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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

暴風龍テンペストとセバスチャン①

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前回のあらすじ

 クリスさんのパーティーってかなりやらかしてるんだな.....あっ、私もか。



「それじゃ、また来るわね」

 昔話に花を咲かせていたクリスさんとカナンさんだったが日が暮れると、流石に宿に戻ることになった。

 私としては結構楽しい話を聞けたので満足だったが、リリーやアヴェは退屈そうだったのでこれ以上話しているなら寝ていただろう。

 二人ともまだまだ子供だしな。

 私も子供だけど。

 その後、宿に戻り料理を食べて寝た。

 翌日からは世界樹以外の観光地とお土産屋を見て周り、良さそうなものがあれば買っていった。

 エルフの歴史を劇で表した舞台があったのだが、インが

(結構美化されてますな。まず最初のエルフの勇者は──────)

 とエルフの国で仕入れた情報との誤差を嬉嬉として語っていた。

 まぁ、私としては割とどうでもよかったので聞き流していたが。

 そして暴風龍テンペストに関しては封印では無く、撃退した事になっていた。

 名前も悪しき龍としか言われておらず、殆どのエルフ達は話を盛り上げるための創作だと思っているらしい。

 インが持ってきた情報だから多分正確なのだろう。

 こうして2週間が過ぎた。

「お世話になりました」

「いーのよいーのよ!!また遊びに来てちょうだい!!ノアちゃん達だけでも来てくれていいからね!!」

 今日はアルカンに戻る日だ。

 2週間、お世話になったクランさん達にお礼を言う。

 一応エレナさん達が私達の宿代を払ってくれていたが、タダでずっと泊まっているのは気が引けるので観光がある程度終わった後は宿の手伝いをしていた。

 元々私の世話をしているアヴェやリリー、セバスチャンはお手の物だし、シルクさんもギルド職員の為慣れている。

 私もそれなりに家事は出来るので手伝いはできるのだが、クリスさんだけは何やってもダメだった。

 強いていえば会計ができるだけで、料理、洗濯、皿洗い、何をやらしても何かしらの問題を起こしていた。

 よくギルドマスターなんて重要な職業をこなしているよなこの人。

 どうやって仕事を捌いているのかものすごく気になったが、めちゃくちゃ落ち込んでいたので聞くに聞けなかった。

 クランさん達に別れを告げて馬車に乗り込む、帰りは転移して帰るつもりだったのだが、多数決でのんびり帰ることになった。

 馬車で帰るの退屈なんだよなぁ.....

 行きとは違う道で帰るのそうなので、盗賊たちとは会わないそうだ。

 私はユニを呼び出すとそのまま出発する。

 帰りはリリー、クリスさん、シルクさんはエレナさんの馬車で、私とアヴェ、インとセバスチャンがユニの引く馬車に乗っている。

「.....あっ、そういえば結局暴風龍テンペストは復活しなかったな」

 このセリフを言ってる途中でやべぇとは思ったが、大丈夫でしょとタカをくくったのがダメだった。

 ドゴーン!!と大きい音がして世界樹に割れ目ができ、一体の龍が出てくる。


                       知       っ        て       た
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