46 / 76
山岳都市ケインゴルスク篇
第四十六話 ドラゴンとの出会い
しおりを挟む
『昏き地底湖』というダンジョンは町の一角から入れるダンジョンだ。小屋のような場所から続く下り階段をずっと下りていくと、やがて階段はでこぼことした岩となる。階段状に削り出されたそれを更に下り、漸く道が平坦になる頃には、辺りは鍾乳洞となっていた。
断続的に響く水滴音は妙な緊張感を持たせてくれる。それ以外の音がないというのも拍車をかけてくれる。
乳白色のつららのような岩を見上げながら歩く。この石は時間を掛けて天井から伸びてくるらしい。きっと途方もない時間を掛けて伸びてきたのだろう。まぁ此処はダンジョンなのでこういう形状で生成されているだけで、実際の物とは違うと思うけど。いつかラビュリアを全部見て回ったら、外の世界に行って本物の洞窟に入ってみたいもんだ。
と、観光気分で歩いていいのはどうやら此処までらしい。
「モンスターだな」
ペタ、ペタという裸足の足音。それが複数。冒険者ならまずこんな場所で靴は脱がないだろう。
「グァ、グァ」
人間程の背丈。手には石槍。足音通りの裸足の姿のまま、服も着ずに現れたのは半水棲モンスターのサハギンだった。
「グェエ!」
人っぽい形状に押し固めたような魚の顔で俺達を見たサハギンが、首を絞められたような声で叫ぶ。その声に反応したのか、其奴の後ろからわらわらと、足音の主である魚群がやってきた。
「狭いな。どう戦うべきか」
「さっき通ってきたところが少し広かったし、其処まで退こう」
この通路で戦うのは少し不利だと判断した俺とヴィンセントは踵を返す。が、それに反して一歩前に出たのはチトセさんだった。
「チトセさ、ちょ!」
一歩踏み出た後は目にも止まらない速さで魚群に突っ込んでいった。止める間もなかった。単騎で突っ込んだチトセさんは赫炎を灯した幻陽と裂甲で魚たちをどんどん切り裂いていく。
周囲にサハギンの青っぽい血を撒き散らし、斬り飛ばされた腕や足、胴体が散乱していく様は凄惨の一言に尽きた。
やがて数分もしない内に立っているのはチトセさんだけとなった。飛び散った肉は塵となって消え、壁や床に撒かれた血は白い煙を上げて蒸発していく。返り血だらけのチトセさんは蒸発の煙を漂わせながら鞘に幻陽を仕舞い、此方へ戻ってきた。
「あー……スッキリした!」
「チトセさんだけ狡いですよ!」
「ごめんごめん!」
チトセさんがサハギンに負けるとは思っていなかった。ビックリはしたが。だが単騎で突っ込んだ時点でそれが憂さ晴らしなのはすぐに理解出来たから心配は一切していなかった。俺だって魚を木でぐちゃぐちゃにしてやりたかった。それくらい、俺達は腹を立てているのだ。
「次の群れは俺が行こう」
「いいや俺が行くね。魔剣の錆にしてくれる」
「順番ね、順番」
初心者向けのダンジョンだから出来ることだろうなと思う。上級者向けで俺が俺がなんてやってたら即死である。
そうして順番に憂さ晴らしをして、全員が落ち着きを見せたところで視界が開けた。壁の中の魔鉱石がぼんやりと光っているお陰で反射した湖面が見えた。地底湖である。
「さて、と……どうしたものかな」
「此処が行き止まりなんですかね?」
「『折り返しの道』のように道があれば分かりやすいんだがな……こうも拓けているとな」
地底湖の淵は歩く場所が続いているが、その先がどうなってるのかは此処からじゃ分からない。
と、暫く風景を眺めていると地底湖の表面にさざ波が立ち始めた。地底湖というからには当然此処は地底で、風なんて吹くはずもない。
であればその波立たせている原因は、考えるまでもない。
「何が出てくる?」
「分からん。とりあえず警戒はするべきだが……」
各々武器を手に湖面を睨み続ける。波打つ表面はやがてゆっくりと気泡を増やしていき、盛り上がり、弾けるように湖の中から首の長いモンスターが現れた。
「で、でかい……」
「あれは倒しちゃ駄目なやつだね」
「てことは、あれが竜……」
長い首をゆらりと動かし、俺達を睥睨する視線に敵意は感じられなかった。青い鱗が煌めく様子は神々しく、なるほど、信仰したがるのも分からないでもない。
「あれはウォータードラゴン。まだ大人ではないね」
「あの大きさでか?」
「うん。見て、角の先がまだ丸いでしょう?」
見上げると確かに、人間でいう耳の後ろ辺りから伸びている角の先端は少し丸まっていた。
「人間で言えば大人の一歩手前くらいだね。ウォルターと同い年くらいかも。精神的にはまだまだ子供だけれどね。好奇心が強いから出てきちゃったのかもしれないね」
「へぇ~。やぁ、驚かせてごめんよ。仲良くしようぜ」
同い年と言われて急に親近感が湧いてしまい、ついつい話し掛けてしまった。が、ウォータードラゴンはそれに応えるかのようにそっと首を折り曲げて顔を近づけてきた。
「わ、わ……」
「大丈夫だよ。言葉が分かるから」
チトセさんの言葉通り、ウォータードラゴンは俺の言葉に応えてくれたのだ。フンフンと鼻を鳴らして顔を寄せる様はもはや愛らしかった。近くで見るとクリっとした目とか長い睫毛がとても綺麗だ。
恐る恐る鼻の頭を撫でてみたが、抵抗する様子はなかった。やばい、どうしよう。とても可愛いのだが……!
「ふふ、こんなところ信徒が見たらビックリするだろうね」
「ベラトリクスの時のように連れていかれるかもな」
「やめろよ、縁起でもない」
「信徒の奴等は崇めるばかりで寄り添おうとしないからね。竜達はもしかしたら嫌ってる可能性すらあるよ」
なまじ言葉が通じるからこそ、一方的に崇め奉られるのも嫌なんだろうな。俺だったら気持ち悪くて鬱陶しいと感じる。こうして親し気に接してくれる方がよっぽど嬉しいな。
ウォータードラゴンも機嫌を良くしてくれたのか、鼻先を俺に擦り付けるようにしてくる。どんどん愛着が湧いてきてしまう。
「ははは、よしよし。そうだな、名前とかあるのかな」
鑑定の力でウォータードラゴンを見てみるが、名前のようなものは見当たらない。
「名前とか付けたら怒られちゃいますかね?」
「そんなことはないと思うけど、名前付けたってうちじゃ飼えないよ」
「場所がないからな」
「別に飼うとかそんなんじゃないですよ。友達です、友達」
同い年の友達なのだ。親しくしたいし、となれば名前は必要だ。うーん、そうだな……。
「よし、お前は今日からブルーだ。仲良くしような、ブルー」
「ウォルターのネーミングセンスにしてはまともだね」
「俺はてっきりくびなが君とか言い出すんじゃないかとひやひやしていた」
友達をそんな名前で呼びたくないわ。俺だって日々成長しているんだ。必殺技の名前も考えなければいけないし、勉強しているんだから。
ブルーは嬉しそうにキュルキュルと鳴く。鑑定の力で見ると、『ウォータードラゴン ― ブルー』という表記になっていた。どうやら受け入れてくれたらしい。
バシャバシャと腕を動かして喜んでいたブルーはそのまま反転し、俺達に背を向ける。帰る時間だろうかと首を傾げていると、ブルーは振り返って一声鳴いた。
「乗せてくれる……ってことでいいのかな?」
「そうなんじゃないか?」
「竜の背に乗れるなんて凄い経験だよ、凄いよウォルター」
キュルキュルと鳴きながら首を縦に振るブルー。これは凄い展開だ。ウォータードラゴンの背に乗って地底湖探索ができるだなんて。
早速乗ろうとしたが、靴で踏んづける訳にはいかないと靴を脱ごうとするとブルーは首を横に振った。靴のままでも良いってことか。丈夫なんだな、ドラゴンってのは。
そっと足を乗せるが、確かに硬い。だがただ単に硬いのではなく密度がある硬さに感じた。物凄く鍛えてる冒険者の肩とか、そんな感触だった。それでいて鱗の金属質な光沢もあって美しい。できれば傷付けずにいたいなと、そう思わせる荘厳さが其処にはあった。
「お、っと」
3人とも乗ったのを確認したブルーがそっと湖岸から離れて進みだした。
全員が乗ってちょうどいい広さの背中は乗り心地が良く、ブルーが気遣ってくれているお陰で船のような揺れもない。地底湖の冷えた空気が頬に当たって心地良い。端的に申し上げて、最高としか言い様がなかった。
「凄いぞ、ブルー!」
「キュルル!」
首をそっと撫でると嬉しそうに鳴いてくれる。いつまでも此処に居たいと、そう思うのは当然だろう。俺だけなはずがない。振り返るとチトセさんもヴィンセントも楽しそうに頬が緩んでいた。それを見た俺も何故か嬉しく、それと同時に妙に誇らしく感じてしまった。
「ん……湖岸の道は途中で途切れているんだな」
現在、ブルーは地底湖の真ん中を突き進んでいる。なので両側には俺達が地底湖の湖岸から続く道があったのだが、それはある程度進んだところでせり出した壁によって塞がれていた。あのままブルーに会わずに歩いていたら彼処から先は泳ぐ羽目になっていただろう。
「ブルーが居るからこそ、先に進めるダンジョンか」
「そう思うと不思議だな。竜教の奴等には絶対クリア出来ないぞ、此処」
「だね。ベラトリクスなら”竜眼”と”竜圧”で従えてそうだけれど」
あの目と威圧なら竜を従えるのも頷ける。聞けばあれも竜に変身出来る魔法、”竜魔法”の一部だそうだ。なるほど、部分的に変身しているといえば納得できる。
と、優雅な竜の旅も終わりが見えてきた。
「陸だな」
「扉が見える……あれがダンジョンボスの間だろうね」
地底湖を渡った先にあったもの。それはダンジョンボスへと続く扉だった。
断続的に響く水滴音は妙な緊張感を持たせてくれる。それ以外の音がないというのも拍車をかけてくれる。
乳白色のつららのような岩を見上げながら歩く。この石は時間を掛けて天井から伸びてくるらしい。きっと途方もない時間を掛けて伸びてきたのだろう。まぁ此処はダンジョンなのでこういう形状で生成されているだけで、実際の物とは違うと思うけど。いつかラビュリアを全部見て回ったら、外の世界に行って本物の洞窟に入ってみたいもんだ。
と、観光気分で歩いていいのはどうやら此処までらしい。
「モンスターだな」
ペタ、ペタという裸足の足音。それが複数。冒険者ならまずこんな場所で靴は脱がないだろう。
「グァ、グァ」
人間程の背丈。手には石槍。足音通りの裸足の姿のまま、服も着ずに現れたのは半水棲モンスターのサハギンだった。
「グェエ!」
人っぽい形状に押し固めたような魚の顔で俺達を見たサハギンが、首を絞められたような声で叫ぶ。その声に反応したのか、其奴の後ろからわらわらと、足音の主である魚群がやってきた。
「狭いな。どう戦うべきか」
「さっき通ってきたところが少し広かったし、其処まで退こう」
この通路で戦うのは少し不利だと判断した俺とヴィンセントは踵を返す。が、それに反して一歩前に出たのはチトセさんだった。
「チトセさ、ちょ!」
一歩踏み出た後は目にも止まらない速さで魚群に突っ込んでいった。止める間もなかった。単騎で突っ込んだチトセさんは赫炎を灯した幻陽と裂甲で魚たちをどんどん切り裂いていく。
周囲にサハギンの青っぽい血を撒き散らし、斬り飛ばされた腕や足、胴体が散乱していく様は凄惨の一言に尽きた。
やがて数分もしない内に立っているのはチトセさんだけとなった。飛び散った肉は塵となって消え、壁や床に撒かれた血は白い煙を上げて蒸発していく。返り血だらけのチトセさんは蒸発の煙を漂わせながら鞘に幻陽を仕舞い、此方へ戻ってきた。
「あー……スッキリした!」
「チトセさんだけ狡いですよ!」
「ごめんごめん!」
チトセさんがサハギンに負けるとは思っていなかった。ビックリはしたが。だが単騎で突っ込んだ時点でそれが憂さ晴らしなのはすぐに理解出来たから心配は一切していなかった。俺だって魚を木でぐちゃぐちゃにしてやりたかった。それくらい、俺達は腹を立てているのだ。
「次の群れは俺が行こう」
「いいや俺が行くね。魔剣の錆にしてくれる」
「順番ね、順番」
初心者向けのダンジョンだから出来ることだろうなと思う。上級者向けで俺が俺がなんてやってたら即死である。
そうして順番に憂さ晴らしをして、全員が落ち着きを見せたところで視界が開けた。壁の中の魔鉱石がぼんやりと光っているお陰で反射した湖面が見えた。地底湖である。
「さて、と……どうしたものかな」
「此処が行き止まりなんですかね?」
「『折り返しの道』のように道があれば分かりやすいんだがな……こうも拓けているとな」
地底湖の淵は歩く場所が続いているが、その先がどうなってるのかは此処からじゃ分からない。
と、暫く風景を眺めていると地底湖の表面にさざ波が立ち始めた。地底湖というからには当然此処は地底で、風なんて吹くはずもない。
であればその波立たせている原因は、考えるまでもない。
「何が出てくる?」
「分からん。とりあえず警戒はするべきだが……」
各々武器を手に湖面を睨み続ける。波打つ表面はやがてゆっくりと気泡を増やしていき、盛り上がり、弾けるように湖の中から首の長いモンスターが現れた。
「で、でかい……」
「あれは倒しちゃ駄目なやつだね」
「てことは、あれが竜……」
長い首をゆらりと動かし、俺達を睥睨する視線に敵意は感じられなかった。青い鱗が煌めく様子は神々しく、なるほど、信仰したがるのも分からないでもない。
「あれはウォータードラゴン。まだ大人ではないね」
「あの大きさでか?」
「うん。見て、角の先がまだ丸いでしょう?」
見上げると確かに、人間でいう耳の後ろ辺りから伸びている角の先端は少し丸まっていた。
「人間で言えば大人の一歩手前くらいだね。ウォルターと同い年くらいかも。精神的にはまだまだ子供だけれどね。好奇心が強いから出てきちゃったのかもしれないね」
「へぇ~。やぁ、驚かせてごめんよ。仲良くしようぜ」
同い年と言われて急に親近感が湧いてしまい、ついつい話し掛けてしまった。が、ウォータードラゴンはそれに応えるかのようにそっと首を折り曲げて顔を近づけてきた。
「わ、わ……」
「大丈夫だよ。言葉が分かるから」
チトセさんの言葉通り、ウォータードラゴンは俺の言葉に応えてくれたのだ。フンフンと鼻を鳴らして顔を寄せる様はもはや愛らしかった。近くで見るとクリっとした目とか長い睫毛がとても綺麗だ。
恐る恐る鼻の頭を撫でてみたが、抵抗する様子はなかった。やばい、どうしよう。とても可愛いのだが……!
「ふふ、こんなところ信徒が見たらビックリするだろうね」
「ベラトリクスの時のように連れていかれるかもな」
「やめろよ、縁起でもない」
「信徒の奴等は崇めるばかりで寄り添おうとしないからね。竜達はもしかしたら嫌ってる可能性すらあるよ」
なまじ言葉が通じるからこそ、一方的に崇め奉られるのも嫌なんだろうな。俺だったら気持ち悪くて鬱陶しいと感じる。こうして親し気に接してくれる方がよっぽど嬉しいな。
ウォータードラゴンも機嫌を良くしてくれたのか、鼻先を俺に擦り付けるようにしてくる。どんどん愛着が湧いてきてしまう。
「ははは、よしよし。そうだな、名前とかあるのかな」
鑑定の力でウォータードラゴンを見てみるが、名前のようなものは見当たらない。
「名前とか付けたら怒られちゃいますかね?」
「そんなことはないと思うけど、名前付けたってうちじゃ飼えないよ」
「場所がないからな」
「別に飼うとかそんなんじゃないですよ。友達です、友達」
同い年の友達なのだ。親しくしたいし、となれば名前は必要だ。うーん、そうだな……。
「よし、お前は今日からブルーだ。仲良くしような、ブルー」
「ウォルターのネーミングセンスにしてはまともだね」
「俺はてっきりくびなが君とか言い出すんじゃないかとひやひやしていた」
友達をそんな名前で呼びたくないわ。俺だって日々成長しているんだ。必殺技の名前も考えなければいけないし、勉強しているんだから。
ブルーは嬉しそうにキュルキュルと鳴く。鑑定の力で見ると、『ウォータードラゴン ― ブルー』という表記になっていた。どうやら受け入れてくれたらしい。
バシャバシャと腕を動かして喜んでいたブルーはそのまま反転し、俺達に背を向ける。帰る時間だろうかと首を傾げていると、ブルーは振り返って一声鳴いた。
「乗せてくれる……ってことでいいのかな?」
「そうなんじゃないか?」
「竜の背に乗れるなんて凄い経験だよ、凄いよウォルター」
キュルキュルと鳴きながら首を縦に振るブルー。これは凄い展開だ。ウォータードラゴンの背に乗って地底湖探索ができるだなんて。
早速乗ろうとしたが、靴で踏んづける訳にはいかないと靴を脱ごうとするとブルーは首を横に振った。靴のままでも良いってことか。丈夫なんだな、ドラゴンってのは。
そっと足を乗せるが、確かに硬い。だがただ単に硬いのではなく密度がある硬さに感じた。物凄く鍛えてる冒険者の肩とか、そんな感触だった。それでいて鱗の金属質な光沢もあって美しい。できれば傷付けずにいたいなと、そう思わせる荘厳さが其処にはあった。
「お、っと」
3人とも乗ったのを確認したブルーがそっと湖岸から離れて進みだした。
全員が乗ってちょうどいい広さの背中は乗り心地が良く、ブルーが気遣ってくれているお陰で船のような揺れもない。地底湖の冷えた空気が頬に当たって心地良い。端的に申し上げて、最高としか言い様がなかった。
「凄いぞ、ブルー!」
「キュルル!」
首をそっと撫でると嬉しそうに鳴いてくれる。いつまでも此処に居たいと、そう思うのは当然だろう。俺だけなはずがない。振り返るとチトセさんもヴィンセントも楽しそうに頬が緩んでいた。それを見た俺も何故か嬉しく、それと同時に妙に誇らしく感じてしまった。
「ん……湖岸の道は途中で途切れているんだな」
現在、ブルーは地底湖の真ん中を突き進んでいる。なので両側には俺達が地底湖の湖岸から続く道があったのだが、それはある程度進んだところでせり出した壁によって塞がれていた。あのままブルーに会わずに歩いていたら彼処から先は泳ぐ羽目になっていただろう。
「ブルーが居るからこそ、先に進めるダンジョンか」
「そう思うと不思議だな。竜教の奴等には絶対クリア出来ないぞ、此処」
「だね。ベラトリクスなら”竜眼”と”竜圧”で従えてそうだけれど」
あの目と威圧なら竜を従えるのも頷ける。聞けばあれも竜に変身出来る魔法、”竜魔法”の一部だそうだ。なるほど、部分的に変身しているといえば納得できる。
と、優雅な竜の旅も終わりが見えてきた。
「陸だな」
「扉が見える……あれがダンジョンボスの間だろうね」
地底湖を渡った先にあったもの。それはダンジョンボスへと続く扉だった。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
高難易度ダンジョン配信中に寝落ちしたらリスナーに転移罠踏まされた ~最深部からお送りする脱出系ストリーマー、死ぬ気で24時間配信中~
紙風船
ファンタジー
入るたびに構造が変わるローグライクダンジョン。その中でもトップクラスに難易度の高いダンジョン”禍津世界樹の洞”へとやってきた僕、月ヶ瀬将三郎はダンジョンを攻略する様を配信していた。
何でも、ダンジョン配信は儲かると聞いたので酔った勢いで突発的に始めたものの、ちょっと休憩してたら寝落ちしてしまったようで、気付けば配信を見ていたリスナーに居場所を特定されて悪戯で転移罠に放り込まれてしまった!
ばっちり配信に映っていたみたいで、僕の危機的状況を面白半分で視聴する奴の所為でどんどん配信が広まってしまう。サブスクも増えていくが、此処で死んだら意味ないじゃないか!
僕ァ戻って絶対にこのお金で楽な生活をするんだ……死ぬ気で戻ってやる!!!!
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様でも投稿しています。
ボッチな俺は自宅に出来たダンジョン攻略に励む
佐原
ファンタジー
ボッチの高校生佐藤颯太は庭の草刈りをしようと思い、倉庫に鎌を取りに行くと倉庫は洞窟みたいなっていた。
その洞窟にはファンタジーのようなゴブリンやスライムが居て主人公は自身が強くなって行くことでボッチを卒業する日が来る?
それから世界中でダンジョンが出現し主人公を取り巻く環境も変わっていく。
異世界帰りの勇者は現代社会に戦いを挑む
大沢 雅紀
ファンタジー
ブラック企業に勤めている山田太郎は、自らの境遇に腐ることなく働いて金をためていた。しかし、やっと挙げた結婚式で裏切られてしまう。失意の太郎だったが、異世界に勇者として召喚されてしまった。
一年後、魔王を倒した太郎は、異世界で身に着けた力とアイテムをもって帰還する。そして自らを嵌めたクラスメイトと、彼らを育んた日本に対して戦いを挑むのだった。
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
最弱ユニークギフト所持者の僕が最強のダンジョン探索者になるまでのお話
亘善
ファンタジー
【点滴穿石】という四字熟語ユニークギフト持ちの龍泉麟瞳は、Aランクダンジョンの攻略を失敗した後にパーティを追放されてしまう。地元の岡山に戻った麟瞳は新たに【幸運】のスキルを得て、家族や周りの人達に支えられながら少しずつ成長していく。夢はSランク探索者になること。これは、夢を叶えるために日々努力を続ける龍泉麟瞳のお話である。
やがて神Sランクとなる無能召喚士の黙示録~追放された僕は唯一無二の最強スキルを覚醒。つきましては、反撃ついでに世界も救えたらいいなと~
きょろ
ファンタジー
♢簡単あらすじ
追放された召喚士が唯一無二の最強スキルでざまぁ、無双、青春、成り上がりをして全てを手に入れる物語。
♢長めあらすじ
100年前、突如出現した“ダンジョンとアーティファクト”によってこの世界は一変する。
ダンジョンはモンスターが溢れ返る危険な場所であると同時に、人々は天まで聳えるダンジョンへの探求心とダンジョンで得られる装備…アーティファクトに未知なる夢を見たのだ。
ダンジョン攻略は何時しか人々の当たり前となり、更にそれを生業とする「ハンター」という職業が誕生した。
主人公のアーサーもそんなハンターに憧れる少年。
しかし彼が授かった『召喚士』スキルは最弱のスライムすら召喚出来ない無能スキル。そしてそのスキルのせいで彼はギルドを追放された。
しかし。その無能スキルは無能スキルではない。
それは誰も知る事のない、アーサーだけが世界で唯一“アーティファクトを召喚出来る”という最強の召喚スキルであった。
ここから覚醒したアーサーの無双反撃が始まる――。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
追放された美少女を助けた底辺おっさんが、実は元”特級冒険者”だった件について。
いちまる
ファンタジー
【毎週木曜日更新!】
採取クエストしか受けない地味なおっさん冒険者、ダンテ。
ある日彼は、ひょんなことからA級冒険者のパーティーを追放された猫耳族の少女、セレナとリンの面倒を見る羽目になってしまう。
最初は乗り気でなかったダンテだが、ふたりの夢を聞き、彼女達の力になると決意した。
――そして、『特級冒険者』としての実力を隠すのをやめた。
おっさんの正体は戦闘と殺戮のプロ!
しかも猫耳少女達も実は才能の塊だった!?
モンスターと悪党を物理でぶちのめす、王道冒険譚が始まる――!
※本作はカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる