【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

獣王国サベレズと武道大会

出発と森

前回のあらすじ

 私の勝ちぃ!!



 それから1ヶ月間、本戦出場が決まった私達は自己鍛錬に時間を費やした。

 私もかなり真面目に鍛錬した。

 久々にあそこまで自分を追い込んだので、ステータスがかなり上がっている。

 ぶっちゃけアヴェ以外はまともに戦えるとは思っていないので、アヴェとの勝負だけが楽しみになっている。

 ........いや、マーリンとかリリーとかは自分のステータスを上げる魔術を開発してるかもしれないな。

 国王であるユリウスくんが、家を訪ねてくる事もあったが特に対したようでは無いので省略だ。

 あ、盗賊崩れの村人達が言っていた糞貴族は、多数の証拠を抑えられて牢にぶち込まれたらしい。

 これで少しは、アルカンの風通しは良くなっただろう。

｢忘れ物ないか確認してー｣

 そして今は、獣王国に出発する前の最終確認の最中だ。

 まぁ、忘れ物したとしても転移で何とかなるのだが、アレだ、気分的はやった方がいいのだ、うん。

｢問題ありません｣

｢大丈夫だよ～｣

｢私も大丈夫です｣

｢私も大丈夫よ。副ギルドマスターに仕事を押し付けてきたから｣

｢問題ありませんよ!!......ところでノアさん抱きついていいですか？｣

｢私も大丈夫です。メイド達にもしっかりと指示を出してきました｣

｢大丈夫です。fifth部隊に後は任せたので｣

 うむ、全員問題内容だ。

 今回行くのは、本戦出場の5人に加えてセバスチャンとクリスさんとシルクさんの8人。

 中々の大所帯である。

 私は、抱きつこうとするシルクさんをひょいひょい躱しながらインに転移の準備をお願いする。

(わかってますぞ!!それではレッツラゴー)

 一瞬で景色が切り替わり、家の庭から城壁の見える森の中に転移する。

｢なんか森多くね？｣

 転移する度、こんなに都合よく森があるものなのか？

(しょうがないのですぞ!!この世界、基本的に平原が少ないのですぞ!!自分たちで切り開くのがほとんどで、切り開いても2～3キロ圏内が限界ですからな!!)

 なるほど、前の世界と同じように考えてもしょうがないな。

 森を出で街道を歩きながら、クリスさんにどんな国なのかを聞く。

｢獣王国は実力主義の国よ。強ければそれでよしって感じね。流石に犯罪行為はしょっぴかれるけど、基本的に強い人って自分がどこで力を振るえばいいのかわかってる人達が多いから、犯罪を犯すのは雑魚ばかりよ。後、私の知り合いの奴がいるわね｣

｢どんな人なの？｣

｢あー..........会えばわかるわ｣

 うっわぁ.....クリスさんが言葉を濁すって嫌な予感しかしないんだが.......