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獣王国サベレズと武道大会

予選と借り①

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前回のあらすじ

 黒寄りののグレーって黒じゃね?



 その後、1回だけの模擬戦だけでは物足りなかった私達は何度も模擬戦をした。

 2人とも初見殺しの魔術だったが、慣れてしまえば対処は簡単だ。

 まだ切り札的な何かを切っていないっぽいけど.....

「あ、いたいた。ノア、ちょっといい?」

 休憩中にクリスさんが話しかけてくる。

「どうしたの?」

「今度獣王国で武道大会があるのよ。その予選が2週間後にアルカンで開かれるの。参加する?するならギルドマスターの推薦枠に入れといてあげるわよ」

 おお!!武道大会!!コレぞ異世界定番のイベント!!是非とも参加したい。

「参加する!!絶対!!」

「わ、分かったわ。アヴェとリリーも参加する?本戦出場枠は3名だから多分出場できるわよ?」

 想像以上に私の食い付きが良かったのか、若干引きつつ、アヴェとリリーにも参加するかどうかを聞く。

「私は参加します。......よろしいですよね?」

「私もご主人様が許可なさるなら.....参加したいです」

 どうやら私の許可待ちみたいだ。

「いいぞ....クリスさん。一般の参加枠は自由なの?」

「自由ね」

「それじゃ、みんなにも声をかけてみようか。せっかくの祭り事だし、楽しまないとね」

 ......そう言えばエルフの国のギルドマスターはって言ってたのに、クリスさんはって言ってるな。

 どっちが正しいんだ?

「ねぇクリスさん。エルフのギルドマスターは獣人国って言ってたのに、クリスさんは獣王国って言ってるよね。なんで?」

「別に特に何かある訳では無いわ。人によって呼び方が違うだけなのよ。正式には獣王国だけど、獣人が多く住んでいる国なんてひとつしかないし、獣人がって言っても通じるのよ」

「獣王国で獣人国って言っても失礼に当たらないの?」

「獣王国の人達も、人によっては獣人国って呼ぶ人もいるわよ?失礼に当たるわけがないわ」

 割と適当な国だな。

「アヴェの故郷は獣王国だったっけ?」

 インに小声で聞くと、インは体をぷるんと震わせる。

(そうですぞ。生き残りはいないはずですが、村を出た黒狼族似合う可能性はありますな)

 うーむ、もしかしたら一波乱あるかもしれないと言うわけか......

「イン、いつくか調べておいてくれ」

(アヴェ殿に恨みを抱く様な輩のピックアップと、獣王国の不穏分子などですかな?)

 話が早い、我が眷属は相変わらず優秀のようだ。

「頼んだよ、流石にクリスさん達に黒狼村を消したのをバレるのは不味いと思うしな」

(証拠ないので、バレないとおもいますがな)

 .......それもそうか。
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