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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

世界樹と観光②

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前回のあらすじ 

 悪ノリは大事、ただしやり過ぎは禁物。



 全員一斉に偽装を解除する。

 私達の中で1番魔力が少ないシルクさんでも5000以上はある。

 毎日コツコツ鍛錬している成果だ。

 私もこの世界に来てからかなり魔力が上がって、今では1000万を超えている。

 偽装を解除しても殆どのエルフは平然としていたが、何人かは急激に変わった空気に気づき私達を見ている。

 ただどれ程の魔力を持っているのかまでは分かっていないようだ。

 偽装を解除して30秒も経たないうちにドタバタとギルドの奥の階段から1人のエルフが降りてくる。

「ひぃ!!」

 そして私達を認識すると同時に悲鳴を上げて気絶してしまった。

 あれが多分ここのギルドマスターだろうな。

 だって受付嬢さんがギルドマスターって言いながら駆け寄ってるし。

「やり過ぎたか?」

「やり過ぎよ」

 解除した偽装を元に戻し、倒れているギルドマスターに近づくと階段の影からクリスさんが降りてくる。

 まぁ、流石にクリスさんは私達が偽装解除したのを気づくだろうな。

「全く.....急に増大する魔力があるから何かと思えばやっぱり貴方達だったのね?この馬鹿が慌てふためいて部屋を出ていくから何かと思ったわよ」

 コツンと軽く拳骨をされる。

 私ではなく、シルクさんにだ。

「いたっ。何するんですかクリスさん」

 拳骨された頭を擦りながらクリスさんを見る。

「どうせシルクが変な事言ったんでしょ?ここのギルドマスターが魔力を見れるのを知ってるのは、この中だと私と貴方だけなんだから」

(わたしも知ってましたぞ!!......大声で言うと話が拗れるので小声で言いますが)

 シルクさんとクリスさんはインが情報を集めているのは知らないからな。

「まぁまぁ、クリスさん。悪ノリした私達も悪いんだしその辺にしておいてよ」

 とりあえず頭をグリグリされているシルクさんに助け舟を出す。

「それで?この人が?」

 私は倒れているエルフの男に指をさす。

 若干のロン毛の金髪で、今はなさせなくヨダレを垂らして気絶している。

「そうよ。私が現役だった頃のパーティーメンバー、カナンよ。『氷結の賢者』って言われていたわね。もちろん『氷結魔法』を主体として戦ってたけど『水属性魔法』がLvMAXでは無くて、たまたま固有スキルで『氷結魔法』があったのよ」

 へぇ『氷結魔法』を使うのか。

「言っとくけどノアの100分の1も強くないわよ?だから絶対会話が合わないわよ」

 私が『氷結魔法』について語り合える人を見つけたと言う考えを読んだのか、補足を加える。

 ......昔から何故か『氷結魔法』って人気なくて話せる相手がいないんだよなぁ......

 カッコイイのに.....
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