと眠らせてやろう」
「そうね……はぁ、これからどうする?」
犬の人の隣に立つ軽装の女性は腰に矢筒をさげている。よく見れば犬の人も剣と盾を背中に背負っていた。『探索者』、という単語が脳裏をよぎる。
「新しい仲間集めて潜るしかないだろ……此処まで来て諦められるか?」
「そりゃ私だって、帰るつもりはないわよ。……でも、やっぱりちょっと考えちゃうわね」
「……まぁ、何も思わないと言えば、嘘になるな……」
会話から察するに、二人の仲間とやらが亡くなったらしい。そしてそれでも何か、諦めきれない目的があるようだ。仲間が死んでも、それでも諦めきれない目的……それは一体?
「ところで……其処のお前。盗み聞きは趣味が悪いんじゃないか?」
「え? あ、いや、その……あの、ごめんなさい……!」
犬の人がジッと僕を睨む。威嚇する大型犬の何倍も怖い。秒で謝る僕が其処に居た。
「どういうつもりだ? 人死にが珍しいってか?」
「いやあの、違うんです。僕、あの……っ」
「ちょっと! 怖がってるじゃない!」
ビビり散らす僕を庇うように弓の女性が庇ってくれる。やだ……好きになりそう。
「で? 貴方、何なの?」
クルリと僕へ向き直る女性が僕を睨む。状況は一切良くなっていなかった。
「えっと。僕、此処に来たのが初めてで……」
「だろうな。そんな恰好、見たこともないぜ」
「それで?」
緊張で乾く唇を巻き込んで湿らす。何処まで喋っていい?
「此処が、どういう場所なのかなと……情報収集を」
「情報収集って……収集するような情報ないでしょ。墓の街なんかで」
そりゃそうだ。死人に口はないのだから。
「あはは……それもそうですよね、はい」
訝しむ矢筒の女性に愛想笑いで返す。いきなりダンジョンに転移してきたなんて言ってもすぐには信じてもらえないだろう。多分、あれは勇者パーティーだから気付けたんだろう。だってあの地上の大広間では誰も僕に接触しようとしなかった。異界人であれば強力なスキルを持っているのが常識らしいのに、だ。
だから此処で喋り過ぎるのは良くない。何ならよく分からない理由で捕まる可能性だって無きにしも非ずだ。誰もがフィンギーさんやミルルさんのような善人とは限らないのだから。
「お前、ちょっと怪しいな……」
「いやそんな、全然、普通です普通!」
犬の人がまた野性味を帯びた眼光で睨むので大慌てで否定する。だがこれで引き下がってくれる程簡単なら苦労はない……。
「まぁまぁ、アスラ。話したくない事、誰だってあると思うわよ。それにほら……此処がグラスタって事、忘れてない?」
「……そうだな。おい、悪かったな。初対面で突っかかったりして」
「いえ、僕も色々ありまして……でも、犯罪とかは全然、無縁の人間ですので」
ボリボリと鋭そうな爪で後頭部を掻く犬の人改め、アスラさん。良かった、話せばわかる人で。
「ねぇ、良かったら名前、教えてくれない? 多分、また会いそうな気がするの」
「そうだな。此奴の勘はよく当たるんだ」
「あ、はい! えっと……」
本名を告げるべきか……? 信頼出来る人達ではあるようだが、他がそうとは限らない。此処で名乗った名で通さなければこの二人と出会った事の辻褄が合わなくなる。
……と、其処まで考えて馬鹿らしくなった。出会った人間全て疑って生きていくつもりか? 僕みたいな人間が、そんな器用なこと、出来るはず無かった。
信じよう。これから出会う人を。裏切られたならそれで良い。悪人であるより、僕は善人でいたい。
「ナナヲ、といいます。お二人のお名前、伺ってもいいですか?」
「俺はアスラだ! 犬獣人の重戦士。まぁ、見た目通りだろ?」
「私はインテグラ。見た目通り、人間の弓術士よ。よろしくね」
毛の生えた大きな手と、白く細い手と握手を交わす。この世界で最初の友人……になったらいいな、と素直に思った。
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