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旅の始まりと初めての仲間

復讐とケジメ③

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前回のあらすじ

 まままままま、まぁ?私の計算通りだし?別にたまたまじゃないし?



(ここですぞ)

 インの分身体がいたのは、山の頂上付近の木の上だ。

 少し離れた山の麓に村らしきものが見える。

「あれの村がそうか?」

(そうですぞ。村の名前は黒狼村、なんの捻りもないクソつまらん名前ですな。1ヶ月に1度、獣人の行商人が来て取り引きをしてましたぞ。昨日まで行商人がいたのですが、もう出ていきましたぞ)

 もう、私要らなくね?

 眷属ガチで優秀やんけ。

(この村はほとんど外との交流がなく、自給自足の生活で、嗜好品などを山から狩ってきた魔物の毛皮で交換してましたな。この村では物々交換が主流でしたぞ。狩りは、朝早くに山へ行き、日が暮れる前に帰ってくる感じですな。何人かは村の外に出て行き、冒険者や料理人として街に行ってるらしいですな。それ以外の村にいる連中は、夜になれば全員いましたぞ)

 やばい、私の存在意義が無くなってきてる。

 優秀なのは助かるが、優秀すぎるのは考えものだな。

「じゃぁ、夜に殺しに行く感じか?」

 (そっちの方が確実に殺れますな。村人全員)

「イン様、村長はいるのですか?」

 アヴェが聞く。

 殺気は漏れてない。

 ちゃんと訓練の成果が出てるな。

 どんな時も、冷静に状況を判断できるようではないとあっさりと死ぬ。

 あのジジイにもよく言われたなぁ。

 アヴェは結局インのことを、「イン様」と呼ぶことになった。

 インが、(アヴェ殿頑固すぎるわ、いやマジで)とキャラ崩壊してた。

(いますぞ!!と言うかそれがメインディッシュなのですから、いない時にここには来ないですぞ!!)

 メインディッシュ(笑)

「分かりました。夜にこの村を消します」

 アヴェの目が座っている。

「ご主人様、私は少し村の偵察に行きたいと思います。イン様が見に行ってくださいましたが、自分の目で確かめたいのです」

「いいぞ、バレないようにな」

「ありがとうございます」

 アヴェはそう言って村の方へ駆け出していった。

「なぁ、イン。この村で1番強いやつのステータスはどのぐらいだ?」

(全ステータス平均300ぐらいですな。Lv1のアヴェ殿の方がステータスは高かったですぞ)

 弱っ!!

「え?マジで?」

 思わず聞き返しちゃったよ。

(マジですぞ)

「ちなみに、スキルLvは?」

(最大で『木属性魔法Lv3』ですな)

「特殊なスキルとかあった?」

(私が見た限りなかったですな)

「ヌルゲーじゃね?」

(ヌルゲーですな)

 そんなやり取りをしながら夜になる。

 アヴェが帰ってきた。

「大丈夫か?アヴェ」

「ご心配ありがとうございます。ご主人様。は終わってますので問題ないです」

 ほほう、ねぇ....

 日が沈み紅い月が出る。

 さぁ、復讐劇(レクイエム)の始まりだ。
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