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獣王国サベレズと武道大会

予選と借り③

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前回のあらすじ

 マーリンが必死だ......



 私はある場所に来ていた。

 その場所は.....

「で?俺にどうしろと?」

 しかめっ面のユリウス君が、頭を抱えながら質問をする。

 そう、ここは国王の執務室。

 この国で一番偉い人のところに来た訳だ。

 まぁ、よくよく考えたら世界的大会に口を挟めるのは、かなり偉い人じゃないと無理だしね。

「その3枠を5枠にしてくれ。確か武道大会の本戦はなるべく同じ国と当たらないようにするんだろ?本戦出場した5人、が1位から5位まで独占してやるから何とかしてくれ」

「んな無茶な事を......」

 渋る国王に私は最強の一手を打つ。

「借りは?」

「........」

「借りがあったよね?それをここで使うからよろしくね」

 国王の顔が3割増で渋くなる。

 いくら国王とは言え、を増やすのは容易ではないはずだ。

 第二時勇者戦争の時よりも下手したら大変かもしれない。

 それでも国を守ってもらった代償と思えば、安いのかもしれないが、それとこれとでは話は別だろう。

「.....何とかしてやるが、期待はするな。俺とてお前達が、アルカン代表として暴れてくれれば他国への牽制になる.....本当に勝てるんだろうな?」

「大丈夫大丈夫。神ですら私には勝てないよ」

「はぁ、タダより安いものは無いとは言ったものだ」

 その言葉そっちの世界でもあるんだ。

 ここで私はお暇しようかと思ったのだが、ある事を思い出した。

「あ、そうそうもう1つあってね」

「.....なんだ?」

 また無茶なお願いをされると思ったのだろう。

 国王の顔が疲れきっている。

 私は亜空間からとある書類を取り出す。

「はい、これ」

「なんだこれは」

 そう言いながら受けとった国王は資料を見ていると、段々顔つきが険しくなっていく。

「これは本当か?」

 その資料に書いてあったのは、とある貴族の悪事についてだ。

 税の横領、重課税、人身売買、人攫いetc.....誰がどう聞いても悪徳貴族だ。

 エルフの国に行く途中にであった盗賊の人達から聞いた話を元に、fifth部隊に調べさせたのだ。

 そしたら悪事が出るわ出るわ。

 役満通り越して三倍役満ぐらい真っ黒の豚貴族だった。

 近いうちに報告しようと思ったが、ちょうど良かった。

「私は本当だと思うけどね。自分でしっかり裏は取っときな。割と直ぐに取れると思うけど」

 実はfifth部隊が忍び込んだ際に、証拠などをわかりやすい場所に移動させてある。

 少し調べれば、簡単に裏が取れるはずだ。

「.....この情報に関しては感謝する」

「うんうん。感謝してるなら武道大会の件、よろしくね」

 国王は深くため息をつき

「善処する」

とだけ答えた。
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