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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

世界樹と観光③

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前回のあらすじ

 氷結魔法カッコよくない?..........カッコよくない?(2回目)



 倒れたギルドマスターは暫く起きそうに無いので、観光をする事に。

 宿に戻る前にもう一度寄ることを受付嬢さんに伝えて、ギルドを後にした。

「世界樹って言えばゲームにもあったな」

 異世界をテーマとしたゲームなだけあって、世界樹はもちろんあった。

 まぁ、ちょっとやんちゃして焼けちゃったけど。

 この世界の世界樹がどの様な物かは知らないが、ゲームの世界樹はとても近寄れるものでは無い。

 世界樹から半径500m以内にいる生命体は世界樹に吸収されるのだ。

 土から根が意思を持ったように追いかけてきて、捕まると養分(体力)を全て持っていかれる。

 世界樹って言うか食虫植物の上位互換なんじゃね?と思うほどだ。

 ここの世界樹はそうでないことを祈る。

 暫く歩くと人の列が目には入る。

 最後尾の人が看板のような物を持っており、そこに書いてあるのは『世界樹観光最後尾』

 実に分かりやすくて助かる。

 最後尾に並んでいた観光客から看板を受け取り列に並ぶ。

 すぐそこには雲よりも高い木があった。

 ただし.......

「何かいるな」

「弱いですね」

「ふむ.....さほど強くはありませんが何か居ますね」

「なんでしょうか?魔力を感じますが....」

「え?え?何かいるんですか?」

「あーいるわね。昔来た時は気づかなかったけど」

 シルクさん以外は世界樹に何かいると気付いたようだ。

 私たちから見れば強くはないが、それでもこの世界の基準だとかなり強い。

 流石に気配と魔力だけだと種族までは分からないが、世界樹に何かいることは間違いない。

(それは恐らく『暴風龍テンペスト』ですな!!)

 流石イン。

 既に情報を仕入れていたようだ。

「『暴風龍テンペスト』?」

(数千年以上前からいる龍種の1つですな。なんでもかなり昔にエルフの国で大暴れしていたそうで、世界樹に封印しているそうですぞ!!ちなみに超極秘らしく、この事を知っているのは5人しかいないそうですぞ!!)

 たった5人しか知らないことを、よくもまぁこの短時間で確実な情報として持ってきたな。

 いつも思うが一体どうやって情報を入手してるんだ?

「って事は龍がいるのにもかかわらず、観光地として金取ってるのか。封印が解けたらどうするんだ?」

(そんな事言われてもわたしは知らないですぞ!!この龍の情報は少なすぎて大雑把な情報しか集まらないから困っているのですぞ!!)

 いや、十分なんだけど。

 インが納得いくまで情報収集させてるから本人に任せるけどさ。

 それにしても『暴風龍テンペスト』か......

 どっかで聞いた名前だな。
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