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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

世界樹と観光⑤

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 前回のあらすじ

 フラグはへし折ってなんぼって言うけど割と回収されがち。



 封印の事は一旦ほっといて、世界樹観光を楽しむ。

 流石世界樹と言われるだけあって多くの精霊がいる。

 私が契約している精霊達とは違い下位の精霊達だ。

 私の契約している精霊達は別の世界から連れてきた精霊だから、下位とか上位とかないんだけどね。

 あくまで力関係の問題だ。

「ちょっと鬱陶しいな」

 精霊は全員見ることが出来る。

 適正が無いと本来は精霊を見ることができない。

 精霊を見ることが出来る私達が珍しいのか、多くの精霊が私達の周りに集まっている。

 見えないならなんも思わないが、さすがに見えてると目の前をフラフラ飛ばれて邪魔だ。

 人型の姿をしている精霊もいるが、他にも木の葉っぱだったりイルカだったり、色々な姿をした精霊がいる。

「消しますか?」

 袖に仕込んである『完全不可視の殺短剣アサシネイトダガー』を取り出すアヴェ。

 最近なんでも排除しようとするよなこの子。

 まぁ、世話になった騎士をいきなり殺したの時みたいに勝手に殺したりはしないようになっただけ成長したのか?

 それを成長と言っていいのか?

 そんな事を思いながらアヴェのおでこにデコピンをする。

「馬鹿言え。そんな事したらこの世界全ての精霊を敵に回すぞ?いくら私達が強いからと言っても全ての精霊と戦うのはキツい」

 精霊は基本無害で良い奴なのだが、一旦敵と見なした者は容赦なく叩きのめす。

 しかもやり方が陰湿で、食べようとした食べ物が一瞬で腐ったり、火をつけたのに直ぐに消えたり。

 正面切って戦う分にはさほど大変ではないのだが、日常生活に支障をきたすレベルで嫌がらせをしてくる。

 名付きのドラゴンですら、精霊には手を出すことは殆どない。

 ある意味最強なのだ。

「それにちゃんと言えば言う事を聞いてくれるぞ。精霊は素直な奴が多いからな」

 偶にヤンチャな奴がいるけど。

「.......分かりました。精霊達、少し邪魔です。周りを飛ぶのは構いませんが、目の前をうろつくのは辞めなさい」

 アヴェは大人しく『完全不可視の殺短剣アサシネイトダガー』をしまうと、精霊たちに向かって命令する。

 素直な精霊達はふよふよと目の前から履けて行った。

 どうやらヤンチャな精霊はいなかったようだ。

「精霊って適正がないと見れないはずなのにねぇ.....」

 クリスさんが呆れながら自分の肩を見る。

 服の上からは見えないが、精霊を見る為に肩に魔法陣を刻んである。

 タテゥーみたいに見えてしまうとダサいので、限りなく肌の色に近づけた色で刻んである。

 これのおかげで精霊が見えないクリスさんやシルクさんは精霊を見ることができるのだ。

 ちなみにアヴェは適正があった。

 アヴェって才能の塊だよな......
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