【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

獣王国サベレズと武道大会

ノアとアヴェ(本戦)⑤

前回のあらすじ

 アヴェが女神召喚してきたんだけど、これはヤバすぎる。



｢罪深き人の子よ、ここに復讐の証を｣

 殺人の復讐神ティーシポネーがそう言うと、私の体が一気に重たくなる。

 これは重力魔術か？いや、これはデバフか!!ともかく、今使える手札で何とかしなければ。

 私は周りに被害を出さない程度で、使えるか魔法の詠唱をする。

 この魔法は少しだけ詠唱が必要だ。

｢時の旅人よ。輪廻に帰りてその時を進め輪廻の時ゼーレヴァンデルング｣

 この魔法は何度も同じ時を回り、それ以外の干渉は付けつけないものだ。

 これにより、状態異常などのデバフを完全に遮断できる。

 耐性をすり抜けてくるデバフは少ないが、無くはない。

 今回はすり抜けてくるデバフを掛けられた訳だな。

 デバフは解除出来たが、一息ついている暇はない。

 次に行動をしてきたのはメネシスだ。

 太陽と見間違える程の強大な日の塊が、私の目の前にまで迫ってきている。

 と言うか、これ消さないと会場吹っ飛ぶよね？

｢太陽ゾネ｣

｢凍れアイス｣

 放たれた太陽を私は、強引に凍らせる。

 燃えているのに、凍っていると言う矛盾抱えた太陽の出来上がりだ。

 このまま放っておけば、いづれ凍りつくだろう。

 次に行動を起こしたのは、アレークトーとメガイラだ。

｢聖典の教示ラ・サント・ビーブル｣

｢偽りの神罰リューゲ・パニッシュメント｣

 二体の女神から放たれたのは、精神攻撃と神罰の剣による攻撃だ。

 精神攻撃は一切無効化できているので問題ないが、神罰の剣の方が捌ききれない。

 剣の雨が降ってくるのだ。

 と言うか、神罰って女神メネシスの方では？と思ったが、偽りだからいいのかと勝手に自分を納得させる。

 こんなこと考えれるあたり、まだ余裕があるな。

 アヴェはまだ動いていないから、対応が間に合っているが、動き出されたら不味い。

 それまでに何とか女神の数を減らしたい。

 私はアイテムボックスから『終焉刀 菊一文字継千』を取り出すと、能力を発動させる。

｢花よ開け。一刀万華｣

 菊一文字継千の模刀が万刀出現し、それを操って神罰の剣をたたき落とす。

 なんか絵面だけ見たら、某慢心王と体が剣で出来ている人の戦いだな。

 もしかしてあれか？あれを言うチャンスなのか?!

 なんかちょっと違うするけど、言わせてもらうとしよう。

｢行くぞ女神メガイラ。剣の貯蔵は十分か｣