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獣王国サベレズと武道大会

アヴェと模擬戦(ガチ)②

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前回のあらすじ

 新しい魔術を作ろう!!



「こういうのは、どうですか?」

 そう言ってアヴェは、魔法陣を描き始める。

 ほう、ほうほう!!凄いじゃないかアヴェ!!これなら確かに、デメリットがメリットになるだろう。

「なるほど、自分が動かい限り、相手も動けない魔術か。よく考えたなアヴェ」

 私は、アヴェの頭をぐしぐしと撫でてやる。

「♪」

 アヴェは気持ちよさそうに目を細めると、もっと撫でろと言わんばかりに頭を押し付けてくる。

 あのアヴェ号泣事件以来、こうやって甘えてくることが多くなった。

 ただ、アヴェって狼だよね?喉をゴロゴロ言わせてるけど.......それ猫じゃね?

「1回試してみよっか」

「はい」

 アヴェはいまさっき作った魔術を、私に向かって発動する。

 おぉ、確かに動けないが、魔法や魔術は打てるな。

「アヴェ、動けないけど魔法関連が発動できる。これについても対策がいるな」

 アヴェの考えた、動かないと相手も動けないというのをちょっと応用して、こういうのはどうだろうか。

「自分が動かない限り、魔法魔術を完全に防ぐ魔術ですか.....」

「そうだ。これなら足止めをした後に、魔法を食らうこともないだろ?安心して詠唱出来るわけだ」

 物理攻撃はそもそも近づかなければ出来ないし、動きを止めてしまえばまず間違いなく詠唱できるはずだ。

「確かにそうですね。流石ご主人様です」

「うんうん。感謝するといい。それで1番重要なのはここからだ」

 アヴェは少し考えた後、納得いった顔で答える。

「名前、ですね?」

「そう!!名前だ!!正確には技名だ!!これは重要だぞ!!特に魔術は、魔法陣を展開出来れば発動できるが、技名を決めておいた方が反射的に魔法陣を展開できる!!決してカッコイイからだけの理由じゃないぞ!!後、ダサい技名はダメだぞ」

 その後、アヴェと技名を考え、動かない限り相手も動けない魔術を『強制停止ステイ』、動かない限り魔法魔術を一定範囲無効化する魔術を『魔法遮断聖域マジックサンクチュアリ』と名付けた。

 少し安直な気もするが、まぁいいだろう。

「さて、それじゃ模擬戦と行こうか」

 今作ったばかりの魔術の試運転と、アヴェのステータス慣れの為模擬戦の準備をする。

 と言っても、お互いに30m程離れるだけだが。

「よろしくお願いします。ご主人様」

「ん、よろしくね」

 さて、今回は楽しくなってるのが顔に出ないようにしなければ........

 またアヴェに泣かれるのは、流石に精神的に来るものがあるからな。
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