71 / 285
絶対不可侵中立国アルカンと第一次勇者戦争
勇者と戦争の兆し
しおりを挟む
前回のあらすじ
ノア:え?今回私達の出番がない?
作者:そういう回なんだ察して
イン:前回のあらすじとは?(哲学)
※三人称で書いてます。時間軸は勇者召喚されてから2週間後辺りです。
「クソが!!」
ダン!!と机を乱暴に叩く。
「どう致しますか?国王」
絶対不可侵中立国アルカン国王、ユリウス。
彼は、ある一通の手紙に頭を抱えていた。
グラトニアルス王国からの手紙だ。
内容は勇者召喚をした為の金欠。
それを解消する為に、支援を要請する手紙だ。
「お前はこの手紙を読んでどう思った?」
秘書である男に聞く。
「え?そのままの意味ではないのですか?」
「んなわけないだろ。この国はどこにも干渉しない国だ。それを承知でわざわざ支援を求める手紙は書かねぇよ」
絶対不可侵中立国アルカン、200年以上どの国とも協定を結ばず、中立としての立場をとってきた国だ。
豊富な資源がアルカンにはあるため、それを狙って攻めてきた国も多々あった。
しかし全て返り討ち。
海と山に囲まれた地形は防衛に適していた。
「ではなぜ?」
答えが分からない秘書はユリウスに答えを聞く。
「勇者はこの世界の希望だ。そこに支援をしないって事は、世界の敵として捉える事ができるんだよ。余程資源が欲しいみたいだな。恐らく、『勇者を支援しないとは、お前達は魔王の手先だな?!』とか言って戦争を仕掛けてくるぞ。勇者を連れてな」
「....神託はなかったんですよね?」
「無かったな」
神託とは、正教会国にいる聖女が女神からお告げを聞くというものだ。
過去3回勇者召喚が行われた時は女神からの神託があった。
神託があった場合、どのような内容でも各国に知らせなければならない。
過去に『この国を潰せ』という神託もあったのだが、その潰される国にも神託の内容を知らせたことがある。
「勇者召喚って神託がなければやってはいけない。恐らく、正教会国も支援はしないな。だがそのほかの国は支援すると思うぞ。勇者は全員で約1100人程度、過去の勇者から見て弱いなんて事はないだろう。この国はまだしも、防衛がしにくい帝国や評議国は敵に回したくないだろうな」
「正教会国は狙われないのですか?」
「んな事知らん」
ドヤ顔で言い切る。
「えぇ....」
「だが、この国が1番最初に狙われるのは間違いない。王国に隣接してるからな」
「支援はしないのですか?」
支援をすれば攻められる事がないのなら、支援すればいい。
そう思った秘書がユリウスに質問する。
「ダメなんだよ。理由は言えないがそれをやると、どのみちこの国が終わる。あっ、これ返事の手紙。なるべく遅らせて送るぞ」
「分かりました」
部屋から出ていった秘書を見送り、ユリウスはぽつりと呟いた。
「戦争かぁ。あーめんどくせぇ。あの豚とその娘早く死ななねぇかなぁ....」
※次回はノアの視点に戻ります。
ノア:え?今回私達の出番がない?
作者:そういう回なんだ察して
イン:前回のあらすじとは?(哲学)
※三人称で書いてます。時間軸は勇者召喚されてから2週間後辺りです。
「クソが!!」
ダン!!と机を乱暴に叩く。
「どう致しますか?国王」
絶対不可侵中立国アルカン国王、ユリウス。
彼は、ある一通の手紙に頭を抱えていた。
グラトニアルス王国からの手紙だ。
内容は勇者召喚をした為の金欠。
それを解消する為に、支援を要請する手紙だ。
「お前はこの手紙を読んでどう思った?」
秘書である男に聞く。
「え?そのままの意味ではないのですか?」
「んなわけないだろ。この国はどこにも干渉しない国だ。それを承知でわざわざ支援を求める手紙は書かねぇよ」
絶対不可侵中立国アルカン、200年以上どの国とも協定を結ばず、中立としての立場をとってきた国だ。
豊富な資源がアルカンにはあるため、それを狙って攻めてきた国も多々あった。
しかし全て返り討ち。
海と山に囲まれた地形は防衛に適していた。
「ではなぜ?」
答えが分からない秘書はユリウスに答えを聞く。
「勇者はこの世界の希望だ。そこに支援をしないって事は、世界の敵として捉える事ができるんだよ。余程資源が欲しいみたいだな。恐らく、『勇者を支援しないとは、お前達は魔王の手先だな?!』とか言って戦争を仕掛けてくるぞ。勇者を連れてな」
「....神託はなかったんですよね?」
「無かったな」
神託とは、正教会国にいる聖女が女神からお告げを聞くというものだ。
過去3回勇者召喚が行われた時は女神からの神託があった。
神託があった場合、どのような内容でも各国に知らせなければならない。
過去に『この国を潰せ』という神託もあったのだが、その潰される国にも神託の内容を知らせたことがある。
「勇者召喚って神託がなければやってはいけない。恐らく、正教会国も支援はしないな。だがそのほかの国は支援すると思うぞ。勇者は全員で約1100人程度、過去の勇者から見て弱いなんて事はないだろう。この国はまだしも、防衛がしにくい帝国や評議国は敵に回したくないだろうな」
「正教会国は狙われないのですか?」
「んな事知らん」
ドヤ顔で言い切る。
「えぇ....」
「だが、この国が1番最初に狙われるのは間違いない。王国に隣接してるからな」
「支援はしないのですか?」
支援をすれば攻められる事がないのなら、支援すればいい。
そう思った秘書がユリウスに質問する。
「ダメなんだよ。理由は言えないがそれをやると、どのみちこの国が終わる。あっ、これ返事の手紙。なるべく遅らせて送るぞ」
「分かりました」
部屋から出ていった秘書を見送り、ユリウスはぽつりと呟いた。
「戦争かぁ。あーめんどくせぇ。あの豚とその娘早く死ななねぇかなぁ....」
※次回はノアの視点に戻ります。
12
お気に入りに追加
4,574
あなたにおすすめの小説
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる