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獣王国サベレズと武道大会

予選と借り②

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前回のあらすじ

 異世界の定番イベント!!武道大会!!



 私は皆を集めると、武道大会が開かれることを説明する。

「........という訳で、出たい人!!」

 シュバッ!!と手を挙げたのは合計8人。

 アヴェ、リリー、マーリン、そしてfifthの面々だ。

「ん?お前らも出たいの?」

 私はfifth oneに話しかける。

「はい。我々fifthが、どの程度の強さにいるのかの確認になるかと思いまして.....」

 なるほど、確かにfifth部隊は戦闘特化の集団だが、今まで手合わせしたのは身内だけ。

 確かにこれだと、この世界における強さの立ち位置が分からないだろう。

「分かった。けど出るのは1人ね。全員出たら本戦出場枠がfifth部隊で埋まっちゃう」

 もちろん私を除いた2枠だけど。

「かしこまりました。我々は今から少し、予選の予選をしてきます」

 そう言ってfifth部隊はどっかへ行ってしまった。

「んで?マーリンも出たいの?」

 マーリンはこういうの興味無いと思っていたのだけれど。

「そりゃもう出たくてたまらないよ!!ねぇねぇクリスさん、もちろん魔術を使ってもOKだよね?!」

「え、ええ。武道と言っても、魔法もありの大会だから大丈夫のはずよ」

「よし、出る!!絶対出る!!」

 ここまで気合いの入ったマーリンは珍しい。

 余程なにかあるのだろうか。

「どうしてそんなにやる気なんだ?」

「決まってるじゃないか!!エルフの国に行かなかったから私の存在感ないじゃん!!絶対忘れられてるよ!!」

 誰にだよ。

「まぁ、やる気があるならいいか.....でも本戦出場枠3つしかないぞ?」

「.......5枠ぐらいにできない?私のアヴェちゃんとかに勝てる気がしないんだけど....このままだと最初だけイキって、結局物語中盤で死ぬ雑魚キャラになっちゃう!!」

 お、おう。すごく必死なのはよくわかった。

 マーリンには世話になってるし、何とかしてやりたい。

 ........3枠を5枠にか。何とかなるのかもしれないな。

「分かった。マーリン。何とか5枠に増やしてみよう」

「ホント!!」

 目をキラキラと輝かせる。

 よっぽど本戦に出たいんだな。

「ただ、期待はするなよ?確率としては半々ぐらいなんだからな?」

「それでもいいよ!!お願いね!!ノアさん!!」

 マーリンの期待が眩しい。

 これでダメだったら、ものすごく落ち込むんだろうなと思いながら、私は家を出ていき、ある場所を目指すのだった。

 借りを返して貰いに行こうかね。
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