【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

終焉と龍

???と???

前回のあらすじ

 食えないほどではないが、くっそ甘ったるいケーキをワンホールとか地獄かな？




※三人称です。

 光り輝く遠い地にで、報告を待つものたちがいる。

 彼らは静かにその時を待つ。

 誰一人として声は発さない。

 女神の管理下から外れは古き遺物たちは、未だに己が神の使徒だと思っている。

 なればこそ、この世界を脅かす脅威は取り除かなければならなかった。

 長い時を経て扉は開かれ、報告が入る。

｢報告!!死神ドッペルゲンガーは対象の暗殺に失敗!!繰り返します!!暗殺は失敗しました!!｣

 上げられた報告に、皆目を見開く。

 今まで全ての暗殺を遂行してきたあの死神ドッペルゲンガーが、負けたのだ。

 確実に勝てると思っていたもの達は、危機感を抱く。

｢よもや、あの死神が暗殺をしくじるとは.......｣

｢タイマンならば、死神に勝てる者などおらぬと思ったのだがな.......｣

｢複数人で死神を殺したのか？｣

｢否。そのような事はあるまい。奴は必ず1体1の状況を作り出してから戦うのだ｣

 ざわめきは次第に大きくなり、各々が思い思いの言葉を口にする。

 彼らは世界の管理者だ。

 前任者である神の使いであり、現在の女神は管理を怠っている。

 しかし、女神に罰は下せない。

 それがルールだからだ。

 ならば、その管理を怠ったが故の産物に天罰を加えるのが彼らの使命。

 にもかかわらず、依頼をした暗殺者は返り討ち。

｢仕方ない。我らが動くとしよう｣

 暗殺が無理であれば、正面から数で押す。

 強いと自負しているからこその戦法だ。

｢最初から奴を狙うのではなく、回りを狙おう。戦力は少しづつ削ぎ落とすものだ｣

｢皆で行くのですか？｣

｢流石に全員は多すぎる。中位三天使達が先方として行け。我らはその経過を見るとしよう｣

｢ハッ。輪廻の中を逆走する者共を、正しき流れに変えてみせましょう｣

｢期待しているぞ｣

 三体の天使は地へと降りる。

 この天使達が起こした行動により、後に神々の中で言い伝えられる神をも穿つもの達の終焉。

『龍ウロボロスの終焉ラグナロク』が幕を開けた。

 動き出した歯車は、既に止めることは出来ない。

 賽は投げられた。